紙の本
豊かな土壌を支える人たち
2015/04/28 10:22
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投稿者:ブリコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
すべての線の芸術が、平面や空間上の余白をどうコントロールするかにある。これはラテンアルファベットを専門にする小林章の内容に印象的だが、登場するすべてのデザイナーに共通するだろう。
あわせて、漢字圏の書体を作るプロセスの多くが、膨大な文字数との格闘にある。太さや大きさが「揃って見える」ように作らなくてはいけない。数値を揃えるのではない。文字を読む人間の目の錯覚を加味したうえで整えないといけない。それを数千〜数万と繰り返す。おそらく、漢字を増やすことは自動化できるだろう。だが、「揃って見える」ためには、彼らの手作業が必要なのだろう。
この本を読めば、日本の出版文化が、活版からデジタルまで、タイプフェイスデザイナーの開発した安定した品質の書体に支えられ、その上で花開いていることを実感できる。そして、ここにあるのは、いろいろな性質の土壌であり、どのような花を咲かせたいか、実を育てたいかで、土の特徴を選ぶことができる。その肥沃な環境を整えるために、彼ら/彼女らが数年かけて書体を開発している。
出版をなりわいにしているのなら、文字への鋭敏さを忘れてはいけない。土を活かすのも殺すのも、使う側だ。
紙の本
書体デザイナー
2019/02/28 12:55
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
書体デザイナーとなっていますが、広告デザインの現場の人と同じような感じの見方なんだなあという感じ。有名な方ばかりですよね。
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9月に登録し、今月25日、六本木で時間待ちの間に購入した。買ってみてわかったが、自分はタイポグラフィ、カリグラフィというものがやっぱり子どもの頃から好きだったのだ。文字の意味よりも、その形や使われ方、並び方のリズムに陶酔を感じていたらしいのだ。
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文字をつくるという現場を垣間見ることができた。写真もたくさんあって分かりやすい。文章もうまく聞き書きができていて、くどさがないのが良かった。
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図書館の特設コーナーで目が留まったので読んでみた。
いままで何気なく使っていたデジタルフォントが違うものに見える。
いい方に。
いろんなマニアがいるもんだなぁ。
字がきれいな人に憧れてるから、余計キラキラしてみえるのかな。
どんな人がどんな字をつくりたくてどれだけの情熱と努力を注ぎ込んだのか。
字を眺めてみると楽しい。
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とりあえず小塚昌彦は偉大だということが分かった。誰の話にも必ず出てくる。もう82のおじいちゃん。まだ現役。
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欲しかった本が図書館にあったので借りて読みました。
やっぱり手元に置いておきたい一冊!
大御所の書体デザイナーの人たちが、写植の時代から書体の世界に入って、デジタル化に取り組んで…という中で、かづらきをデザインした若いデザイナーの西塚涼子さんの話が際立っていて面白い。
普段目にしている書体の成り立ちがわかって、文字に愛着が沸きます。
書体を作る人にとってもためになる本。
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グラフィックデザイナーであれば誰もが知っているであろう数々の和文フォントを制作した9人の書体デザイナーにスポットを当て、それぞれがどのような経緯で制作に至ったのか、実際にどうやって作ったのかといったフォント制作の裏側が詳細に描かれています。和文書体でデザイナーにここまで入り込んだ書籍は他にはないと思うので、非常に新鮮でした。最初からタイプフェイスというものに興味を持って取り組んできた方から、最初は別種のデザインをやっていて、いつのまにか書体デザインをやっている方まで様々で、近いようであまり知らない業種の一面も見れて面白いです。また業界的には非常に狭いようで、本書にも登場する小塚ゴシックや新ゴシックなどを制作した小塚昌彦氏と面識のある、もしくは師事していた方が半数いるというのも、この業界の特徴的なところでもあるのかもしれません。個人的に普段携わっている仕事は数日や数週間単位で次々と案件が変わっていくものが多いのですが、書体制作は年単位でプロジェクトが進行していくのが基本のようで、同じデザイナーで同じmacを前にする者同士であっても全く仕事の流れが異なることに驚きさえ感じます。タイポグラフィに興味のある方にオススメです。
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ありそうでなかった、日本語書体デザイナー有名ドコロインタビューで、面白くないワケがない。
もちろん俺の嫌いなタイプの書体をデザインした人もいるんだけれども、それはそれで、哲学に基づいてデザインされているし、俺の好き嫌いにあわんというだけで、むしろ使いドコロを間違っているデザイナーが責めれれるべきだし。
書体憎んで書体デザイナー憎まず。
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私たちが日々目にする様々な文字のデザイン。その書体1つ1つに、作り手がいて、物語があります。この本では9人の書体デザイナーに、書体を作った経緯や込められた想いを聞いています。色々な書体のバックグラウンドが分かり、読む側でも使う側でも書体への見方が変わるかもしれません。