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子どものための美術教育 学校での図画工作科教育と家庭でのART教育 みんなのレビュー
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紙の本
家庭でもできる美術教育の指導書。
2010/05/21 04:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る
淡い色で彩られたイラストの扉を開くと、豊富な色刷りの絵が登場してくる。まず、幼児のイタズラ描きのようなものが目に付くが、この何の変哲もない絵が懐かしい。我が家の子どもたちも辿った「お絵かき」が発達段階に分けて解説されている。美術を志す学生、もしくは美術の教員を対象として書かれた一冊と思ったが、家庭でのART教育と副題にあるように、一般の人が手にとっても何ら支障の無い平易な言葉で綴られている。
何気なく描いた子どもの「お絵かき」にも、子どもの発育段階で意味があることに驚くが、「ピラミッド」だの「宇宙方式」、さらには工作における「材料金庫」など、おもしろいと思えるものばかり。教育基本法に基づく美術教育の内容など、普段、家庭では接することのない美術教育の説明もやさしい。
巻頭は子どもの美術教育の発達段階を研究した関衛の業績が出ている。子ども描いた絵を一万枚以上も集めて分析したという教育者だが、明治、大正の時代に美術教育の研究をしていた人がいたことを初めて知った。
また、この本の最後には著者の父祖の時代の絵画教育の実際が紹介されている。戦乱をくぐり抜けての作品が残っていることに驚くが、大正時代に日本の家庭でこのような美術教育が行われていたことは世間に広く知られても良いのではと思う。
普段、美術書にはさほど手を伸ばさないが、向野堅一という人物についての記録が出ているので、どうしても欲しかった。向野堅一は日清戦争において通訳官として徴用されるほど中国語が巧みで、日中の懸け橋になるべく中国の産業振興に身命を賭した人である。この向野堅一の先妻、後妻はともに大分県日田の咸宜園廣瀬淡窓の末裔になる。美術関係の本でありながら、歴史好きにはたまらぬ材料を内抱しているのもおもしろい。
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