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ヨーロッパでは、第二次大戦後まで、販売は企業の大きな役割とされていなかったが、海外への販売だけは極めて重んじられていた。これは国内での消費は社会秩序に反するが、海外への販売は愛国心の現われであり大きな称賛に値するという18世紀の重症主義の名残である。これは現在の日本でも残っている。
目標を設定するうえでの土台となるのはマーケティングとイノベーション。
イノベーション目標とは何を事業にすべきか、の答えに沿って実務を進めるたの目標である。
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日本語版で全部で1800ページを超える大著の4分冊の1冊目。エッセンシャル版は読んだことがあるのですが、今回新訳にていよいよ挑戦。
- 企業の目的は「顧客を生み出すこと」である -
- 企業の主な役割はマーケティングとイノベーションである -
- すべての企業が「当社の事業は何か、何を事業にするべきか」を問わなければならない -
- セールスとマーケティングは同義ではなく、ましては補うものでもなく、好対照をなすものである -
- 市場で目指すべきは、最大ではなく最適な地位である -
- 企業にとって、顧客は誰か、顧客はどこにいるか、顧客は何に対して対価を支払うのか、何が顧客にとっての価値か -
- 企業は次の8つの分野の目標を定めなければならない。マーケティング、イノベーション、人的資源、財務資源、物的資源、生産性、社会的責任、必要利益額、である -
- 目標は命令ではなく方針である -
など、どこかで目にした名言(注:原文ママではありません)が散りばめられています。利益の意味や戦略的プランニングについても示唆に富む議論が続きます。
まだ先が長いですが、素敵ですね。
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ダイヤモンド社のドラッカー赤本新訳シリーズでも上田さんの訳で出版される予定だったはずなのですが、先にこの日経BP版が出て中止になったんですかね。
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ドラッガーは『マネジメント - 基本と原則』を読んだことがあった。
けれど、抽象的過ぎて実務に役に立つ感じはしなかった。
それからはドラッガーを読む機会はあまりなかった。
でも、そのときは頭が足りてなかったから理解できなかっただけかもしれない。
ま、それは置いておいて。
この本は良本。分かりやすく丁寧に書かれていると感じる。
それでも、やや抽象的だと感じる記述もあるけれど、
それ以上に、多くの知見を授けてくれる本だと思う。
俺が好きなマッキンゼーのマービンバウワーさんが書いた本と同じようなことも書かれている。
気になった箇所について。
利益の最適化という言葉にはカルチャーショックを受けた。
今までは、理屈では最大化が重要だと感じていた。
でも、最適化を目指すべきであると読んだ瞬間に、
ああ、確かに最大化ではいけないなと思ったと同時に、
自分自身は、無意識的に最適化を目指しているなとも感じた。
Win-Winの関係を維持するためには、最適化がいい。
みんなが幸せになるほうがいいじゃない。
昔の農民みたいに、生かさず殺さずなんてやってお金をもうけたって楽しくない。
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個人のニーズ、願い、可能性などにあった組織作りをするためにいかににマネジメントを向上させるかという関心が、飛躍的に高まるのではないだろうか。
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うーむ。確かにその関心は高まっていると感じるが、実現可能なのだろうか?
