紙の本
神田川ロングウォーク
2020/06/29 22:58
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
神田川の源流は、井の頭公園・井の頭池にある。本書は、神田川を源流から、隅田川に合流し、東京湾に注ぎ込むまでを、延々と川に沿って歩く物語だ。
実は、10数年前に、神田川が隅田川に合流する浅草橋まで、同じことをひとりで実行したことがあって懐かしく読んだ。古川日出男氏は、神田川ロングウォークという物語のモチーフをどこから見つけたのかしら?絶対作家自ら歩いて取材したと確信できるリアリティで、地図を片手にお読みになることをお勧めしたい本。水再生センターがある落合中央公園~江戸川公園あたりまでなら、実際に歩くのも楽しいかも。
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うーん。
序盤の出落ち感が最後まで抜けない作品。
このネタをここまで長く書くことにより「何」を表現したかったんだろう? よくわからず、同一のテンポで何とか読みきるような。
空気感が好きな人が面白いって言うんだろうなぁ……。
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古川日出男の小説はある一定のリズムで消化できると思う。
それがとても心地よい。
知らない土地のロードムービー的な小説は(想像力に乏しい自分には)ハードルが高いけれど、友人が昔住んでいた土地のミスドが出てきたところには奮えたなあ。
私もそこで休憩したことがあるんですよ。
小説と体験がリンクする高揚感ってこういうことか。
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井の頭公園から神田川を辿って海へと行く物語。
読んでしまった。
読んでしまったから、オレはいつかの夏に神田川を辿る旅をしなくてはいけなくなってしまった。
この本を持って、帽子をかぶって。
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ゆっくりと時間が流れていて、こんな冒険を、こんな夏休みをと思わせてくれる一冊。
こっそりと、アビシニアンと繋がっていたりして。
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「それは階段からはじまります。人がいっぱいいめ、僕は耳をすまします。ちらっと横を見ると〈鳥獣保護区〉と書かれています。看板の色は赤です。文字は白です。緑の内側にその看板は立っています。
緑なのは樹々です。」
夏休み、20歳、井の頭公園、冒険。
ビビビなキーワードが目白押し。
余韻の残る文章が素敵。
古川さんの作品のこの心地良さは何なんだろう。
リズムというか流れが心地良い。
それから記憶の中にある実体験とのリンク。のような。
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井の頭公園から神田川を辿って海まで歩く。
自分の過ごした場所が多く出てきてとても楽しかった。
それにしてもこの人は独特な文章書くよなぁと思う。
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読んで良かった! 素晴らしい夏のどうだっていい、何もなくわくわくする一大冒険譚。おじさん最高! 評議会は、ちょっと作者の地が出た?
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この人のこの手法に飽きがでてきたのは、ここらへんからかな。いや、たぶん、書いているあっち側もこの手法に飽きがでてきてないか、とすら思う。正直、惰性じゃないか、これ、と。神田川から東京湾まで。何がしたいんだ、ていう。何もしたいわけじゃないんだ、ていう。そういう物語。(12/1/30)
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「冒険」
「おれら、それ、するの。ていうか、してるの」
他人の顔を見分けることの出来ない主人公と、
出会って行動を共にする人たち。
そして、僕達は井の頭公園から海へと歩き出す。
川沿いを歩く1泊2日の冒険。
本当の夏休みのはじまり。
目はふたつ、口はひとつ、眉はふたつ、耳はふたつ、鼻はひとつ。
在るものはみんな一緒。
だから見分けがつかない。
好みがあると思いますが、
詩のような断片的な文章が私は大好きです。
「視界の、縦。
空を仰ぎます。」
顔がわからなくても、
色や声、匂いや温度、呼吸、言葉、
たくさんのものが情報をあたえてくれる。
ただただ、海を目指して歩き
ときには不思議な世界にも迷い込みますが
特にドンデン返しもないですが
なんだか惹き込まれました。
それにしても、
川も駅も交差点も
この方は全部見てきたんでしょうか。
井の頭公園から海まで、
描ききるって。
36度9分、それは青春の温度なんです。
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出会いと別れを繰り返しながらひたすら歩く話。上京する前は想像がおいつかなかったけれど、東京に出てきてからなんとなくイメージがわいてくる。
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吉川日出男の作品の中では一等好きな作品です。神田川を河口に向かって歩くと言う、超短距離のロードムービーのような1冊です。
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まるで音楽のような小説。
そこに描かれる風景、流れるような物語、軽やかで確信犯的言葉レスな文体、交わされる正常に傾いた会話。
小説の文体をこんなに魅力的だと感じたのは初めてだった。
はじめて読んだときのインパクトは忘れられない。
好きな人にはとことんハマる作品だと思うが、一般受けしないという感じもする。
自分にとっては魅力的に映る文体も、人によっては、変な文章、荒い文章という風に感じられるかもしれない。
他にこの作品の特筆すべき点を挙げると、東京小説、というか観光小説として見たときの、その圧倒的な描写力だと思う。
趣味が旅行なので多数の旅本、ガイド本を読んできたが、この本は別格の存在。
絵よりも写真よりも、この小説から想起される世界は具体的で鮮烈で、感覚的。
その真価は読後に実際に東京を歩いてみたときに感じられた。
数年前の夏、この物語の舞台を出発地点の井の頭公園からゴールまで、丸一日かけて川沿いにずっと散歩したが、作中出てきた駅や看板、ベンチ、児童公園、道路、川、橋、牽車区、高い塔、アイスを買ったコンビニ、そしてゆったり過ぎる夏の空気まで、「全部現実」にあった。
名もない道ばたの風景が、輝いて見えた。
文庫本片手に歩いたが、この一日は普段の何倍にも長く感じられ、現実感と非現実感が入り交じった、不思議な体験だった。
自分にとって、そんな特別な時間をくれた一冊。
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人の顔を認識できない少年が、20歳になって初めて1人の外出を許可されます。少年は冒険をしようと心に決めて井の頭公園にやってきました。公園の湧水をたどって、杉並区から中野区へ、高田馬場から水道橋へ。途中何故か仲間が増えていきみんなで海を目指して!
この作者は本当に不思議な本を書きます。ベルカ吠えないのか?も賛否両論すごい本でしたが僕は擁護派の側でありました。ベルカは犬の血筋そのものが主人公でしたが、この話は東京が主人公です。僕は中野区生まれなんで大分分かりましたが、地方の人はつまらないかもしれません。ひたすら情景描写と、不思議な会話の連続です。でもこういうかわった本もまたよし!
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ぼくは学校には行かなかった。
集団行動が難しい。
僕は人の顔がわからない。だから声と匂いと、手を握ることでコミュニケーションをとる。
20歳になり自由行動が許され井の頭公園へ。
井の頭公園で、そこが神田川の起点だと知る。
そこで出会った、ウナさん、カネコさんを中心としたメンバーと、神田川氏沿って海まで歩くことになります。
途中、いろいろな人たちとの交流があり、それが中学生の集団だったり、中国人との国際交流だったり
おじさん、でも実はすごい人で・・・
川を沿いを歩くことで夏休みを謳歌する面々
どこかに忘れてきた何かを考えさせられるすがすがしい1冊
夏に読んでほしい