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溝畑氏がトリニータを立ち上げてから、観光庁長官に就任するまでの
できごとがジャーナリストの取材によって明かされている。
この本が正しいとは言えないが、有名になるとメディアが邪魔になる
という良い例だと感じた。
また、多くの公的権力との関わりがチームには存在してくるが、
そこでの利害関係や確執も、
仕事を進めることを阻む大きな要因であると感じた。
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大分トリニータの栄光と転落
それがわずか1年の中で起こり、本当にショッキングな出来事でした。
溝畑社長は、時代の寵児から
各方面から「バカ、ハゲ、死ね、辞めろ」の大批判にさらされる日々へと変動していきます。
この本にはその裏にあった真実を
とても丁寧な取材を繰り返すことによってあぶりだされています。
そして大分の破たんにより周りから起こった
「身の丈経営」を推進する動き
木村さんはそのことへの警鐘もならしています。
地方から日本一へ、大分から世界へ
そのビジョンすべてを否定してはいけない。
この本でそのことが暑く語られています。
溝畑社長にすべての責任を転嫁し
大分を窮地に追いやった犯人がこの本には書かれています。
同じような犯人がジュビロにも表れることを否定できません。
Jリーグファンなら、この本を避けては通れない。
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大分のプロサッカーチームの設立に動いた人、巻き込まれた人の話。政治や金なども絡んだ綺麗事だけではない話だが壮絶なストーリーに引き込まれる。自分に取ってこれからも興味の中心となるであろうテーマ。
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癖のありすぎる人間の、成功と失敗。可能性と限界。
そしてスポンサーとしてでてくる、裸一貫から成功した人物達。
彼らのメンタリティが、とても興味深く読めました。
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ある側面からは事実なんだろうけど、溝端さんサイドに立ちすぎ。サポーターがどう思っていたかも取材してほしかった。
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消化できないことが多いなー。報道に出ないようないろいろな事実は丁寧に書かれているけど自分としてそれをどう理解すればいいのか迷います。
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天才溝畑宏の大分での奮闘。
これをみれば、良くも悪くも溝畑宏という人間がわかる。
かなりの良書。
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溝畑氏解任のケースは大分県の秩序ー政官財が織り成す権力構造(あるいは権力分配構造)の埒外で動いたことが一番の原因でしょう
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観光庁長官としての溝畑宏氏の講演を聞いたのをきっかけに本書を手に取り、大分トリニータ社長時代のことは何も予備知識がないまま読み進めたのだが、溝畑宏氏が人間として底知れぬ魅力を持った人物というのがよくわかった。しかし、官僚、経営者としては問題がある人物だというのも感じた。著者は、溝畑氏のファイン・プレーは「叩かれても嫌われても全部自分でのみ込んだ愚直な献身」にあるというが、「全部自分でのみ込む」というところこそ、経営者としては問題であると思う。
いずれにせよ、本書は優れたルポタージュであると感じた。朝日ソーラーの林武志氏、市井の行政監視人である永井敬三氏、ペイントハウスの星野初太郎氏、マルハンの韓昌祐氏など「脇役」の描写も際立っていて、それぞれの人間的魅力をよく感じることができた。
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「スポーツビジネスに潜む様々な厳しさを伝えた一冊」
オシムの言葉」や「悪者見参」などでしっかりとしたジャーナリストとしての立ち位置を確立した木村さんが次に選んだ題材は、地方プロスポーツチームのあらゆる意味での厳しい現実。
・豪腕知事に対する反発からサポートを渋る地元企業
・お調子者だがものすごい馬力の元官僚社長
・厳しい経済環境
・Jリーグの統治方法の有様
一人のものすごい熱意が奇跡を起こすシンデレラストーリで終わるなら美しかったものの、天皇杯優勝の翌年にJ2降格、さらにチームがJリーグに救済されることになった大分トリニータの15年を追った力作。
思う事は一つに、日本のジャーナリズムの拙さ。大分トリニータについて著者が調べなければ、どれだけのマスコミが間違った報道のまま終始していたことだろうか。
そして、まだまだこの国のスポーツビジネスに関する「プロ」の人材不足。スポーツが市場としてさらに拡大し、成熟してこない限り、大分のケースはまだまだ続くだろう。
溝畑氏のそばに一人でもプロがいれば、今頃大分トリニータの景色は違っていたかもしれない。
