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背中に鬣を生やした、疾風怒濤に音速で駆け抜ける脚力を持った成雄を主人公とした3作目ですが、今までと同様、成雄の特徴と氏名だけを継承した、まったく異なる物語。
自己同一性について悶々と自己問答を繰り返すのは、舞上作品の特徴なので相変わらずですが、現実から乖離してファンタジー世界に入り込んだときの突き抜け振りも相変わらずで圧巻だ。
それにしても、今までよりも改行や句読点が多いためか、やけに読み易い文章でした。あの次から次へと休む間も無く畳み掛けてくる文字の坩堝に翻弄される文体では書かないのかな。
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5。
久々の舞城の長編小説。
長い長い。そして終わりもちょっと中途半端。
それでも大満足な出来でした。
自己同一性とは何かと煩悶し、自分を見つけ出すことの意味を考え、そして畳み掛けるような、急き立てるような会話と行動のが繰り返される。
今作ではいつも以上に超飛躍した世界設定がなされていますが、それでも軸にあるものはまるでぶれることはありませんでした。
疾走感あふれる文体にのり、拡散と収斂、構築と破壊を繰り返し、物語は終末までトップスピードで走り抜けます。
いやはやおもしろかったなあ。
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鬣、ナルオと聞けば舞城ファンなら「おぉっ」となります、新しいナルオ。
疾走する青春小説。文章に乗ってスピードの上がる感じがたまらない。
願わくばもっと書いてほしい。
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集中していい仕事をしているときのような気持ちよさ。
久方ぶりに身の丈にあった小説を読んだ感じで楽しめた。
舞城王太郎の著作を楽しめなかったことは一度もないけれど。
極めて私的な感想だけど、すごく安心できた。
“本を読む”ことによるバカらしさみたいなものがこみあげてきて、2ヶ月くらいまともに小説が読めなかったことで不安になっていた。小説にうんざりしていたというよりも、本を読み解くことに飽いてしまっていた。この文章は私にとって汲むべき事柄なんだろうか、なんてことを思ってしまって。でもこれですっきりした。また本が読めるかもしれん。
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やっぱり舞城はすごいなあw。主人公は馬から生まれるし、ヒロインは蛇の口に入って移動するしで相変わらずの舞城節。主人公のアイデンティティ探求の物語は中盤から怒涛の展開へ。そのカオスっぷりと文圧にただただ圧倒されました。
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舞城さんらしい悪趣味なファンタジー。成雄つながりの獅見朋成雄とは、無垢な主人公を通して常識とかへの疑問を浮き上がらせる辺りが通じてるのかな。設定とかキャラクターの共通点は忘れてて分からない。後半はむしろSPEEDBOYだった。
読んでるうちに堂々と異常な設定が入り込んでくるのはいつものことなんだけど、最後の辺りはちょっと乗り切れなかった。なんかアメリカ軍が、とか天皇が、とか出されると下品なC級モノに感じちゃう。まあ単なる荒唐無稽設定の一部だから、気しなければどうでもいいかもしれない。
ともあれ、舞城さんの好きなとこは健在でよかった。文章がスムーズに入ってきて感覚の壁が溶かされていく感じと、思考の飛躍と疾走感。この夏の連続刊行に期待する。
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このラストは賛否両論ありそうですね。私はあえて収束させない手法は嫌いじゃないけですけど。
ディスコ探偵水曜日みたいに‘コズエを守るのが最優先~’みたいな主人公の存在理由がないですもんね。
存在理由だアイデンティティだを確立させないのがこの話の主軸な気がするので、当然と言えば当然か。
しかし楡があんまり可愛くない。
可愛いと思えるところがなんだかない。
可愛げのないヒロインにぞっこんな主人公に対しても好感が持てんでしたわ。
ムムー。
10.11.04
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読んでる間すごく楽しい。
色々想像できて、え!え!えー!とか驚くこともありまくるけど、最後はすーんと終わる。
本の中を主人公と一緒に走り抜ける、そんな感じだ。
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"僕"が、「"僕"って何者なんだ」と、"僕"を探していく話。
成雄シリーズらしく、成雄が走りまくるシーンが爽快。特に「ジンロウクン」。
理解できていない部分が多いから、時間を見つけてもっかい読みたい。
MVP:楠くん
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名前の知らない気持ち、名前の知らない気持ち。
章題に使われている「?」って蛇の形なのかな。
『ビッチ・マグネット』「Shit, My Brain is Dead」『獣の樹』と、語り手の外部の人が、大事。弟、同僚、兄。どう大事なんだろう。あとで言語化。
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あいかわらずの疾走感が心地よい。終わり方は賛否両論あると思うけど、私は余韻のある良い終わり方なんじゃないかと思う。
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久々に「成雄」の話で心がときめきます。今回の成雄は、最初っから奇妙なカタチで登場。最後まで面白かったです。牛山好き過ぎる!
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ある日ぼくは河原家の庭で馬から生まれた。名前はもちろん一切の記憶がない。正雄の強い勧めで施設に行かず、河原家の養子になる。風神ナルオトヒコから成雄と名付ける。アナコンダに乗った不思議な少女楡、火事で殺人まで起きた梨木サッポロネッカ、蛇軍団、牛男、とにかく荒唐無稽、おとぎ話から科学まで、しっちゃかめっちゃかの玉手箱。誰でも知っているとストーリーを映画で代弁するとこは映画見てない人に分かるのかな?って思ったけど、私は面白かった。ただ、最後がえっ!これで終わり?と、少し不満。
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馬から生まれた人間ってところから始まるとにかく突拍子もなくそれでいてパワーのあるお話でしたが、前編終了みたいに感じるような終わり方がどうにも半端な気が。。テーマは描ききってるのかもだけど、広がった話は終息してないところで終わっちゃってるからなぁ。続きが気になるけど、きっと続編はないやろなぁ。。
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@ヒトならざるものが、人として育てられたとき、何を感じてどう考え成長していくかという部分を、今まで誰も描いたことのない緻密さとコミカルさで書ききってて面白かった。すごい。
ただラストがあまりちゃんとしてないのは残念。
また去年のディスコ探偵と比べると、展開のスピード感や、圧倒的さがいささか物足りなかった。これくらいがちょうどいいのかもしれないけど。