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hontoレビュー

蜘蛛の糸・杜子春 改版(新潮文庫)

蜘蛛の糸・杜子春 改版 みんなのレビュー

文庫

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みんなのレビュー221件

みんなの評価4.3

評価内訳

221 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

画家としての視点から

2007/07/09 22:21

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本を見ていると 芥川は 童話を書くにおいても 達人であったことに改めて驚かさせた。芥川の才能の引き出しは 本当に色々とあった事に今 気がついているところだ。


 但し 芥川はどのような意図で これらの童話を書いたのかという点は考え直されても良いと思う。本当に 子供用に彼が書いたとは 俄かに思えないからだ。


 例えば「蜘蛛の糸」を考えたい。芥川がこれを書いた意図は 抹香臭いお説教ではないと思う。彼が 本当に魅入られたのは 天国と地獄の間に一本の糸が繋がれており その糸を一人の男が登っているという 一幅の風景であったような気がしてならない。


 芥川の絵の才能は 河童の屏風絵などでも知られているわけだが そんな画家としての視線が 天国からふわりと落ちていく蜘蛛の糸を凝視しているような気がしてならない。

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紙の本

優しい教訓。

2008/10/01 15:31

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hachi - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本に納められている作品は、
芥川竜之介が、少年少女に向けて書いた童話だそうだ。

童話にしてはダークな雰囲気の作品が多い。
表題作の「蜘蛛の糸」、「杜子春」はいずれも有名な
話だが、どちらとも地獄の描写が登場する。


しかし、世界観を暗くすることによって、
教訓を分かりやすく伝える、ということに成功していると思う。

地獄や、死などの描写は子供にとっては、あまり
良い影響を与えないのでは・・・?
とも思われるかもしれない。
しかし上手く使えば、「こんなことをしてはいけない」
という教訓を伝えるのに、これ以上に
分かりやすいものはないように思える。


この本では「自分のことしか考えなかった人物が、
最後酷い目に合う。」というような話が少なくない。
こういった作品たちは、
現在、多くの人が忘れてしまった、「人を思いやる心」を
呼び覚ませてくれるのではないだろうか。

そう考えるとこれらの作品群は、ダークな世界観ながら、
実はとても優しいものなのではないか、とも思わずにはいられなかった。

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紙の本

一番好きな本

2018/05/02 13:43

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まこと - この投稿者のレビュー一覧を見る

近代の小説家の中で芥川は一番好きな作家ですが、その中でもこの少年向けの短編集がほのぼのとしていて一番好きです。
「魔術」「トロッコ」「白」が特に好きです。何度読み返しても面白い!
無人島に何か本を一冊持っていくなら、私は迷わずこの短編集を選ぶと思います。

私のレビューより巻末の吉田精一氏の文庫解説を読まれるとよくわかり、面白さ倍増すると思います。

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電子書籍

子供の宿題に

2015/09/24 14:14

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:KUPA - この投稿者のレビュー一覧を見る

読書感想文の子供の宿題に。
1タイトルのページがすごく少ないので、本の嫌いな中高生が読書感想文を書くのにすごくオススメです(笑)

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紙の本

蜘蛛の糸

2015/09/14 01:14

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:日本の城大ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルにある、「蜘蛛の糸」、「杜子春」の教科書等にも掲載されている作品以外にも、面白い短編が多数収録されており、芥川龍之介の作品を初めて読む人にもおすすめの一冊です。

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紙の本

蜘蛛の糸

2004/02/25 03:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:すなねずみ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ひとつの作品を読むということは、きっと、作者たる他人の紡ぎだした<蜘蛛の糸>を目の前にして、こわごわと触れてみたり、ちょっとだけ引っ張ってみたり、手のひらのなかで玩んでみたり、そんなことをしながら、あるとき思い切って、「えいや!」とばかりにその<蜘蛛の糸>を掴んで、どこか天国へでもつづいているのかもしれないと、ほんの少しだけ期待しながら、登っていってみることなのかもしれない。

翻って考えるに、文章を書くということは、その<蜘蛛の糸>を自ら紡ぎだしてみるということだろうから、ちょっと触れたり引っ張ったりしただけで切れてしまうようなのは論外だし、するすると登ってみたはいいけど途中でぷつっと切れてしまうようなのは余計ひどいような気がするし、どれだけ強靭な糸を紡ぎだせるかに、自らのすべてを賭けなければならない。

カンダタは「これはおれのだ」と叫んで、地獄へと落ちてしまったけれど、じゃあ叫ばなければすべては上手くいったのだろうか。そうかもしれない。きっとそうなのだろう。芥川さんはそのことを、ちょっと信じられないけれど、でも信じてみるしかないんだよな、と、そんな状況に追い込まれて、そのことに命を賭けてみたんだと思う。こんなか細い<蜘蛛の糸>に、そんな鈴なりの人間がぶら下がって、切れないわけがない。でも、最初に見つけたからには、それで仕方がないのだ。登り始めた時点で、もう、そうするしかないのだ。どんなに怖くても、「これはおれのだ、だから、てめえら、降りろ、このバカ!」と言ってはいけないのだ。どれほど、そう言いたくても、歯を食いしばって、耐えなくてはいけないのだ。

