紙の本
読書の楽しみを堪能できた
2020/01/03 22:30
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
グリコ森永事件を彷彿させる小説だ。読書の楽しみを堪能させられた。合田雄一郎がヒーローでないのもいい。思わずレディジョーカーを応援してしまう。終わり方もこういうのもありか、と思わされた。
紙の本
恐るべき総合小説
2015/11/05 16:49
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投稿者:つよし - この投稿者のレビュー一覧を見る
単行本からの再読。大幅に改稿したとされるだけあって、単行本よりブラッシュアップされ、緻密さが増している気がする。特に合田と加納の関係、心の動きが違和感なく、丁寧に描かれている。
話の筋は中巻の高揚感から一転、下巻は加害者であるレディージョーカーも、被害者である日之出ビールの面々も、身動きのとれない日常のなかで自壊し、バラバラになり、それぞれのやり方で幕引きを図っていく。犯罪小説であり、企業小説であり、人間の内奥を見つめた純文学でもあり、このスケール感は総合小説と呼ぶほかない。
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下巻に入ったら一気でした。やっぱり面白い。
でもでもでも、あの最後のシーン!!!!!(驚愕) 何どうしちゃったの雄一郎vvvvvって感じでした。でもそのシーンががらっと変わってたり、加納さんの名台詞がなくなってたり、加納さんが単行本のときより精神的に強い感じで、嬉しいようなちょっと残念なような…複雑なところではありますが、『レディ・ジョーカー』やっぱり好きです。
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単行本を読んでから10年くらい経つけど、その間に自分の年も主人公と同年代になったせいか文庫版の方が身近に感じて、登場人物それぞれの人生により思いを馳せることができたと思う。
年をとってから読み直すのもいいものだなと思った。
物井さんとヨウちゃん、レディは楽園に辿り着くことができてヨカッタ。。
あと加納の姿がよりクローズアップされたようで嬉しい^^
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株の話は正直よく分からなかった。
でもラストが衝撃的というか、ちょっと悲しかった。理由は読めば分かります。
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1日で読むつもりはなかったのに、読むのが楽しくなりすぎて1日で読了。最後(というか刺されたあたりから…)の合田に笑ってしまってすみません。改稿前を読んでみたくなりました。
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内容を飲み込めたのかとても怪しい読後。
ひとつから芋づる式に引き起こっている事柄に、組織のなかの立ち位置が絡む。その蔦のような絡まりをなんと呼ぶのだろう。運命か、柵か。三者三様の闘いを見、しかしその中でさらに枝分けれしている個人の闘いなくして組織は成り立たないのではないのか。とおもうが……おもいたいだけかも。合田さんの懊悩はこの年では他人事ではないのがこわい。
また意外とレディ・ジョーカー側に嫌悪はなく、そのまま穏やかであってほしいとおもう。
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やっとの文庫化。読み始めるのがもったいなくて、なかなか読み始めることができずに、4月半ばから、昼休みだけちょびちょび読み続け、読了。
単行本は読んでいないので、どう変わったのかは不明。
高村作品は読んだ後の余韻がいいと思う。
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物語が終息に向かっていく過程において、
唐突に“江崎グリコ”が出てくるのは、ふと勘ぐってしまいたくなる。
果たして、意図的なのかどうか。
それにしても、合田と加納が元義兄弟以上の、
“兄弟”の関係性があったとは……。
社会部記者の久保が最後に見るシーンは、
ほっとするような、そうでないような、すっきりとしないものだった。
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中巻終わりまでは閉じるのもあたわずむさぼり読んだのに、
下巻の途中から本筋を外れて失速してしまった。
ミステリというよりノンフィクションに近い終わり方で、期待していただけにちょっと残念。
恋愛話はだいぶいただけない。
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『否、見ているのは幻想だが、その幻想に震わされているこの体験だけは現実だというところに、自分たちの<いま>があるというべきか。』
下巻。ゆっくり伏線を回収しつつも飽きさせない。つかず離れずの収束過程に好感が持てた。しかし、最後のオチは一体どう解釈すればいいのか。そもそも、これをオチと捉えるべきなのか否か。あまりに唐突すぎて、考察を通り越して、思わず唖然としてしまった。しかし、Windows95の時代にこの趣向とは、やはり、いろんな意味で伝説の作品なのかもしれない。
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ジャカルタ出張の際に、時間つぶしに読み始める。
各登場人物の心理描写がしっかりとしていて非常におもしろい。
また企業の闇なども垣間見られておもしろかった。
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読み終わると、なんだかぐったりしました(悪い意味ではなく)。「レディ・ジョーカー」はいろんな人々の人生を大きく変えたけれど、闇は闇のまま。闇を少しでも見た人間は、何を思い生きるのだろうと、思いました。
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これまで高村薫の本は、面白いと思いつつも、堅苦しく或いは冗長に感じ、途中からは結末に行きつく為に斜めに読み飛ばすことが 常であったが本作3冊は、じっくり読んだ。それは意図してではなく、言葉の端々に痺れたりあるいは思いを馳せ噛み締めるところが多く、結果としてそうなったという事だけれど。
前回最後に高村薫を読んだのはいつだったかすら覚えていないけれど、やっと自分が高村薫の本を「読める」ようになったのだとしたら、そして高村薫の凄さを「理解」出来るようになったのだとしたら、こんな馬鹿でも多少はまともに歳をとっているということなのかもしれないなと、少し嬉しい。
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改訂されたとは言え、哀しい結末はそのままかよ。であれば、加納の活躍をもっと書き込んで欲しかった。トカゲのしっぽだけが切り離されて本体はのうのうと生きているってのもなんとも腑に落ちないエンディングです。改訂すべきはこのあたりであって欲しかったのに。