投稿元:
レビューを見る
世界で最も重要な軍事戦略は核戦略。
戦略は、戦争で相手をいかに完全に壊滅させるか、を求める術から、いかにして戦争を避けるか、の術になった。
キッシンジャーによれば、日本人は論理的でなく、長期的視野もなく、彼らと関係を持つのは難しい。日本人は短腸で、頭が鈍く、自分が関心を払うに値する連中でない、とまで言われた。
日本の官庁、企業の人に、あなたは3年後何をしていますか、と問うても答えは出てこない。空しい。
イギリス人は2年後、3年後どうするかの目標を持っている。
・目標を明確に設定せよ。
・目的達成の計画を作れ。
・システム的に計画実施を管理せよ。
なぜ歴史を学ぶのか?
人間の行動を実験するわけにいかない。歴史こそ実験室といえる。歴史だけが人間、社会の行動の広範な証拠を提供してくれる。
投稿元:
レビューを見る
戦略とは、自らにとって重大な事柄に対して、目標を明確に認識し、それを実現するために、周囲の状況に合わせて、最適な手段を選択すること。
これまでは、戦略を選択単に目標を達成するための手段を選択することとしか考えてこなかったが、周囲の状況に合わせて、という発想に非常に納得した。
どんなことでも、必ず相手がいるのであって、目標を達成するために取るべき手段は常に変化する。以外と見落としてしまいがちと思う。
周りの状況、自分の状況、目標達成のためのコストなど、あらゆる要素を考慮し、比較検討を行う。勘や何となくと言った雰囲気で決めるのではなく、徹底した分析を繰り返すことが重要。
肩書に惑わされず、自分の頭で判断する力を身につけていきたい。
投稿元:
レビューを見る
国益とは何なのか。という根本的な問いなしに国家戦略を考えることはできない。国益とは、国の目指すべき方向性。国としての課題への優先順位付け。それを国民全体で共有することが必要だと感じた。
投稿元:
レビューを見る
戦争には少々まずくとも素早く切り上げることはあっても、うまくて長引くことはない
長期にわたり軍を国外に張り付けておけば、国家経済は窮乏する
トゥキデウス 戦史
強者と弱者の間では、強者がその欲するところをなし、弱者はそれを甘受するしかない
われわれは明日をあなた任せに生きている。それで何の不安ももっていない。組織の中の人間として、日々与えられた仕事をいかに完璧にするかに苦心する。戦術(戦争における戦い方)に特化している。ここでは世界に誇る企業戦士ぶりを示す。
しかし、一番重要な、「いかなる仕事を将来するか。そこに到達するために何をするか」という戦略部分は欠落している。戦略部分を他者にゆだねている
未来の目標を設定し、かつその道筋を真剣に考えるという戦略部分が欠落しているわれわれに、自分の属している組織や国の将来を考えろ、道筋を考えろといっても無理である。
マクナマラ 戦略と経営
孫子
凡そ用兵の法は、国を全うするを上と為し、国を破るはこれに次ぐ
百戦百勝は善の善なるものに非ざるなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり
故に上兵は謀を伐つ。その次は交を伐つ。その次は兵を伐つ。その下は城を攻む。攻城の法は、已むを得ざるが為なり
孫子とマクナマラの共通点
外部環境の把握 敵の情を知らざるは、不仁の至りなり
自己の能力・状況の把握 敵を知り己を知れば、百戦してあやうからず
課題(組織生き残りの問題設定) 用兵の法は、国を全うする(傷つけずに降伏させる)を上と為し、国を破るはこれに次ぐ。軍を全うするを上となし、軍を破るはこれに次ぐ。この故に百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり。
情勢判断 十なれば(味方の軍が十倍であれば)すなわちこれを囲み、5なればすなわちこれを攻め、倍すればすなわちこれを分かち、適すればすなわちよくこれと戦い、すくなければすなわちよくこれを逃れ、しからざれば(力がおよばなければ)すなわちこれをよく避く。