プロスポーツチームの経営、運営におけるプロを育てる事が、実は世界に勝つ一番の近道かもしれないと感じさせる一冊。
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「大分トリニータを潰して、本庁へ戻っていったキャリア上がりの社長」と評判の溝畑氏を追いかけた1冊。この1冊を通して、彼だけでなく、トリニータを取り巻く大分の政財界が見えてくる。改めて、日本で革命的な行動を起こすことは難しいものだと感じた(まあ、それができる力量がついてから言うべきことのなのだが…)。
とにかく、マスコミが範囲に付けた評価の薄さを思い切り裏返し、溝端氏の大分での15年をよくも悪くも読みほどく良書である。サッカーファンなら必読。
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文句なしの★5つ!。今のサッカージャーナリストの中で木村元彦さんがNo.1と思うな。圧倒的な取材量、登場人物の描写が深い、しかも分かりやすい。これは値打ちだった!。
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ただ絶賛。地域活性化は、このような人がいるから。
脆弱な地元財界が何を言おうとも、地方のチームでチャンピオンになったのは、トリニータだけ!そのエッセンスと陰湿な地元財界がチームを破壊した真実が書かれた秀逸な書。
あ。私は、かなりトリサポです。
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読了。
溝畑氏の破格の情熱と行動力、営業力はただただ驚嘆するばかり。苦労も多かったと思うが、本当に充実して楽しかったのだと思う。惜しむらくはその突出した力のため引き起こされる他との摩擦。それを調整する潤滑油的な存在が不足していたこと。組織論の勉強にもなった。
また、著者の木村元彦氏はオシムの言葉などサッカーに関する著書多数。どちらかに偏ることのない客観的な視座が清々しい。
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大分トリニータは2009年のシーズンで下位に沈み、J1からJ2へ降格。同時に財政破綻により、Jリーグから融資を受ける等、サッカーの成績ばかりではなく、経営的にも行き詰っていることが露呈。社長である、溝畑宏は辞任を余儀なくされる。その1年前、2008年のナビスコ杯で大分トリニータは優勝、地方の小規模クラブがよくぞ快挙を成し遂げたとして賞賛されたのが嘘のようなあっけない凋落の仕方であった。
溝畑宏は旧自治省のキャリア官僚、大分県庁に出向となり、地方振興策の一環としてサッカーを活用するアイデアを得、大分へのW杯招致、Jリーグチームを持つなどの目標をたて、それを成し遂げる。2002年の日韓ワールドカップのために、大分には立派なサッカー場が出来、そこで何試合かが行われた。また、県リーグからスタートした大分トリニータ(設立当時はトリニティ)はJ1まで登りつめ、また、上述の通り、カップ戦でも優勝するという成績をおさめた。本書でも紹介されているが、その間の溝畑の苦労は並大抵のものではないが、それでも、その苦労は報われた、ということでもある。ここまでが天国。
一方で、J1から降格し、また財政的にどうにもならないところまで追い詰められると、溝畑に非難は集中、もともと大分県内では人望のなかった溝畑は、実質的に解任されるし、サポーターからも、それまでの業績にも関わらず一方的な非難をあびる。その後、観光丁長官に就任することが出来たとはいえ、解任に至るところが地獄。
本書は、かなり綿密な取材により、大分トリニータの、従って、それは溝畑宏の大分での15年を振り返ったものである。Jリーグのチームを、特に地方でそれを持つということが、どういう構造のことで、どんなことを引き起こすのか、といったことが(もちろん、それは大分トリニータの個別のケースではあるが)理解できる。
サッカーが好きで、中学・高校を大分で過ごした私は、当然のように大分トリニータのファンになった。大分には、まれに出張で行く機会があった。J2時代、現在のスタジアムが出来上がる前、大分市営競技場での試合を観戦に行ったりしたこともあった。J1に昇格した後、大分市内に赤いユニフォームを来た大勢の人達を見かけ、何だろうな、と思って近づいてみると、浦和レッズのサポーターの人達で、アウェーの試合の応援に、はるばる大分まで来ていたのだった。なぜか、それを見て、「大分も本当にJ1に昇格したのだな〜」としみじみと嬉しくなったことを憶えている。テレビ観戦だったけれども、ナビスコ杯で優勝した時は感激したものだ。
2009年のJリーグでのチームの信じられない崩れ方や、その後の財政問題をめぐってのゴタゴタもいちおう、ウォッチはしていたが、いったいどういうことなのか、今ひとつ本質的なことが分からなくて、いらいらしていた。この本によって、その内容の一端が理解できた気がする。今季のトリニータは、J2でも下位に甘んじている。テレビでも試合を観たことがないが、主力選手のほとんどが放出され、大幅という言葉では追いつかないほどの戦力ダウンの中では仕方がないのだろう。
ファンとしては、トリニータが復活できるのかどうか、が気になる。復活のための仕���に携わっている人には、この本は非常に参考になる本だと思う。そういう人達に、是非、読んでもらいたいものだと思う。