紙の本
勤めて気付く仕事観
2010/09/12 03:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:野あざみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
鼻につく話かもしれない。1990年代後半から2000年代前半に就職活動した「ロストジェネレーション」たち8人の転職活動記。名だたる大学を出て、就職を果たした。「派遣」「臨時」と、厳しい立場に置かれる人たちからすれば、贅沢な悩みと映るだろう。しかし、だれもが抱く仕事観の変容ぶりをつぶさに記録している。
著者は、自らの高校中退体験やニートの取材を発表した。一方で順調に歩んでいるように見える学歴エリートたちの姿を描くことも、また、実態を残す上で必要と感じたことが執筆動機と語っている。
官僚、金融、商社、外資と華々しさに満ちた世界を勝ち取る。彼らを再び、「就活」へと駆り立てる要因は何か。「石の上にも3年」「無駄な経験はない」。一昔前ならば、耐え忍ぶ力不足で片付けられただろう。
しかし、働くことによって、初めて気付く自らの適性は、あって然るべきだ。甘さを指摘されれば、返す言葉はない。ただ、「良い大学から良い就職へ」というレールが終着駅に到達している見方もできるのではないか。
特定業界に固執し、仕事観があまりにも柔軟性を欠き、選択肢は豊富に見えて、実は窮しているケース。走り続けることでしか、不安を払拭できないケース。大企業が色褪せて見えるケース。はたまた、自分に何が向いてるのか、やっぱり見えないケースなど、各々の苦悶をあぶり出している。そして見出した人生観は。
10年、20年先の彼らの姿をぜひ知りたい。点ではなく、線で結びつけてほしい。
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これからの働き方のモデルとなる若手世代のドキュメンタリー。
自分も転職回数は多いので、大いに共感するところがありました。
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こんなに「うんうん」と頷きながら読んだドキュメンタリーはない。睡眠時間削って読んだ本。弟が就活前だったら絶対に贈っていたと思う。金融、食品、石炭、広告、研究開発と様々な職種で社会に飛び込んだ当時の学生とその後について書かれているけど、どのエピソードにも思い当たる部分があって、恥ずかしくなったり励みになったり。仕事でどどーんと煮詰まったら読んでみて下さい。どの業界、どの職種、どの会社にも形を変えて遣る瀬なさは存在する、ことを思い出させてくれます。同じ風景も年月が経てば違って見える、それは必ずしも「流された」「染まった」「諦めた」で形容できるだけのものではない。
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大宅賞作家・稲泉連さんの最新刊(2010/4)、やっと読みました。ロスジェネ世代の、会社に依存しきらないチャレンジングな生き方・考え方に、アラフォーの私も「負けてらんないな」と刺激を受ける。就職氷河期に社会人になったことを「強み」に変えた8人の実例。
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自分の転職した頃の心持ちとクロスオーバーさせながら読了。先の見えない世の中、その中で先が見えてしまう会社のキャリア。自分の中で答えが欲しくてキャリアコンサルタントの資格を取り、自分の可能性を信じてみたくて36才で転職。この本の登場人物は30才前後だが、同じ心象風景だったと、あの頃を思いだした。
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氷河期の方々が、30代になっています。。。
社長も含め会社員は全員契約社員になったらどうかという思考実験を
他のところで見かけました。
極論を考えることは、問題点をあぶり出すの有効。
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止め処もなくリアル。
働くということに対しての、人それぞれの価値観を垣間見ることで、自分を見つめなおすことができた。
僕も数年後、氷河期世代ということで同じようなことを悩むことがあるのだろうか。
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「漂流」という言葉とは裏腹に、自分の道を見つけて転職をする若者の姿を描く。インフォーマントの生い立ちから就活、仕事への姿勢、考え方などうまくまとめられていて読みやすい。
