紙の本
教育…洗脳の力
2018/08/13 10:18
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投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
教育…洗脳の力のすごさを改めて感じました。
ヒトラー・ユーゲントの少年少女たちは自らヒトラーとナチスに手を貸し、ヒトラーの作った弾圧と殺人のシステムの一部になったのか?洗脳された犠牲者に過ぎないのか?その中間なのか?という疑問。興味深く読めました。
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ヒトラーは、若者たちの持つ純粋なエネルギーと情熱を讃嘆し、それを自らの権力拡大の原動力とした。10代の少年少女はこぞってヒトラー・ユーゲントに参加し、親や教師よりもヒトラーが約束した輝かしい未来を信じたのだ。ヒトラーとナチスがいかに巧妙に素早く若者たちを洗脳していったか。自分の命や家族よりヒトラーとナチスのために働くことを喜びとした若者たちの実像を丁寧に取材したこの本は、重いテーマなのに最後まで読まずにはいられない力強さがある。世界各地で若者が自爆テロにより命を散らしている現代は、ヒトラーの時代に酷似しているのかもしれない。
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これまでの戦争ものとは少し違う、新しい切り口で書かれていたので、比較的読みやすく、また、改めて戦争の恐ろしさを感じた。ヒトラーが悪い意味でうまく若者の気持ちを取り込み、それが大きな集団となってユダヤ人虐殺に向かっていく様子がよく分かる内容となっている。
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若い人、中高生にぜひ読んで欲しい。ちょうど良い分量で、読むのが苦痛にはならない。 彼らは生まれた時からナチスなのではなく、ナチスになった。どのようにしてなったのかが、よく分かる。
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教育+ファシズムの恐ろしさってどこの国でもおなじなんだなぁ
ドイツの普通の感性を持つ人々が、良識を持っていたはずの人々が(あるいは持ちつつも)、だんだんとファシズムに巻き込まれていったんだなぁ
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ドイツの復活を願い、ヒトラーに感化され、熱を持ってユダヤ人排斥の空気を造り上げていったドイツの子どもたちのことが、冷静に描かれていてよい。
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久しぶりのナチスもの。
青少年が関わった部分について、ある程度まんべんなく網羅しているかんじ。(男女問わず)
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「自由とは何か」を考えさせられる1冊でした。
アドルフ・ヒトラー独裁政治時代の若者にスポットをあてた本です。
小説ではないので、実在する色々な人物が出てきて混乱しますが、独裁政治のために、若者たちがいかに“教育”されてきたか、“洗脳”されていたかの一端を知ることができます。
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小説かと思いきや、ノンフィクションでした。
ナチスが台頭する時、それを支えたのはヒトラーに心酔した若者たちの、組織化されたヒトラーユーゲントだった。彼らはアーリア人種をユダヤの血の混じっていない北欧人またはコーカサス人と定義し、自らを優秀人種と教えられた。ブロンドの髪とブルーの瞳が純粋なアーリア人のしるし。健康で、遺伝的な病気を持っていないことを証明して、ヒトラーユーゲントに入団を許された。(一部の身体障害者は入団を許されたが、精神的障害を持つものは団員になれなかった。)
見習い団員は体が丈夫であることを証明するために走り、ボールを投げ、泳ぎ、体操をした。2時間のハイキングを完遂し、3日間のクロスカントリーハイキングを敢行したり。勇気を示す事ができれば「血と名誉」という銘の入った短剣をリーダーから手渡してもらえる。
「若者は若者によって導かれるべきだ」というヒトラーユーゲントの哲学に基づいて、リーダー達も若者だった。指導部から会議の進め方の通信文を受け取り、歌を歌ったり、ゲームをしたり、スローガンを覚え、ナチス関連の本の朗読をしたり、プロパガンダのビラを読んだりした。