つまり、作家とはそういう人間なのだ。孤独な、イノチガケの。

<蜘蛛の糸>というのは、たとえば、そんなふうにも読める話のように思う。

ぜんぜん違うのかもしれないが。

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紙の本

蜜柑の話をしよう。

2003/08/27 10:51

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オレンジマリー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 高校一年の時、国語の授業で「蜜柑」をやった記憶は鮮やかである。先生いわく「高校一年の授業では、羅生門か蜜柑のどちらかをやる」らしい。
 羅生門といえば、追い剥ぎの話だ(実を言うとまだ読んだことない・・・)。しかしかの漱石が絶賛した才能の持ち主。一体どういう文章を書くのか、漱石ファンの私としては気になる。近いうちに必ず、羅生門を手に入れる。

 曇った冬の日暮れ、珍しく見送りの人もいない薄暗いプラットフォーム、頭の中には云いようのない疲労と倦怠とがまるで雪曇りの空のようなどんよりとした影を落としている。
 モノクロの視野である。心持も、風景も、頭の中もモノトーンである。

 そんな視界に日和下駄の音がけたたましく近付いてきて、色彩をもたらす。皹だらけの両頬を赤く火照らせて、垢じみた萌黄色の毛糸の襟巻きがだらりと垂れ下がった膝の上には、大きな風呂敷包みがある。いかにも田舎者らしい娘である。ここまで読むと、少しずつ色づいてきた景色を想像できた。
 二等列車に乗れる財力を持つ主人公と、三等切符を握り締めて二等列車に乗り込んできた田舎娘。主人公は冷ややかに少女の行動を見るが、想像できる風景に冷風は吹き荒れない。モノクロの視界で唯一色彩を携えた娘なのだから、そちらの方が暖かみを帯びるのは必然である。
 娘に無関心決め込む主人公の気持ちとは裏腹に、娘は主人公の視野に無遠慮に入りこむ(娘が意識的に入りこむのではなく、主人公が娘を意識から追いやれないだけなのだが・・・)。やがて悪戦苦闘した結果窓を開けることができ、濛々と車内にどす黒い空気が漲り、咽喉を害していた主人公は咳き込む。主人公はその娘の意図を掴めず、ただ腹立たしく思うのだ。
 車窓から踏切りのところで三人の頬を赤らめた男の子が立っているのが見え、街外れの陰惨たる風物と同じような色の着物を着ていて、汽車が通ると歓声を迸らせた。すると娘は霜焼けの手を伸ばし、暖かい色味の蜜柑を彼らに投げる。主人公は全てを察するのだ。娘が奉公先に赴き、見送りに来た弟たちの労に報いたことを。 疲労と倦怠に満たされていた主人公の脳に、その一瞬の出来事はくっきりと刻まれ、退屈な人生を一時でも忘れることができた。そんな話である。

 この書評のほとんどを本書から用いたのだが、芥川の文才を充分に味わえた作品なので、そのまま伝えようと思った。白黒の陰鬱とした風景に、暖かみを帯びる娘が映える。主人公の気分を、少しでも晴らすことができたその一瞬を、やはり私も忘れられずに生きている。漱石に見込まれただけある。そう思って蜜柑を記憶に刻み込み、頷く。色彩のコントラスト、素晴らしいと思う。冬の炬燵に何気なく置かれている蜜柑に、文豪が紡いだ意味ある文章を馴染ませるのも、風情ではないか。

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紙の本

誰だって

2002/07/18 16:42

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:郁江 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この話は怖い…ホラーやスプラッタなんか目じゃないくらい心理的に震えあがる作品です。地獄に落ちた男がやっとのことでつかんだ一条の救いの糸…今にも切れそうな 細い糸に 何人もの人々が連なっていたら あなたならどうしますか? 私はきっと この主人公と同じことをするだろう。誰もが心の奥底に“自分だけは助かりたい”って気持ちを隠し持っていますよね。だけど 大切な人の為に自らを犠牲にする気持ちも持ち合わせているんです。命がかかっている時に見ず知らずの人のことまで かまってられるほど 私は出来た人間じゃない。そうすると地獄に逆戻り…神は時に残酷です。

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紙の本

人情に満ちた作品たち

2002/07/25 00:40

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:アセローラ - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本には若い人向けに集められた10編が収められています。中でも、「蜜柑」をおすすめしたいです。5ページほどの短い文章の中に、少女への、嫌悪感から次第に暖かな気持ちへと変化していく様子が描かれています。他の作品を読んでも、ハッとさせられることが多かったです。周りに流されるまま生きていると忘れがちになってしまう大切なことを気づかせてくれる本でした。

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紙の本

かくも鮮やかな純文学

2002/04/16 21:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゴンス - この投稿者のレビュー一覧を見る

 はたして、純文学とは何か。その答えを知りたければ、芥川龍之介の作品を読まなければなるまい。
 純文学とは家族や恋愛、その他諸々の「悩みと葛藤」をモチーフにしたものだ、と云う輩が数多くいるが、それらは純文学ではなく、あくまでも純文学に数多ある「道具仕立て」に過ぎないのだ。
 では、純文学とは何か。端的に云えば、例えば『蜘蛛の糸』における糸が切れる瞬間、あるいは『トロッコ』における暗い過去のフラッシュバックである。つまり純文学とは、小説の設定に関係なく読者に不安や恐怖を投げかけることである。その意味で、芥川の小説こそ紛れもなく純文学であり、本来、芥川賞とはそういった作品でなければならないのだ。

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2004/09/25 00:12

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2004/09/30 13:30

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2005/07/26 03:19

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2008/03/12 16:50

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2005/04/28 16:16

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