転職は、珍しいものではなくなっているのに、いまだに「いい大学」→「いい会社に入って終身雇用」幻想が広く浸透してしまっている。その齟齬によって少しずつ弊害が出てきている。
キャリアアップや本当に大切にしたいことのために転職という道を選んだ方々が取り上げられているので、将来を考える学生にはオススメかなー。
ただ、現実はもっと厳しいんだけど。
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「選択肢が増えても成功の確率が低い時代、選択肢が少なくても成功の可能性が高かった時代」
「仕事漂流」とはこれだと言う仕事が見つからないということで、決して仕事にあぶれているということではない。ここに登場する人たちは、1990年後半から2000年前半の就職氷河期に就職できた勝ち組と言われる人々。 人としても魅力的で頭だっていい勝ち組であっても自分の生き方や選択に悩んでいる。(生活への不安は語られないし書かれていない)悩んでいるとはいえ、そこはやっぱ優秀で勝ち組になったのも納得。そしてそういう人はやはり大企業に入る。
30歳までの時期は大企業で働き、柔らかい頭に一流を詰め込み、それから中小企業やベンチャーに流れて、全体が見えるような仕事をする。おそらくこれが理想的なキャリアパスで、長い停滞に入る前は一般的な人材の流れだったと思う。均一で高品質な社会人の製造工場という面があるから、政府も便宜を図っていた。しかし、大企業が足並みを揃えて新卒採用を控えたころから、このキャリアパスが崩れてしまい、だから「世の中には魅力的で優秀な中小企業がいっぱいあります」から「そっちに入ってください」というキャンペーンにつながったと思っている。
中小企業は社会にカチッと噛み合う歯車を作るという役目を押し付けられたけれど、教育に投資するような資金的余裕ををもたない中小企業じゃ社会人のタマゴを育てることはできないと思う。OJTとは何とも都合のいい言葉。
この大企業→中小企業という人材の流れと、リクナビのような一括応募のモデルはとても合っていたと思う。新卒サイトの収益モデルでは、どうしても大企業を優遇するインセンティブがはたらいしてしまうけれど、それで良かったのだ。中小企業は大企業で教育された人をう譲り受けるだけでよかったんだから。もしかすると、中小企業のホンネは今もそうで、リクナビとかにクレームをつけてるのは、使い捨てにできる若い労働力を欲しがっているベンチャー企業なのかもしれない。
これから、大企業が社会人を生産してそれを中小企業に流すというキャリアモデルが崩れたらホントどうなるんでしょうか。
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一流大学を卒業し、一流企業に入ったけど、転職をした8人に焦点を当てたノンフィクション。
キャリアアップという言葉に、アタフタさせられ、浮き足立たされる。その感覚は凄くわかる。
ノンフィクションなので、転職で何もかも得られるわけじゃないが、それなりの満足感を得ているといった、リアルな内容なのは良いですね。むやみに煽るわけでもない。
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職業観、仕事感について考えさせられる。自分自身も悶々としているのだが、同様に考え悩んでいる人も沢山いるんだと思った。
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8人の働く若者のノンフィクション。
仕事とは、何を求めて生きているか、自分にも考えさせられる。
自分のやりたいことがあって、でも迷っている人にはすごく勇気づけられるだろう。
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自分がタイトルの状況にあった時に読んだ本。
取り上げられた人達の思考は理解しやすく、物語としても面白く読ませてもらえた。
作者の思想や解釈を無理に押し出していないところも好感が持てた。
正解がない中、同じ仕事人として悩み進む姿を身近に感じて勇気付けられた。
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大企業に入社したが向いている仕事がわからず悩む
一流企業人の転職事情がリアルに描いているらしい。
仕事に詰まったら読んでみるかね。
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2011年8月
転職を切り口にした8人の社会人のキャリア。
仕事選択、転職への決断、キャリア展望。
就職氷河期に就職した若者がどのような判断をしてきたのかがよくわかる。
働き方などやってみないとわからない。働きながら探す物なのかもしれない。
企業にとらわれない生き方を見つけるための転職か。転職の意味を捉えなおしました。