紙の本
純愛だあ!
2019/05/05 08:25
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投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
桜の季節に桜のタイトルをついたのをと思い選んだのが、この作品。大学と予備校が背景ということで、おっさんには厳しいかなと思いましたが、なんのなんの甘酸っぱさもなく、しっかり純愛なる物語でして、不覚にも涙が流れました。恋愛において、真っ直ぐ進む者、臆病になる者、しっかり表現されて、感情移入して読めました。読んだ後はいつまでも仲良く幸せにと思えます。心が洗われる良作でした。
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閉塞感に胸が詰まる――恋と受験と青春と。
2010/10/17 14:52
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投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハジメマシテの作家さん。書店の新刊コーナーでその美しいタイトルと装丁に、思わず手が伸びた一冊。滅多に読まないラブストーリーだけれど、気になって買ってみた。
高校を卒業したばかりの18の春。進学で上京する彼氏を見送り咲奈は浪人生活をスタートさせる。予備校で出会った春子、享、賢吾らと共に来る日も来る日もひたすら勉強に励む日々。取り残されたかのような淋しさと苦しさと閉塞感。疎遠になる恋人。会話の噛み合わない元同級生。そしてなぜか安心する浪人仲間。咲奈の19の年が詰まった一冊。
ものすごい閉塞感。胸が苦しくなってしまった。受験に失敗し「浪人生」という身分を得た咲奈。目標は「合格」の二文字。「合格」に必要なこと以外は全て、不要。来る日も来る日もただひたすらに勉強あるのみ。
夏。帰省した元クラスメイトたちは「大学生」。久々の再会に心躍るはずなのに、その眩しさに咲奈は焦りを感じ、自分がどうしようもない人間のように思えてしまう。不安。妬ましさ。憧れ。苛立ち。
それは高校時代の雑談と大差なくて、少しも特別なものではなかったのに、二人の会話に咲奈はうまく口を挟めなくて、そんな自分に愕然とする。
面と向かって話せるような、面白いことなど何もない。
その『何もなさ』がショックだった。
そしてそんな自分に苛立ち、自己嫌悪に陥る負のループ。
あぁ、わかるよ、わかる! その閉塞感。そうやって人と会うことがどんどん億劫になっていくのだ。でも「それで駄目だ」と思いなおして誰かと会ってみるのだけれど結局、疲れるだけで会ったことを後悔してしまう。そんなことの繰り返し。
「何もない』毎日。あるのは「勉強」だけ。苦しくて仕方がない。楽しみなんて何もない。だから人に話すことなんて、何にもないのだ。
恋愛小説としての側面よりも、こういった閉塞感に強く感情移入してしまった。
恋愛小説としてはとってもオーソドックスな展開。そして迎えるハッピーエンド。でもそのハッピー具合が心地よい。甘すぎず、かといってさらりとしすぎず、なんだか「きゅん」となってしまった。
加えて、登場人物たちのキャラがいい。主人公の咲奈。その妹のカナ。浪人仲間の春子に亨に健吾。特に亨がかっこいいのなんのって!!! 19の時にこんなひとが周りにいたら、わたし、間違いなく恋に落ちています!って宣言できるくらい、かっこいい。
たまにはいいな、こういう小説。ハルキ文庫、意外と侮れないかもしれない。
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淡い想いと微かな光
2015/12/27 18:17
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投稿者:はる - この投稿者のレビュー一覧を見る
わたしも浪人時代を過ごしました。
自分にもこういう仲間がいたらなと思う反面、
経験した人しか味わうことのない
その時間がほんの少し愛おしくなりました。
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全体に優しい雰囲気が広がっているお話です。
主人公咲奈の2年を季節ごとに語られていきます。
名前にまつわるエピソードとか、浪人生同士の名前負け自虐ネタとか、ほのぼのとしていました。
「満開の桜の下で、あなたと会いたい」帯の言葉がジーンときます。
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安心できる恋愛小説というのも不思議なものだが...
