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新疆・チベット・内モンゴルなど平面的・表層的にしか触れられていないが、文革以降は興味深く読んだ。
上・下950ページに及ぶ長編ではあるが、毛沢東の表面をさらっと、淡々と記述された本という印象かな…
毛沢東と15億の中国人を簡単に理解することはできない…
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中国の近現代史を読む機会は少なかったが、重厚な伝記を通じて20世紀を縦覧することができた。ヒトラー、スターリンとの比較を考えるには、自分なりに一層の勉強が必要だと思う。
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大躍進政策の失敗から、7000人集会での毛批判を受けて、毛沢東の反撃の執念から起こる文化大革命の恐ろしさ。あれだけの悲惨な出来事が起こったにも拘らず、毛沢東本人の写真が未だに天安門に飾られ、中国が経済繁栄しているというそのアンバランスさが不可解としか言いようがありません。文革の詳細な経緯の記述は私にとっても初めて読むものでしたが、非常にリアルで説得力に富んでいました。林彪の失脚に至る文革後半もこのような人間ドラマから起こっていたと考えることが合理的ですね。
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歴史&軍事大好きクラスタとしては、軍事戦略家としての毛沢東の有能さは驚くべきで、抗日戦、内戦、朝鮮戦争でのその戦略の素晴らしさは、人類の歴史が続く限り賞賛されるべきものだろう。
(というか、いちおうは近代国家の国民軍である大日本帝国が、こんなのに負けたのは情けなさすぎる。)
反右派闘争、大躍進、文化大革命と、国家統治に戦争と同じ手法を用いて、数百万人単位の人間が死んでいる。読んでいてつらい。
『一人の死は悲劇だが、百万人の死は統計だ』とスターリンは言ったそうだ。
見知らぬ人間の死はそうかもしれない。顔と名前を識別できない「中国人」がいくら死んでも、それは統計かもしれない。
この仕事についてから、ひとりひとりの中国人の顔と名前を知ってしまった。
当たり前だが、彼ら彼女らには顔があり、名前があり、個性があり、人格があり、いい奴もいればいけ好かない奴もいる。彼らは百万人の死ではない。
しかし、毛沢東の主張は、当たっているのだ。「闘争を続けないと、中国は資本主義への道を歩み、中国共産党はファシストの党となってしまう」って、まさにそうなったし。
だとしたら、いつか揺り戻しがある。そうなったときに、私が顔と名前を知っている彼ら彼女らは、百万分の一として rm * -f されてしまうの? と思うと、それは嫌すぎる。
歴史はこの先どうなるかわからない。中国がそんな数百万人粛清という歴史を歩まないことを望むが、なるかもしれない。日本は、そうなるかもしれないときの安全弁として、中国のオルタナティブとして存在するべきだと思う。