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みんなのレビュー32件

みんなの評価3.9

評価内訳

32 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

「俳句を、つくってみませんか」川上弘美さんから直にお誘いです(^-^)

2011/03/14 16:33

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

☆聖夜なりミナミトリシマ風力10

この俳句を読んだ時に、おおおっと思った。
もしかして、川上弘美さんもNHKラジオの気象通報を聞いているのかも、そうして気象情報がお好きなのかも!
なにを隠そう私はラジオで気象情報を聞くのが好き。
わざわざ時間を調べて聞いている訳ではないけれど、気象通報が流れだすと、おおっと聞き入っている。いろんな地方の名前がずらずら登場して面白いし、馴染みの地名が増えるのも嬉しい。そして機械的に読んでいるようで、実はそうではなくて、放送時間があまったりしたら、「最初の方をもう一度繰り返します」なんてこともあるのですよ。

さて、こちらの一冊は川上弘美さんの俳句集!
お仲間に誘われて、俳句を始められたそうで、1994年から2009年までの俳句の特選が集められています。
ちょっと私が好きな俳句をご紹介しますね。

☆この夏でバカヤロ日記三年目

☆赤蟻に好かれしぶしぶ這はせたる

☆小春日の文庫本読むサンタかな

☆てながざるほしくてをどるちるさくら

☆秋の夜や古家の屋根に猫うじやうじや

☆行春やまんぢゆう呉れて知らぬ人

☆きみみかんむいてくれしよすぢまでも

☆名画座へゆく落第のおとうとと

☆徹頭徹尾機嫌のいい犬さくらさう

最後のは、本のタイトルにもなった句ですね。
これまで弘美さんの小説に首ったけでしたが、俳句もまたまたいいですねぇ~。

「小説は、長いのです。なかなか、仕上がらない。
でも、俳句はすぐに完成するではありませんか。
おまけに、言葉というものの神髄、のようなものを、短詩は考えさせてくれます。」と弘美さんは言ってました。ほんそうに、そう。俳句はなんだかすぐに完成しそうな、気軽さがありますよね。その上、言葉の魅力にもカイガン、です。

「俳句をつくって、わたしはあらためて日本語が好きになりました。古きも新しきも、どんな日本語も面白いものだ、と思うようになりました。」とも。日本語の表現をいろいろ知りたいと、先日のこと類語例解辞典を買ったばかりの私です。ここのところも、大いに共感したのでした。で、まずは一首作ってみました

ゆびおりの俳句じんせいきょうからよ

いかがでしょうか?弘美さん! (^-^)(^-^)

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紙の本

いかにも川上弘美な俳句集

2011/01/19 17:30

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る



 当代一流のものかきによる初めての俳句集です。いくら優れた小説家でも俳句の本なんてそうは簡単に出せないでしょう。出した出版社もえらいけど、出してもらった作家は、してやったりとニコニコするでしょう。だから「機嫌のいい犬」という題名がつきた、とういうのは私の勝手な想像です。

  徹頭徹尾機嫌のいい犬さくらさう

 本書には1924年から2009年までにつくられた、それほど数が多くない俳句が1ページあたりたった2句という贅沢なレイアウトで並べられていますが、歳月が経つにつれてその出来栄えが急速に変化し、いうならば素人が素人裸足のレベルへと突きぬけて著者独特の俳句世界を築き上げていったありさまをつぶさにうかがい知ることができます。

  夕桜ホテルのバーに人待てる

  秋風や男と歩く錦糸町

  はるうれひ乳房はすこしお湯に浮く

 などという句は、映像的輪郭がくっきりしていて、秘め事をのぞき知ったような妖しいときめきを感じます。さすがは小説家の俳句です。そして女の句です。


 そんな次第でどれも悪くないのですが、私が格別にいいなと思うのは、こんな句です。

  たくさんの犬埋めて山眠るなり

  舐めてとる目の中の塵近松忌



   でんでん虫生きているって言ってみろ 茫洋

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紙の本

川上弘美の世界がひろがる俳句集

2010/11/13 10:56

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 高級料理でもなく、名物料理でもない。どこにでもあるような食べ物であっても、どこかほっと息をつくようなものは誰にでもあります。
 私の場合は、卵かけごはん。湯気のたつ白いご飯にふっくらとした生たまご。それに醤油をたらして、ざくざくとまぜる。なんともいえない、ごちそうです。
 作家川上弘美さんの、しかも物語ではなく俳句となれば、なんだかそんな卵かけごはんに似て、これ以上のごちそうはないのではないでしょうか。これはそんなごきげんな句集なのです。