戦略比較、戦略形成
任務別戦略設定
マクナマラの戦略設定
外部環境の把握、自己の能力の把握、生き残りの問題設定、情勢判断、戦略比較、コスト管理
投稿元:
レビューを見る
孫崎享〈まごさき・うける〉を初めて知ったのは、岩上安身のUSTREAMインタビューでのこと。そのフランクな物腰から元外務官僚であるとは伺い知れなかった。どこから見ても「近所のオジサン」である。実はそこにこの人の凄さがある。下手の良さそうなスーツや、おっとりとした上品な口調や、手の込んだ難しい言葉で装飾する必要がないことを示している。
http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20110222/p18
投稿元:
レビューを見る
元外務官僚の孫崎享さんが戦略について書いた本を読んだ。国家の安全の為には戦略が必要とのこと。ただ、日本には欠如。
いつも対米追従。しかし、中国が台等してきた今、このままではいけないと著者は言っている。
アメリカは自分の国益に従って行動する。日本と中国が揉めた場合、助けてくれるとは限らない。そのことは本文中にも書かれてある。
日本の安全保障に興味ある方は、是非一度読んでたら面白い本だと思う。
投稿元:
レビューを見る
日露戦争は日英同盟があったから日本がロシアに勝てたと理解していますが、現在は日米同盟があるおかげで日本経済は順調に発展してきたと思います。
しかし民主党政権になってから普天間基地問題で日米関係がおかしくなってきていて、将来どうなるのか不安な状況です。
この本では日本人が戦略的思考をするための戦略論の入門書ですが、今まで「対米追従」という戦略をかたくなに守ってきた日本が、他の戦略をもつにはどうすべきか(どのような思考回路を持つべきか)について書かれています。
以下は気になったポイントです。
・1980年以降、日本は働いて輸出したが、その代金を運用できないので米国に逆流し利益は米国に行った、このシステムは英国のインド経営の知恵から来ている、インド人が綿花を作り、英国に輸出する、インドがいれた代金は投資先を求めて英国に戻る(p50)
・マクナマラの戦略の定義によれば、外的環境の把握・将来環境の変化・自己の強み弱みの情勢判断・代替戦略の比較が、目標戦略決定の前に重要視される(p74)
・戦争するか否かの判断は、大戦略であり政治の分野、戦争の各種方針(戦闘前)は、戦略の分野、戦闘の行い方は戦術の分野である(p75)
・1648年に締結された、30年戦争の講和条約であるウェストファリア条約では、条約の締結国は相互の領土を尊重し、内政への干渉を控えることを約束した、ドイツは人口の3割、成人男性の5割を失った(p79、233)
・ナッシュ均衡は、各プレーヤーがゲームで選択する最良の選択は、個人が独立して決められるものではなく、プレーヤー全員が取り合う戦略の組み合わせとして決定される(p86)
・戦争の勝利が国家の勝利をもたらすものではない、つまり、払った犠牲と勝利して得たものが釣り合わないことを「ピュロスの勝利」という、日露戦争は日本が勝利したが、総経費:18.2億円は開戦前年の一般会計歳入:2.6億円の7倍(p115)
・横須賀・佐世保・嘉手納など大型基地の規模は世界最大で、これだけ持っている国は日本以外にない、米軍は海外基地の重要性を評価する時に使用するPRV(財産代替価値)では、日本・ドイツが米国海外基地の全体の各々30%をしめる。大型基地をみると、日本はドイツの3倍(p185)
・普天間の資産価値は在日米軍基地全体の20分の1以下、そのために他を悪くすることはできない(p185)
・中国の経済が米国並み、日本の4倍、軍事費が日本の10倍という事態になったとき、日米関係が大きく変化する、東アジアでもっとも重要な国は日本でなく中国になる(p237
2010/12/5作成
投稿元:
レビューを見る