子どもたちを立派なナチスにするための組織。
自分が特別な血を引いた人間であると感じさせた、ユーゲントの活動は厳しいこともあるが達成感もあり、楽しく、社会に貢献していると感じさせるものだった。
彼らは、両親がユダヤ人を助けるような事をしていたら、親に失望した。彼らの中には、ヒトラーが本当にはユダヤ人を虐殺しているわけではないと思っているものもいた。
しかし、
ヒトラーは障害者は税金を無駄に使わせる存在として「安楽死」または「慈悲死」を認可し、それで十万人もの人が亡くなったとも言われる。ユダヤ人でなくても、ドイツの敵と見なされれば処刑された。共産主義者、ポーランドの知識人、同性愛者、ジプシー(流浪人)などが含まれ、戦争が始まって6ヶ月たつころには五十万人もの人の命が失われた。敵を探し出して処刑するのは特別行動部隊。隊員らは異常な任務を与えられた普通の人々だった。特別行動部隊になった多くの武装親衛隊はヒトラーユーゲント出身も多数いたにちがいない。ヒトラーユーゲントは殺人機会の一部に成長していったのだ。
現代では、イスラム国に心酔してしまう若者たちがいる。
彼らには彼らはの正義があり、自分たちの思想が世界を救うと信じているものもいるだろう。ドイツでも今になって、移民問題からナチスの思想に傾く人もでてきたときく。
でも、歴史に学んで欲しい。
ノンフィクションで、淡々と語られる、ヒトラーユーゲントのやってきた事。ナチスの罪を。
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親が立派なナチスでない場合や、問題のある態度をとっている場合、すなわりナチス党員でなかったり、ユダヤ人の友人を持っていたりする場合、子供は団員になることを拒絶されることもあった。相手にされなくなることを恐れて、子供たちは親に、党員になって、立派なナチスとして振る舞ってくれと懇願した。
ナチスは何が子供や若者にアピールするかを、よく心得ていた。制服、帽子の飾り、バッジ、武器、そして英雄物語。ナチスはこういったものをどんどん提供した。そしてヒトラーユーゲントをいくつかの連隊からなる軍隊のようなものとして組織していった。入団した男子は最初は単なる少年という階級だが、そこから班を率いるリーダーとなり、次いで小隊、中隊、大隊を率いるリーダーへと昇進し、女子の場合は少女という階級から女子段のリーダーへと昇進することができた。しかしヒトラーユーゲントは独自性とか個性というものは容認しなかった。軍事教練や行進を通して、ヒトラーユーゲントは一眼となって考え、神津することを学んでいった。
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ドイツ人でありながらナチスによる第二の被害者と言える、ヒトラー・ユーゲントについて綴られています。
ヒトラー・ユーゲントはナチス版のボーイスカウトであり、軍事色の強いものでした。
大人を熱狂させたヒトラーの扇動術は、当然ながらパワー溢れる若者をも虜にしました。
疑うことなく思想を受け入れ、従順な人間兵器へと変えられてしまったのです。
思慮のない熱狂こそ狂気なのだと思いました。
芳しくない状況でこそ、冷静な思考が大事であることを教えてくれる一冊。
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ヒトラ-・ユーゲント(ヒトラ-青年団)は、ヒトラ-への忠誠をナチスによって洗脳され、ドイツを勝利に導くため憎悪と殺戮を奨励された、十代の若者たちの痛ましくも悲壮なドキュメントです。アーリア人とユダヤ人、弾圧と侵略、迫害者と犠牲者など、戦争が生み出す狂気は、人間の愚かしさの極限を見せつけられて、胸をえぐられます。「白バラ」の抵抗運動が示したように、ドイツの全ての若者の心が、ナチスによって毒されてはいなかったという事実は、尊い犠牲の果ての救いと慰めとなりました。
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1932年から、45年のドイツ無条件降伏、そして戦後の裁判まで。その時代に、そこにいた若者たちのまなざし、忠誠、友の死、日々の生活、怒り、再教育までも簡潔にまとめられている。
ヒトラーやショル兄妹、師団長マイヤーなど、一部の人物が登場するのは流れから必然である受け止められるが、他についても戦後も生存していたのならもう少し説明が欲しいと感じた。
(ヘンリー・メテルマン、アルフォンス・ヘックはWikipediaで見つけました)