飯田さんの作品は水戸黄門的感覚で、結末が見えていても(見えているからこそ)面白いのだろう。
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最後の展開が1/3位からほとんど読めちゃうんだけど、なんだか落ち着いて最後まで読めちゃう、良いお話。
なかなか現実的で好き。
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やはりこの人の本は読みやすい。小一時間で読み終わった。主人公や登場人物の歳が今の私と同じで、私の友人にも浪人生がいるのでとても参考になった。また、転入を考えている私にとって「やらなきゃ」と思える本だった。
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主人公の咲奈(よみがなは本を読んでください)は浪人生。
高校時代から付き合ってる彼は合格して東京の大学へ。
受験勉強の辛い一年。彼氏ともほとんど会えないし、
メールや電話だってめったにできない。
そんな中で、ふたりの恋愛ははっきりとしないまま続いていく。
一方で、予備校では同士とも言える仲間ができ
それぞれの事情に悩んだりもして…
ちゃんと合格するのか。
咲奈の恋愛はどう進んでいくのか。
主人公の性格がちょっとネガティブで辛かった。
いや、普通にいそうな女の子なんだけどね。
もしかしたら、俺だって同じように凹む時期だってあるかも。
それでも、わざわざ暗い雰囲気を味わうために本を読むのが
ちょっと辛くて、だから、逆に一気に読み進めてしまった。
『夏空に、きみと見た夢』『ラストノート きみといた季節』
個人的にはこのあたりには敵わないけど、なかなかの一冊かな。
立場、視点が変わることによって主人公が成長するさまがいい。
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自分が今、大学受験に挑もうとしているからでしょうか。
登場人物たちの心情に共感ばかりしてしまいます。
勉強も大事だけど、恋愛も大切。
2つを同じ秤にのせるのは本当に大変なんだなぁと思いました。
目次に季節が2度巡っていたので、はじめは?マークをつけながら読んでいたのですが、読み進めるうちに納得。
結末も想像しやすいのですが、王道パターンに不覚にも心臓がどきどき。
辛い思いをするのは嫌だけど、大学生になったらこんな恋愛したいなぁ。
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先は読めたけど、よかった。前半の恋は読んでて辛かったなー。浪人って大変だって思うけど、人生80年から考えたらちょっとだ。がんばれ。そして告白の仕方が好き。
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移り変わっていく季節の中で変わっていくそれぞれの想い。時に切なく苦しい想いも優しく包んでくれる飯田さんの世界が大好きです。読みやすく、そして安心して読めます。
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主人公である咲奈は、大学受験に失敗して予備校に通い始める。同い年の彼氏・陽太は合格して東京で大学生になってしまったので、遠距離に。予備校での仲間との出会い、東京の彼氏とのすれ違い、予備校仲間それぞれの事情、姉妹とのやり取り、などを通して、咲奈の約2年間が季節ごとに語られています。
私は大学受験をしたことがないので、その辛さなどは分かりませんが、少なくても遠距離の辛さは分かっているつもり。彼氏とも中々会えないし、メールや電話だって頻繁にする訳でもない。先が見えなくて急に不安になったり、近くに良い人がいたら気になってしまったり・・咲奈の揺れ動く気持ちが痛いほど良く分かります。本書は非常に読みやすい文章なので、普段あまり本を読まない方にもお勧めです。
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辛い時に自然と側にいてくれる存在って必要なんですね。本当に自分が学びたいことを学ぶために頑張っている姿が格好良かったです。
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装丁の桜が素敵な一冊。
帯タイトルは、
「満開の桜の下で、あなたと会いたい」
彼氏の陽太は大学進学のため東京へ。
私は、受験に失敗して地元で浪人生活を。
遠距離恋愛と、
新しい世界へ踏み出していく彼への不安と
もう一度受験することへの不安。
二人を取り巻く環境が
変わっていっても、
変わらないと
信じている二人の関係。
もっとワガママに付き合ってもいいんじゃないかと思うけど、
それがまた可愛らしくて切なくて。
「今は、哀しいことより悔しいことより、
優しさに弱い。」
文章は、女性が書いている優しさと丁寧さがあります。
なのでとても読みやすいです。
物語の進行も
いくつも季節を跨ぐだけあって
かなりハイペースです。
だけど、
やっぱり少し憧れてしまう。苦笑
最初の頃の恋愛ってこんな感じだよなぁ。
恋したいな、って思わせてくれる一冊でした。
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受験に失敗し、遠距離恋愛になってしまった主人公。
お互いに気を遣い合い連絡もままならない毎日。
大学生になり大人びていく同級生に劣等感を覚え、焦りと不安と闘いながらの浪人生活。
予備校で出会った気の合う仲間とともに、来年こそは彼と同じ東京へと勉強に励むが・・・。
春から始まり、季節ごとに章がわかれています。
だからと言って展開が急な感じもせず、すっと入り込めて読みやすかったです。
主人公の浮き沈みや揺れる感情が共感できて、読んでて一喜一憂してしまいました。
青春、ですね。
純粋でまっすぐで不器用で。
その不器用さが愛らしい。