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サンデル本の解説•概説書
故に「サンデル以上」にはなれないし、どうしてもそれぞれの本を読んでいなければ分かりにくい部分も出てくる。
「これからの正義の話をしよう」を入り口に他の著書の概要や「こんな考えでこう書いている」、「サンデルの思考のエッセンスはここ」などを知るには有用。
難しくても原著には当たってみるものだと思う。
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「白熱教室」「これからの正義の話をしよう」などで話題になっている、
政治哲学者マイケル・サンデルの思想について書いた本。
サンデルの書いた内容を噛み砕いて説明した入門書かと思っていたが、
実際にはサンデルの著作ひとつひとつの内容を丁寧に解説し、
政治哲学という学問の歴史や発展の経緯も含めて、
「サンデルとは何者か」「どんな主張をしてきた人か」というのが、
門外漢の素人にもわかるようにしてくれている、
非常に内容の濃いものだった。
僕は、サンデル本人の著作を読む前に、
読んでみるべきかどうか、ざっくりとした感触を知りたいな、と、
軽い気持ちでこの本を買ったのだが、
むしろ本人の著作を読む前に、サンデルがどういう人なのかを知ることができて、
とても有意義だった気がしている。
つまりこの本のおかげで、このあとにサンデル本人の著作を読むに当たって、
その主張するところを冷静に受け止めることができる下地を、
先につくることができたように思うのだ。
サンデルには興味がある。
その主張も、ざっと聞いたところでは何やらかなり正しそうに見える。
でも、「白熱教室」に見られるような、あの巧みな会話法は、
逆に、そうでないことでも正しいような気持ちにさせられるような気がして、
逆に読んでしまうのが怖いような気もしていた。
冷静に受け止めるのではなく、魔法にかけられたように
信奉者になってしまうのはいやだなぁ、とかそんな気持ちがあったのだ。
でも、この本を読んでわずかとはいえ予備知識を仕入れた後ならば、
少しは冷静に読むことができそうだ。
この本の中で整理されたサンデル自身のコミュニタリアニズム、
あるいは共和主義というような思想について、だいぶ共感しつつも、
まだ半信半疑なところが僕にはある。
サンデルの著作で、それぞれの思想の具体的な実践例を見て行きつつ、
僕自身のこの思想に対する態度を考えていきたい、と思っている。
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対話型講義で昨年有名となったハーバードのサンデル教授の政治哲学をこの一冊で読むことができます。
わが国では法哲学の専門家は相当多数存在するが、政治哲学は教えてくれる教授がいなくて修士号も博士号もとれないということに驚いた。
法哲学や政治思想史はあっても政治哲学がなかったのだそうだ。
正義とはなにか、共通善とはなにか。
リベラリズム、ネオ・リベラリズム、リバタニアリズムとは。
混沌とした理念なき政局政治の話題ばかり垂れ流されてくる昨今、こういった「そもそも論」を考えてみるには良い機会を与えてくれました。
しっかし、こういう形而上の話は頭が疲れて知恵熱がでる(笑)
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白熱教室や「正義の話」から少し距離を置いて、サンデル先生の正義論や哲学を解説した好著。胚細胞の議論がとくに興味深かった。しかし、どのような正義論も根底には自分の価値観があり、そこから逃れられず、したがって絶対的な正当性は保証できない。今年考察したい医療倫理についても大変示唆的な本だった。
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NHKの「ハーバード白熱教室」を機に日本でも注目を集めているマイケル・サンデル氏だが、「~白熱教室」や「これからの正義の話をしよう」には本人の思想はあまり出てこない。この本は「~白熱教室」で解説をしていた小林教授がマイケル・サンデル氏の思想の要点を解説している。たくさんの政治・哲学的な用語が出てきて一度に頭を整理するのは難しいが、アウトラインはなんとなく掴めた。図や表があればもう少し分かりやすかったと思うのだが。
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『これからの「正義」の話をしよう』やNHKの「白熱教室」で一躍脚光を浴びたマイケル・サンデル教授。本著書は、そのサンデルの全著作を解説し、サンデル自身の思想的立場を明らかにした著書だと言えます。
非常にディープな内容で、『これからの「正義」の話をしよう』などを読み、より哲学に対して造詣を深めたいという方には向いていますが、初めて哲学本を読む方には難しいかも知れません。
それくらいボリュームがあって、ハードカバーの専門書として出版されても良い"濃さ"だったと思います(あえての新書での出版だったのでしょうが)。
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サンデルの解説本、難解。折角なのだから、サンデル風に読者に思考させる本にしたらよかったのになと思うた。コミュニタリアニズムの歴史的出自をざっくり知るには良し。
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サンデル教授ご自身が「彼は、私の政治哲学を完全に、そして深く理解している」と推薦!!
著者の小林正弥教授は、サンデル教授の全著作を解説することによって、サンデル教授の政治哲学をだけでなく、政治哲学の歴史、政治哲学とは何か、政治哲学が私たちに何をもたらしてくれるのかを示してくれています。
サンデル教授は、福島第一原発の事故を受けて「原発の未来は、私たちにとって究極のジレンマだ」と仰いました。
私たちはもう、自分の利益のことだけを考えて生きていれば良い状況ではありません。地球の未来は、私たち一人ひとりの人間性、哲学に託されているのです。
http://mixi.jp/view_item.pl?id=1478393&reviewer_id=6865606
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1714095635&owner_id=6865606
http://kakapo1233.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/05/post_bfd5.html
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マイケル・サンデルのこれまでの著書等をまとめることで、彼の理論、ひいてはこれまでの政治哲学の流れまでも総括できるような内容となっている。とても面白い。
マイケル・サンデルの主張(ロールズへの批判など)は、なかなか的を射たものだと思うのだけれど、説得力のある新たな正義論を打ち出しきれてないところが弱い。ここを解決できないと、歴史に名は刻めないかな、という。
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「政治哲学」ってなに?というレベルで「正義」というキーワードにつられて
読み始めた。
「ロールズを批判」。「~を批判」って表現が多いのが気になったが、
サンデルの著書ではないので、サンデルの著書を読んで判断かなぁ。
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サンデルの政治哲学の解説本。
コミュニタリアニズムの立場から、
ネオリベラリズム、リバタリアニズムを批判している。
サンデルの面白さは、白熱教室のように
対話形式や巧みな比喩で議論を導くところにあるように思う。
もう1度白熱教室をチェックしておきたい。
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善の重要性はわかったが、善をコミュニティ内で一致させることができないから、主意主義的な主張が広まっているのではないかと思った。
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功利主義からロールズの正義論によるリベラリズムが広まり、さらに自由を突き詰めたリバタリアニズムが全世界に広まった。
これを批判したのがサンデルであり、コミュニタリズムの必要性を説くサンデルの思想を解説する。
非常に難解だし、一度挫折してからの再読。「これから正義の話をしよう」を読んでいるか、白熱教室見てないとわからない。
しかしながら、このコミュニタリズムの考え方が今必要であると思う人が多いから、サンデルの本がベストセラーになったのだろうと思う。
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原著を読んでいないので、ニュアンスは不明ですが、多様な正義とその近くにある善が印象的でした。
本書は難解な部分を懸命に容易にしようという小林正弥さんの心意気が伝わってきます。
基本的に序~第3講までみればだいたいOK。正義、善、公正への理解が進みます。
第4講 遺伝子工学による人間改造 だけは非常に歯切れが悪い。これは致し方ないか。
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サンデルの政治哲学とコミュニタリズム解説本。
政治哲学の専門用語が多く、理解するためには何回か読まないといけないと思った。