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幇間探偵しゃろく 1 (ビッグコミックス) みんなのレビュー
- 青木 朋 (画), 上 季一郎 (作)
- 税込価格:576円(5pt)
- 出版社:小学館
- 発売日:2010/06/30
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コミック
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紙の本
粋が沢山あった頃
2010/07/25 10:04
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ももんじゃ05号 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1 本書は、昭和初年ころ、東京向島に出入りする若旦那と、それに付き合う幇間(太鼓持ち)が、探偵をして、事件を解決するという話である。
2 本書の若旦那は、さる会社の次男坊、しかも、3人の兄と姉がいる末っ子である。だから、家は長男が継ぎ、親御さんも甘く、今では、向島界隈へ出入りする遊び人である(30年くらい前まで、老舗では、親御さん(父親だけでなく、母親も)が、息子の遊ぶ金を出す習慣があったそうな。年取ってからよからぬ遊び(遊びや遊ぶ相手にも上中下がある)を覚えないように、あらかじめ若いうちから遊ばせとくんだそうである。また、付き合いで、野暮なのがばれると、あんまり外聞がよろしくない。旦那は遊びも仕事だったのである)。
ただ、生来の育ちの良さか、遊びは、きれいなもんである。しかし、相当野暮天だ(こっちの方が致命傷かもねえ、遊び人としては。服の趣味はいいんだけどねえ)。
この若旦那が、事件が発生するとさっそうと現れて、事件を解決…しない。事件を解決するのは、もっぱら太鼓持ち氏であるが、どっかの眼鏡の少年探偵よろしく、太鼓持ち氏は、若旦那に手柄を渡すのである(ただ、通常、遊ぶ方より、遊ばせる方が知識も技量もうえでないといけない。太鼓持ちと芸者は馬鹿ではできない)。
3 しかし、この太鼓持ち氏、大変珍しい。太鼓持ちは、お座敷などで、旦那のご機嫌をとる商売であり、旦那や一緒に来たお客の機嫌を損ねるなど言語道断の所業である。
ところが、この太鼓持ち氏、酒癖が悪く、行儀の悪い客を見るや啖呵を切り、若旦那以外には、縁切りをされてしまったという御仁である。
若旦那も太鼓持ち氏に愛想をつかしそうになることもあるが、なかなか切れない。そのたびに、事件が起きて、太鼓持ち氏が事件を解決するのである。
4 本書は、推理だけでなく、今はほとんどなくなってしまったお座敷遊びの情緒や、昭和初年ころの洋風と着物がいい感じで混ざった東京の風俗が描かれている。
古き良き時代の良き場所の一席である。
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