今までは、ニーズがあってそれを満たす財をつくるために最適な資本分配を行うという形だったが、
この流れが逆になることはありえるのだろうか?それとも、ニーズは最優先しつつ、
うまく個人と折り合いを付けれるところは折り合いを付けるみたいなバランス的経営が求められていると言うことか。
それであれば、何とか可能かもしれない。但し、それを目指すことによって生産性が落ちる可能性がある。
まあ、その要請にこたえられるような人材は限られてくると考えられるから、要請どおりにいくことは少ないと思うが。
話はそれるけれど、仕事だけではなくて仕事から得たお金を使える余暇は絶対に必要だよなあ。
個人主義的経営は余暇をある程度確保する方向への誘導を促進すると思うんだなあ。
まあ、その分生産量は落ちるかもしれないが、それはITやシステムによる効率化で補えばよい。
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マネジメントI 務め、責任、実践 (NIKKEI BP CLASSICS) (NIKKEI BP CLASSICS)
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経営資源の分配、組織特有の目的は何か、優先順位をつけることの大切さ。
現代は様々な組織が共存する時代。組織に成果を挙げさせることがマネジャーの務めである。マネジメント次第で、組織の命運が決まる。
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根源的な新しい発見が多くあった。古典のくせにさ。企業の使命は経済活動、目的として妥当な中身は顧客の創造、目標は行動を促す戦略。企業は社会に貢献するための手段としてある。組織下層の人間までも、業績に影響のある何らかの判断をしていて「我々の事業は何か」という問いを抱えている。その問いを問うて意識の違いを明るみに出すだけでも有用。
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"昨年の年末に、ふとしたことで、ドラッカーの「傍観者の時代」を読んで、あまりの面白さにハマってしまい、「経済人の終わり」「産業人の未来」「企業とは何か」という初期3部作(?)を読むことに。
そこで、いよいよドラッカーのコアに触れた感じがして、その勢いにのって、大著「マネジメント」に挑戦してみた。
エッセンシャル版と「もしドラ」は読んでいるが、今回は、気合いをいれて有賀さんの完訳版を読むことにした。(上田さんのは、抄訳らしい)
読み始めて、1ヶ月ちょっとで、なんとか読了しました!4巻合計で、1900ページ!
理解の程度は、さて置き、とりあえずは、読んだ〜という感じかな?
全体としては、ドラッカーの他の著作に書いてあることをコンパクトにして、体系的にまとめましたという感じの本。1900ページもあるが、一つひとつのテーマについては、結構、コンパクトな説明なので、より深めるためには、ドラッカーの関連書籍を読む必要がありそう。
わたしは、ドラッカーのコアなファンではないので、メジャーな著作しか、読んでないけど、「マネジメント」に書いてあることは、どこかで読んだような感じがした。
で、ここでの読みどころは、内容そのもの(もちろん、すごく面白い話はたくさんある)というより、ドラッカーがいろいろ考えてたくさんの著作にしたことが、マネジメントの全体像として、どういう構造になっているかが分かるということかな?
全体の構成からして、「マネジメントの務め」「マネージャー:その仕事、務め、技能、組織」「経営者の務め、組織、戦略」という3部構成になっていて、「この分類はなんじゃい?」な感じのユニークさ。
あと、取り扱われているトピックも、「普通、こんなのは経営学では取り扱わないよね」、とか、少なくとも、「ここまでの分量は書かないだろう」という感じがあって、ドラッカーがなにを大事にしていたかが伝わってくる。
で、ドラッカーがなにを大切にしていたか、ということを一言でいうと、「人」なんだと思う。
なーんだ、当たり前じゃん、なんだけど、本当、人間をよく見ていると思う。
以前はドラッカーってあんまり好きじゃなかったんだけど、その理由は、「もっともらしいことを証拠なしに断言する」という非科学的な感じがあること、そして、「なんだかとってもストイックで、楽しそうではない」ということ。
が、初期3部作などを読んだあとで、「マネジメント」を読むと、その辺のところがよくわかる。
つまり、ドラッカーは、「科学」をやろうとはそもそもしていない。経営はアートだと思っていて、深い洞察を書いているわけ。それは、仮説検証とか、定量評価とか、そんな世界とは関係ない「洞察」なんだよね。
アートなわけだから、唯一解があるわけではない。実際にやってみるしかない。そして、正解はいつまでも正解であり続けるわけでもなく、常に変化のなかで、本質的な問いを投げかけ続けることが大事というわけなんですね〜。
そう思って読むと、ドラッカーの断��もそのまま受け入れるわけでもなく、拒否するわけでもなく、思考を刺激するものとして、頭に入ってくる。
で、今回、一番、知りたいと思ったのは、「もしドラ」でも引用があった「マネジャーの資質の真摯さ」というところ。ここが、なんだか、ずっと引っ掛かっていたので、完訳版で文脈を全体のなかで確認したかった。
「真摯さ」というのは、マネジャーが持たなければならない資質や能力のうちで最も重要なもので、かつ後天的には習得できないもの。これがない人をマネジャーにしてはならないとドラッカーは主張する。
ここででてくる疑問は、「真摯さとはなにか?」ということと、「どうして、後天的にはもてないものなのか?」ということ。
この完訳版では、「真摯さ」=integrityは、「誠実」と訳してあるのかな?原文と読み比べたわけではないが、「人格」と訳してあるところもあるのかもしれない(翻訳では、ほぼ同等の意味で「誠実」「人格」というのが使われているように読める)
つまり、「人格のよさ、誠実性」というものは、先天的、あるいは若いうちに形成されるので、マネジャーを選ぶときに、「彼は、技術は高いけど、人間的にはまだまだだな〜。でも、マネージャーにすれば、そのうち、人間としても成熟するだろ〜」みたいな感じではいけないということを言っているのかな?