これからの日本のあり方を考える上で非常に参考になる著。
日本は外交がヘタクソだと言われているが、その内実がわかります。世界の中の日本を考えるときに自分たちには戦略的な視点が必要ですが、日本人には戦略という概念が希薄だと筆者は説きます。そこには歴史的要因・政治的要因が絡んでいるのですが、いずれにしても今自分たちはそれについて考える状況に直面している。その際に、孫崎さんの冷静に状況を分析・吟味したうえでの提言は現実的でかつ建設的のものに写りますが、氏のキャリアもまたその立場に説得力を持たせるものになっていると思います。
投稿元:
レビューを見る
孫子やクラウゼヴィッツを比較し、どこが優れているか、現在に照らし合わせて話を展開しており、勉強になった。
尖閣諸島で有事の際にどうなるか、米国高官が言葉を濁しているので気になっていたところを、著者は明確に示している。
核兵器のところは、保有の是非については納得しかねた。
非保有国への攻撃は非難されるだろうけれど、その報復に対しても抑止力が働くと思う。ゆえに、非保有国は有事の際には滅んで終わりではないだろうか。
投稿元:
レビューを見る
こちらを読了。
…などと書くとまた一部の友人から「だから孫崎享なんか読んじゃだめだって!」とお叱りを受けそうだが、なかなかどうして良書ですよ、これ。
どうも孫崎氏は「陰謀史観」とか極端には「媚中派」のように思われているようだが、そして確かにそのような誤解を受けかねない極端な著作があることも確かだが、少なくとも傾聴に値する主張も多いことも確か。
この本で、氏が「戦略」の定義について「相手をやっつける手段」から脱却すべし、とし、
「人、組織が死活的に重要だと思うことにおいて、目標を明確に認識する。そして、その実現の道筋を考える。かつ、相手の動きに応じ、自分に最適な道を選択する手段」
と整理されている点に非常に共感する。
戦略とは、「とにかく相手を打ち負かすこと」ではない。相手を打ち負かすためには、自分たちにも多大な犠牲が生じることも止むを得ない…というものではないだろう。
そして氏は、日本では、「誰が述べているか」がことさら重要視される傾向があるが、戦略家の姿勢としては「何が述べられているか」で判断を下すべきだ、と戒める。まさにその通り。
日本ではどうもあるイシューについてAさんとBさんが対立した論を展開しており、そのイシューについてA氏を指示したとなると、別のイシューについても全面的にA氏を指示するか、その別のイシューでA氏を指示出来ないとなると今度は先のイシューまで含めてA氏を見限るような傾向があるように思う。
私はそうではなく、あるイシューについては全面的に賛同出来なくても、また別のイシューについては傾聴に値することを言っているのであればとらわれず素直に耳を傾けてみたい。
そんな意味で、孫崎さんのこの本、戦略的思考とは何か?についての、なかなかの良書。
投稿元:
レビューを見る
前半は、戦略的な思考力が弱い日本人を指摘し、海外ではどのような歴史で戦略的な思考が進んできたかを、各国の名著などを引用して説明している。
後半は、出版当時の普天間基地やアメリカとの問題点を挙げている。戦略論を読んだことのない人にはよい本だと思う。
投稿元:
レビューを見る
戦略とは何かってのを孫子やツキュディデスや君主論といった古典から経営戦略論までわかりやすく解説してて、それをいかに現代日本の安全保障環境に合わせていくのかってのも。
日本の戦略的思考の欠落っぷりを指摘してて、6年前の本だけど集団的自衛権を行使できるようにという流れの裏に何があるのか、その代替案として何があるのかを示している。
日本の安全保障を語ろうと思ったらまずはこの本に書いてあるレベルの認識は必要。
投稿元:
レビューを見る
後半部分は、著者の専門である日米同盟に関する考察に終始していますが、前半部分の戦略の部分が面白いです。