 川上さんが「俳句を、つくってみませんか」と誘われたのは、もう十七年前のことだそうです。奇しくも、俳句は十七文字の短詩文芸ですが、もちろんそれは関係ありません。
 で、川上さんはこう思います。「俳句ねえ。でも、俳句って、なんだか古くさい、昔のものなんじゃないの」。このことは若かった川上さんだけの思いではないでしょう。きっと若い人の多くは、俳句と聞けばそんな感想を抱くのではないかしらん。
 そんな川上さんですが、おそるおそる、海開きの頃にまだ冷たい海にはいる心境でしょうか、俳句の世界をのぞいてみます。「うわあ、と思いました。面白かったのです」。
 ちょうど、川上さんが『神様』という作品で小説家になろうとしていた頃です。

 川上さんは「俳句をつくって、わたしはあらためて日本語が好き」になったと書いています。たしかに作家川上弘美の物語の世界には、そういう日本語の魅力が自然に記されていることが多くあります。
 この句集は、1994年の、まだ俳句を始めてまもない頃の作品から2009年に詠んだ作品までが収められていますが、言葉が自由に行き来する様子は、そのまま、川上弘美さんの作品のなかに綴られる文章のようでもあります。

 俳句は定型であったり季語であったり、不自由な短詩文芸です。それなのに、これほどの自由になれるとしたら、川上さんにとって俳句とは「どこかほっと息をつく」文芸のような気がします。

 ◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。

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紙の本

日常と幻想が上手にミックスされた川上ワールド第一句集

2010/11/02 15:56

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ジーナフウガ - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本語の魔法使い川上さんの【1994】~【2009】まで実に15年に及ぶ句作活動の中から、
全部で220の句が抜き出された、ファン待望の第一句集である。

今回うれしいことにオンラインショップbk1さんで注文したら、
本来の発売日(10月30日)の二日ほど前に届いたので、何だか特をした気分になり、

一度目はざーっと全体を読み通し、二度目になって、川上さん独特の言葉使いの中から
強く印象に残った語彙を辞書を引き引き確めながら

(この一連の流れこそ、川上弘美さんの世界をより深く味わうのに
欠かす事の出来ない大切な作業の様に思われる)至福の読書時間を味わった。

川上さんが句作を始めた1994年と言えば丁度短編【神様】が第1回パスカル文学賞を授賞した頃。
で、あるから彼女が未だ作家業を本職にする前から川上さんは俳句を始めていた計算になる。

この、俳句つくりはじめの「暴れん坊」な句を皮切りに、
それぞれの年で印象に残った作品と感想を述べて行きたいと思う。

まず最初のページに掲載されていた【はっきりしない人ね茄子投げるわよ】にはズバッ!と
脳天をかち割られた気がした。い、一体何があったのかは分からない。

けれど、茄子が飛び交う男女関係は、何処かにきっとある。
そんな風に思わせてくれる川上さんの小説の一部分を切り取って来たかの様な、

不思議なリアリティーをも感じさせてもらった。翌年の作品【春闌(た)けてハモニカ鳴らし飽きにけり】
この作品からは春たけなわ、浮かれてハモニカ吹いてたけど、

春も盛りを過ぎてしまったし何だか飽きちゃったな…。的な、
柔らかな春の倦怠感が伝わって来て良かった。闌けてって言葉の響きも好きだった。

この年は他にも好きな句として【泣いてると鼬(いたち)の王が来るからね】を挙げたいと思う。
この句からは日常と幻想の狭間を自由に行き来する作家ならではのゾクリ!

背筋が凍るようなシャープな凄みを覚えた。好きな句を全部紹介したい所だか、
それは余りに無茶っぽいので、後三作品だけ紹介させて頂きたく思う。

【接吻や冬満月の大きこと】この句からは恋する喜びで、
世界をダイナミックに捉えている良さが感じられて澄んだ心持ちになれる。

【人魚恋し夜の雷(いかづち)聞きおれば】夜鳴る雷、きっと外は強い雨と風が吹き荒れているでしょう。
そんなうら淋しい情景の中、海で人魚はどうしているかしら…。

幻想の蒼い灯りの下仄かに人魚の姿が視えて来そうな描写力に惹かれる。
最後に紹介する句も、何でもない、日常風景の中からメルヘンの種をつかむ川上さんの真骨頂だなぁ、と。

【徹頭徹尾機嫌のいい犬さくらさう】この句集の表題になるのも頷ける句。
俳句を鑑賞したら、後書き代わりに掲載されている、極上のエッセイ

『俳句を、つくってみませんか。』に是非とも触れて頂きたい!
俳句を作り、味わえる様になるまでの道筋が、非常に丁寧に書いてあり、

『今度は自分でも、俳句を作って見ようか』そんな前向きな気持ちになれるオススメの一冊です!!

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2010/12/05 17:10

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2010/10/28 09:10

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2010/11/23 10:12

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2010/11/26 21:52

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2010/12/09 14:51

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2010/12/06 22:30

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2011/03/07 01:22

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2011/03/17 12:29

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