紙の本
温かい食べ物と、人情のある台湾
2010/10/29 17:17
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mikimaru - この投稿者のレビュー一覧を見る
メシが世界一うまい場所と友人に言われ、著者は台湾に向かった。自転車でぐるりと、島を食べつくしに。そこには素朴で素材が勝負の食べ物が待っていた。
小籠包、エビワンタン麺、牛乳を凍らせた驚愕のかき氷「雪片(シュエピェン)」、肉まん、肉圓(ロウユエン)、粽、豆花(トウホア)、豚足、刀切麺(ダオチエミェン)…などなど、数々の食べ物とそれらを頬ばることになった経緯が、時系列でつづられる。
どうやら、ゆであずきがひときわ美味しい土地のようで、最初は敬遠していた豆花を後半以降はかなり気に入っている模様。また、世界の多くの国々を旅した著者だが、その経験から考えると、しこしこした麺が普通に出てくる店があるのは、日本と(中国の)ウイグル自治区くらいだそうで、たいていは(日本の感覚からすると)茹ですぎ麺が出てくることが多いそうだ。
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第一章 台北〜桃園
例:大腸包小腸、小籠包、宮保鶏丁
第二章 新竹・台南・高雄
例:肉まん、三角圓、芋泥包
第三章 恒春〜成功
例:焼き餃子、海鮮焼きそば、シラウオオムレツ
第四章 成功〜花蓮
(芸術的な変態カキ氷ほか、アクシデント発生など現地でのこと)
第五章 花蓮〜光復
例:豚足、アイスクリーム、日本語で会話する村に訪れた際のこと
第六章 花蓮・宜蘭・台北
例:豆花、台湾風おこわ
第七章 台北〜新竹
台湾での美味しいものを、私的に総括
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簡単な中国語と自分の脚力、現地の人々の人情とふれあいながら回る台湾。写真と店の描写から食欲をそそられるのはもちろんだが、台湾がかつて日本の統治下にあった歴史的事実と、現地に残る日本の原風景からわきあがってくる素直な思いも伝えてくれる。
片言で質問をすれば丁寧に答えてくれる現地の人々。撮影に応じてくれて、宿を紹介してくれて、あるいは片言の日本語で話しかけてきてくれる。そして、夜道を狭い国道でむかえることになった著者の自転車を、無言で徐行しながら照らしてくれたワゴンの男性——なんと温かい国なのか。
台湾に、行ってみたくなった。以前に何度かやりかけて投げてしまった中国語、またやってみようか。
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写真たくさん。自転車で台湾を反時計回りに走り、混雑具合など著者の嗅覚で選んだお店の食事を紹介。ゆでピーナツとシロップだけのあたたかい豆花…私はこれが食べたいです。
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自転車の旅人、池田ゆうすけがこんどは台湾。しかも屋台飯。……でもファーストインプレッションの本は深みがない。他人のうまいまずいには興味がわかない。この辺「自分の言いたいことを書く」か「他人のために書く」かによってはっきりと分かれる部分。
でもあえて紹介するのは、写真が多いから。台湾の食って、視覚的センスが微妙でどれも同じに見える(というか現地では感じる)が、こうやって写真で見るとそれぞれに個性があるんだなとあらためて実感。レストランのメニューのつもりで、おいしそうなものを破って持っていったら、面白いかも。写真さし出して注文して、自分の味覚と著者の感想を対比させる、という旅も面白い。
それは別として、台湾の小龍包は食べ比べてみるべきだし、牛肉麺のうまいまずいも知ると楽しい。池上弁当のおいしさは日本にないものだし、なんといっても台湾茶。そうか、お茶の話がないから、台湾本として画竜点晴を欠くのか……。
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台北の誠品書店へ行くと大量に現地のガイドブックを買います。少し前までよく見かけたのが、GPS対応の経度緯度の載ったもの。数値端末(ガーミンなど)が流行っていたらしく、かなり人里はなれた場所も平気で紹介されていました。
台湾は小さな国ですが、行ける場所が限られています。というのも、鉄道は島の外周を一周する線のみ。日本と国交がないので国際免許証が使えません(現在では日本の免許と中国語訳があれば大丈夫)。中央に山脈が走りもっとも高い玉山は富士山より高い標高3952メートル。
そんな国を自転車で旅した著者の本には、目からウロコでした。
著者池田ゆうすけは世界一周9万5000キロの自転車旅行も本にしています。こちらは冒険譚ですが、台湾を走ったこちらは「食べ歩き」。走る先々で出会った屋台飯の写真と、その評価が延々と書かれています。
ただし、他人の美味い不味いに関心はありません。実際彼は否定的な小龍包は台湾で毎日でも食べたい食事のひとつだし、池上弁当のおいしさは米にあることが書かれていない。そして台湾へいく一番の理由、台湾茶についてこの本は触れていない。彼の味覚を云々することは、この本の正しい読み方ではないように思います。
いちばんいいのは、この本を持って台湾に行き、地元の人ばっかりの食堂で本を開き、寄ってきた店員さんに見せて作れるものを指さしてもらう。この本を持っていけば、確実に食の幅が広がります。でもそれじゃ、ファミレスのメニューあつかいじゃないかって? いえいえ、現地でこの本を読むとリアリティがあって、十分楽しめるはずです。
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先日、なんだか台湾に無性に行きたくなってフリープランで台北へ。
街ナカの食堂、夜市の屋台、臭豆腐、かき氷、鶏の足・・・etc
初めて食べるものが多かったけど、どれも美味しかった!!
旅から戻ってもっと台湾の事が知りたいな〜と思って買った本がコレ。著者が各地で出会う旨いものにまるで自分も食べているかのような錯覚を覚えて、あ〜また行きたくなってしまった。
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@yonda4
幻冬舎より出版されている文庫「行かずに死ねるか!」の著者、石田ゆうすけさんが自転車で台湾を一周する。
内容の多くは「台湾で美味いメシはなんだ!?」である。
僕も台湾、台北しか行ったことがないけど、メシは美味い!!
著者が自転車で回っていると、現地の人から「どこに行くの?」「何してるの?」「困っているの?」と尋ねられ、そのやりとりを読んでいると、自分も台湾自転車一周してみたいな~と駆られる。
台湾は一周1000kmくらいらしく、のんびり走っても二週間で一周できる。楽勝だよ!
台湾の人は優しい。治安もいいし、食べ物も美味しい。
ぜひ、台湾に行ってみてほしいものです。
小籠包が食べたくなってきた…
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この著作でもそこかしこに出てくるが、台湾は、すごく親切で心暖かい国。
昨年、台湾をひとり旅した時も、同じように感じた。
後半、台北のおいしそうなお店が色々出てくる。
こんどは折り畳み自転車持って、再訪しようかなあ
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サイクルスポーツ誌の連載をちょくちょく読んでましたので既読の文章もありましたが、豊富な写真で台湾屋台の美味しそうな雰囲気が良く伝わって来ました。台湾に旅行する際のグルメのバイブルとして使えますね!(^^) 小籠包と肉まんを食べた際の『肉汁ブシューッ』の表現に、私も台湾屋台メシを味わってみたくなりました。
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台湾の屋台メシがいっぱい出てきて、どれもおいしそうですごく食べたくなりました。筆者の自然体な表現に加え写真も豊富なので台湾の食べ物がいかにおいしいかが伝わってきますが、台湾の人々のあたたかさもとても伝わってくるステキな本でした。台湾に行きたい!と心から思えました。