紙の本
十周年おめでとうございます
2010/11/03 10:48
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ロールパン菜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
キノの旅、祝十年の十四巻目。
そろそろネタがつきてくるんじゃないかと失礼な心配をしてしまうものの、キノとエルメスは相変わらず、ユニークだったり異常だったりする国をマイペースに訪れ続けている。
人は様々な文化や価値観を持つ国に旅行に行く時、少なからずその後の思いと行動に影響が及ぶことがあるだろう。琴線に強く触れるものがあれば自分の人生だって大きく左右することになるかもしれない。
そしてそれはプラスになることもあれば、過ちに繋がることもある。
とはいえ、キノに限って、自分の信念や信条、価値観が揺らぐことは絶対にない。
それは『寄生虫の国』でのこと、村人のとある勧めに対して、「ボクは、望みません」とはっきり答えた点からも分かる。確かにほとんどの人は拒否するような勧めだ。だが、明日自分の命がどうなるか分からないという切羽詰った状況であれば、藁にもすがる思いで受け入れるような勧めでもある。
仮にキノがそういう立場だったらと考えたとき、それでもやはりキノの答えが変わることは無いのだろう。
キノはどんな国へ訪れようとも、その国の文化や価値観に理解を示しつつ、それに影響されることなく、エルメスと共に坦々と旅を続ける。
そんな彼女の姿にいつも安心を覚えてしまう私は、今回はどんな国々を訪れるのだろうと、毎度新刊を手にとってしまうのだ。
最後に、
カバー裏のカルタは作者のあとがきに対する愛情がこれでもかと伝わってきた。肝心のあとがきは二段組になっている。あとがきにこれ程執着する作家もそうそういないだろう。このままだとあとがきだけで本を出版してしまいかねない勢いだ……。
紙の本
時事ネタも満載だけど、揺るがない価値観もある
2010/11/04 08:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界を巡り、たどり着いた国に3日間だけ滞在してまた旅に出る。そんなキノの旅も14巻目。今回も、独特の価値観を持つ国が多く登場する。
当たり前のことではあるが、自分たちが共有する価値観が、全く交流がない人々と共通のものである可能性はあまりない。しかし、自分たちの中だけで生活していると、その事実に気づく機会がほとんどないこともまた事実だろう。
キノは自分自身の揺るがない価値観を持ちながら、そんな多くの国々を旅して歩く。各国に住む人に親切にされることもあれば、排斥されることもある。また、糾弾されることもある。しかしその価値観自体を否定することはなく、ただ自分の道を貫いていくのだ。
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相変わらず現代を反映する話が多い。
数ある話の作り手でもなかなか現代に即して話を作るというのは難しいじゃろう。
いわば現代の童話ぢゃな
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面白いけど、どうにもパワーダウンが感じられる。
初期の頃はプラスマイナス両方向に強く印象に残る後味があったものだが、この巻ではそういったものが無く、「ふーん」で終わってしまう。
カルピスで言えば、既に5倍強の薄め方。まだ十分おいしく飲めるが、これ以上薄めるときつい。3倍程度の濃さを知っているだけに評価が厳しくなる。
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印象に残ったお話は、「呟きの国」「正しい国」です。前者はツイッターを彷彿させる機械で終始"私"が体験した敵国と戦ったことが語られています。いつかこの呟きが誰かの目に止まることを願いたいです。後者は、かつてあった国のお話。平和を願うあまり、武器を持つ国を武力で殲滅しようとするところが意外でした。結局それは何の解決にもならない、そんなメッセージを読み取ることができました。
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一番先にあとがきを探そうとしたりもしたけどw10年たつと思うと感慨深い。
あいかわらずのブラックさというか世情を取り入れつつで面白い。
情操教育の話、寄生虫の話が好き。
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まさかの某つぶやき系サービスネタが…と思ったけど、時雨沢さんもやってるならしょうがない。黒星さんともどもフォローさせていただいております。
それにしてもキノが随分と可愛くなった気がする
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時事ネタは風化すると思うけどなぁ。とつぶやきの国を読みながら。
相変わらず黒いんだけど、時折何を風刺してるのかわからないときがある。
感性狂ってきたかも>自分
まあ、それでも面白く読めたので。
そして、あとがきが多少まともなのでそれが一番びっくり。
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10周年なんですね!
PS2の特典で入っていたらしい物語が収録されており、そういやDSで出ないかなと思ったことを思い出した。
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時雨沢恵一がTwitterにハマっているがよく分かる。いつもより,ストレートな現代風刺が強いように思った。現代というか,現代日本かな。
シゲロクルツが何由来なのか,完全に創作語なのかが気になるところ。響き的にはドイツ語っぽいけど。
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情操教育の国と寄生虫の国と遺作の国がスキです。
教育って難しい、そして大人はなんでそんなに高圧的なのか?という。
人間叩かれれば眉を寄せるもんだよな、と。
全体的に、いつもより会話と、情景描写か多いような…気が?
美しい世界と戦争の話の対、なのかなあと思った。
結局シゲロクルツってなんなのか誰か教えて下さい←
あと結婚の国のケーキとトーナメント表のイラストはさすがだなあと思った。
結構淡々と進む話が多かったような気がします、どんぱち最近少ない。物語の又聞き的な。
そして関係ないがホットケーキを焼いてしまいました←
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まさかのあとがきで、びっくりします!
ツイッターの文字数制限と同様に呟きで短編がかける
ものなんですね。
最初にキノを読んでからもう十年も経つなんて、早いなぁ…
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相変わらず安定感があって読みやすい。
個人的によかったのは「呟きの国」。Twitterを題材にしつつも、話の根底には別のテーマを据えるあたりが作者らしいなと感心した。
その他にも1冊の本の中に様々な読み口が用意されているのはもはや鉄板。長短あってもそれぞれに味がある。
10年過ぎてもいい意味で変わらない良さがあるので、作者にはこのままの刊行ペースで作品を提供していただきたいと思う。
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キノの旅でデビューしてから記念すべき10周年に登場した14巻
今回は世相を反映した風刺的な作品が並ぶ。
特に顕著なのは【規制の国】時雨沢も楽しんでいるTwitterを
モチーフにした【呟きの国】シリーズのルールに則って
今回も短篇集となっているので読みやすい。大泣きするような話も
腹を抱えて笑うような話もないけれどいつものキノ同様
何かしら考えさせられる作品だと思う。
次は20周年を目指してほしい。
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もう10周年らしいです。
私が読み始めてから4年経ちます。
この作品はいつ読んでもそれほどブレがなくてそんな所が好きです。