孫子やマキャベリなどの古典的内容から、クラウゼヴィッツやモルトケなどの軍事戦略論、マイケル・ポーターの競争戦略など企業戦略を交えながらの解説は、戦略論の概要把握に役に立ちました。
そのなかで初めて知ったインド古典「実利論」について、一度カバーしてみたいです。
投稿元:
レビューを見る
企業、軍事が有名な「戦略論」
兵法から始まる戦略の考え方が整理された一冊。
僕にとっては、まだまだ知識がない分、理解ができていないところが多いが、「戦略」として先を見据えながらきちんと説明していくことが必要と感じた。
投稿元:
レビューを見る
【要約】
・日本人はこれまでに「戦略」の不在で戦争に負け、経済で負け、災害に負けてきた。
・日本人には情報を収集し分析する習慣、知識、環境がない。
・日本人は情報を「内容」ではなく「権威」で判断している。
・情報分析には政策遂行状のものがあり、メディアの情報は事実と異なっているものが多い。
・戦略を学ぶ必要がある。
・歴史を学び、考察の仕方を学ぶ。
・戦略とは「人・組織が死活的に重要だと思うことにおいて、目標を明確に認識する。そして、その実現の道筋を考える。かつ、相手の動きに応じ、自分に最適な道を選択する手段」である。
・戦略以前、情報収集・分析の重要性を知る
・戦略を作るまでの過程を学ぶ
・①研究=外的環境の把握(いかなる環境におかれているか)→自己の能力・状況の把握(いかなる状況にあるか)→将来環境予測→情勢判断(自己の強みと弱み)→課題(組織生存のために何が課題かという観点で集積し、検討)
・➁企画=目標提案→代替戦略提案→戦略比較→選択(意思決定‐目標と戦略比較の決定)
・③計画=任務別計画提案→計画検討・決定→スケジュール
・「勝利」とは自分の価値体系に対してであり「戦わない」ことが最大の利益であることもある。
【感想】
図書館の書架を回っていたら出会った一冊。手に取った理由を改めて考えてみると、先ず「日本人のための」と書かれていたから?本当は、何か物事を順序立てて考え行動したり、「ああしたらこうなる」のまさに「戦略」に関して全くと言っていいほど白痴だったからだと思う。色々なことに振り回されて、振り回されまいとして行き当たりばったりを繰り返す、何がわからないのかもわからない状態で「戦略」という単語が光っていたから。
内容を観ていくと、そもそも自分たちには戦略がないわけではないことが、引用されている幾つかの本からも見えてくる。自分たちが無意識で取っている戦略は「右に倣え」ということ。模倣型戦略。その概要は、ある時期が来たら一斉に田植えを開始して、前後左右にずらすことのできない画一スケジュール通りに行動することだった(『日本人とユダヤ人』イザヤ・ベンダンソン・キャンペーン型稲作)。大学卒業、就活、定年退職までの勤め上げ、何歳までの結婚、専業主婦etc…。人生の段階分けと言動がすべて細かく規定されていて、その通りに行動すればいい。
それでも良かった時代やそれに適応できる人間は良かった。が、環境そのものが変わった途端にこの戦略で生きてきた国家・人・会社が戦争に敗れ、経済で敗れ、災害で敗れている。幸福の形、生活の様式が全てロードマップされてきたことが悪いことかと問われればそうだとは思わない。けれど、そこからはみ出して独自の生き方、少数派として生きていくのに、戦略が必要になった。自分にとっての戦略学習の目的はそうなるんだろう。
先ずこの日本人にとっての戦略が何なのかという前提を踏まえておかないと、そもそも戦略は学べない。戦略と言っても、一人一人に最適な戦略は変わってくるからだ。そうして本書がはじめに説くのが「人・組織が死活的に重要だと思うことにおいて、目標を明確に認識する。そして、その実現の道筋を考える。かつ、相手の動きに応じ、自分に最適な道を選択する手段」と戦略を定義することだった。