仮に、そういう話であるとすると、どうして、ドラッカーは、「人間性は成長しないとあきらめているのだろうか?」「ドラッカーって、人間を重視する経営じゃないの?」「最近の心理学では成人の成長みたいなことも常識化しているんじゃないの?」という感じで、疑問は深まってきます。
が、この疑問に答えるほど、ドラッカーは、そこのところを深く論じていないですね。
わたし自身は、成人の成長という事に対して、肯定的で、ドラッカーは、この点については、すこし「古い」と思うのですが、でも、ドラッカーが、ここにこだわった理由は、今回、読んでみて、なんとなく分かった気がしました。
ドラッカーは、マネジメントは、根源的には、「全体主義を繰り返さない」ための社会・組織・企業の仕組みとして考えている。そうであるためには、組織は、社会に役に立つものでなくてはならない。つまり、組織は、社会に対して「成果」を出すものでなくてはならない。なので、組織は「成果」ということを基準にマネージされるべきで、属人的にマネージされるべきではない。人はとっても大事なんだけど、人のマネジメントは「成果」によってなされるべきである。
「成果」でマネジメントするといっても、人は機械ではないので、マネジャーは、人格がちゃんとしていないといけない。
が、大人の「人格」はそんなに変化するものではない。
というより、より進んで、「組織や企業は、人間の人格の成長のために教育をすべきではない。人間の人格を教育/指導して変えようとすることは、一種の全体主義である」ということをドラッカーは暗に言っているのではないかと思った。
というわけで、「人は成果によってマネージすべき」ということと、「マネジャーは人格が必要である」という命題を両立させるためには、「人格は先天的に決まる」という仮説が必要だったんじゃないかと、というのが、わたしの読みです。
いかがでしょうか?
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一度は、読んでみたかったドラッカーの本。
しかし、あまりに多くて、何を読んだら良いかわからない。
そこに、1973年に刊行された「マネジメント」のちょうど新訳が発売ということで、選んだもののなかなか進まなかったがやっと。
訳は、「ブルーオーシャン戦略」の有賀 裕子
最高傑作、バイブルのコピーが踊る。フムフム。
♪namiさんの年末課題図書にもあがっている。
これが1973年著とは・・。
今まで、バラバラに本を読んだり、研修であったことがつながる。
この感覚
学生時代、単位を必死でとった必修科目
酵素学、醗酵生理学、有機化学、工業微生物学などなど。
その時はわからなかったが、
修士の受験勉強で、読んだ「コーンスタンプの生化学」。
この本で、
今まで習ったことが全て串刺しされ、それぞれがつながって理解
できたおもいがある。
まさに、それと同じ感覚を覚えた。
【ポイント】
6章 企業とはなにか
7章 企業の目的と使命
9章 戦略・目標・優先順位・仕事の割り振り
【関連】
◆「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら」←これは面白いし、わかりやすい
http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20080711/1215741244
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マネジメント
従業員に与えるもの、求めるもの
①責任
②モチベ
③参加満足
④インセンティブと報酬
⑤リーダーシップ
⑥地位
⑦役割