「自分に最適な」とは何を指すのか。残念ながらこの答えは本書にはない。というか、自分しか導けない。「重要だと思うこと」がそれぞれ異なるからだ。だからある戦略は他のケースには負け筋になることもある。自己啓発本をそのまま実行することが、そもそもできないのも、失敗に終わるのもこの点だろう。自分がこの本を読んで得た疑問は「重要だと思うこと」を探すのに「戦略思考」が使えるのかということだ。先ずはここから始める必要がある。で、実際にこれをすると難しい。何もかも重要に思えてくれば、何もかも不要に感じてくるからだ。
話を戻す。「戦略」の齎す最大の利益に関して。ここでも「そもそも」を徹底して考える。そもそも「敵」とは何なのか。そもそも「勝利」とは何なのか。「敵に勝つこと」を戦略の目的とした過去の戦いは払った犠牲が得た利益の過半を割った。「戦い」は不利益なものとして認識されている。これが出発点になる。「戦い」は「敵」がなければできず「勝敗」も「敵」がなければ存在しない。この「勝敗」の価値観からの脱却。これも外せない本書のエッセンスになる。ここでは「ゲーム理論」「ナッシュ均衡」が引用されるが本質は「対立と相互依存が国際関係において併存している」だろう。この国際関係の単語を取って色々なものを当てはめてもいい。経済、人間関係など。アルバイトとして働いてたら、時間が奪われ、時給を得る、と会社と雇用者が利益を奪い割う対立的な見方もできる。が、雇用の場を提供する会社と雇用を必要とする労働者とが、時間とお金とで結ぶ依存関係ととらえることもできる。夫婦や恋人はどうだろ。お互いの存在があって二人の生活が成り立ってくる。二人の関係を二人がそこから得ている利益、不利益に分類し、利益の割合を増やしていくことはできないだろうか。口論や喧嘩がそお最適な方法なのだろうか。単純な二項対立構造に多角的な視点を充てて、全体像を作り上げる。「戦略」は「戦い」という「点からの卒業」でもある。
要は捉え方次第。と言われてもそのためには複数の視座が必要であって、単なる一要素を視覚化し、分析可能な情報にまで「分解」し「再編集」する高度な作業が求められている。そこには「バイアス」という厄な障壁まで潜んでいる。これらをひっくるめて「自分との戦い」へと戦いは移行していくのではないだろうか?敵を外に見出すことより、内に見出すことの方が遥かに難しい。「武でも我々には武器(=叡智)がある、それが歴史じゃないか」と説くのもまた本書だ。目隠しをしてレースにしなくてもいい。これ(人生)は言わばカンニングし放題のテスト、ずるし放題のゲームなんだ、とそう感じる。具体的な活用方法としては、自らの問いを持ち、考察すること。あくまで「考証の材料」に過ぎない点に注意したい。
誤った選択に陥ってきた歴史の考察も面白い。例えば「費用対効果の概念が希薄になった時、結果として軍事行動の失敗が出る」費用対効果という一つの論理的指標を喪失すると失敗する���と言っている。身近な例はわんさか上がる。終電での帰宅途中、コンビニによってジャンクフードを買い食いしたために、健康と資金を失くし続けているといった場合。そもそも疲れとストレスによって損得の判断が付かない状況になっている、という分析も本人にはできていない。この場合は先ず、睡眠時間の減少が問題かもしれないし、残業に陥るのは、キャパオーバーしているのにNOと言えないことかもしれない。必要なのは個々の現象への対処ではなくて、全体の俯瞰、それを実行するための時間の余裕の作成だろう。大局に立つ努力が問題解決に繋がっていく。
こういった基本的だが重要なことを本書は説いていく。入門とは以前を解くことと理解する。後半にかけては著者の専門である日米安保条約や核の傘、集団自衛権の問題へと切り込んでいく。ここも、出版か13年が経過しているため内容的に古くなったものもあるが、定点観測情報としてまとまっている。メディアを見ているだけだと一生理解できないまま終わっただろう日本の安全保障の諸相について学べた。引用されている本は、戦略思考のレディネスを作り上げてくれる書籍が多く、この本を起点にして戦略思考を学んでいきたい。出会えてよかった一冊だ。