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わたしは苦手なのです、この終わり方。
読みとる力の問題だと思うのですが。
さて、どう手渡すか……
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高学年向け。嘘をついたり、逃げたり、噂に負けて(気持ちが)寝返ったり、他にも10代の心の揺れやいら立ちが垣間見えます。スペイン舞台の独特な事情持ちのお話故、読みながら納得するのはすんなりとはいきませんでした。ちょっぴり大人な作品ですね。
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スペインの児童文学。訳者によると、著者カンシーノは現在スペインでもっとも脂ののった児童文学の書き手のひとりだそうだ。この本ですぐれたYA文学作品におくられるアランダール賞を受賞。その他にも多くの受賞歴があるらしい。海外の作品といっても圧倒的に英語圏のものを読むことが多いので、スペインのYA文学というものもちょっと読んでみようかと思って手にとった。主人公ペリーコは母の死後孤独で、父ともうまくいかず学校もさぼりがち。自分の将来になんの希望も持てず、ついうそを言ったりひねくれたことを言ってしまう。そんなペリーコが村で唯一のイギリス人フォスターさんと知り合って少しずつ変わっていく。自分の世界が広がっていく様子、その時の少年の揺れ動く心が丁寧に描かれている。この時期大切なのは親というより周囲に信頼できる大人がいるかどうかなんだろうな。(ペリーコが困った時、駆け出して相談に行く人がいるように)ペリーコの周囲にも彼を何とはなしに見守っている大人たちがいるし、フォスターさんやイスマエルのように彼に大きな影響を与え世界をひろげてくれる大人がいる。振り子のように揺れながら考え、自分はこうしようと思う少年のこの先をここでは示していない。それでもこうして考えることを始めたペリーコは、きっといつか自分の道をみつけることができるのではないか、と思う。第二次大戦後、内戦を経て独裁政権下の1960年代のスペインという背景もいきている気がする。今年は様々な児童文学にふれてみたい。
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なかなか、厳しい家庭環境だけどその中で自分で道を切り開いていく、自分の生きる力をつけていく、そんな様子が描かれてた
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母を亡くし、父からかまわれず、学校もさぼりがちになっているペリーコ。
嘘に嘘を重ねてしまい、挙げ句大きな事件に巻き込まれてしまっていた…。
内線後、軍事独裁時代のスペインのある町をモデルに描かれたそうで。
ペリーコが関わる大人たちは、それぞれに戦争とのつながりを持っている。
ペリーコがさまざまなことに気づき、考え、少しずつ前に進んで行く過程がとても大切なことだと思う。
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スペイン、1960年代、軍事独裁政権下。少年ペリーコのイニシエーションストーリー。
「ベラスケス十字」のようなファンタジー要素はない分、主人公が等身大で心にすっと沁み込んでくる。主人公と同年代(11~12歳)の人達に読んでみて欲しい。周りの大人たちにもそれぞれの人生が後ろにあるんだろうなと想像できて、思春期の隙間から見た世界が巧みに描かれていると思った。読後感は爽やか。
表紙は、可愛らしいけどウンブリーアの海の輝きが全く感じられないマットな表現でこれは違う…と個人的にはすごく残念でした。
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スペインの歴史的背景はたしかなものとして、葛藤する少年を軸に、スリルある物語が展開する。少年から見ると周囲の人物たちへの評価はまちまちだ。いい人なのか悪い人なのか。物語を終える頃には、犯人は差しおくとして、ここにはいい人しかいないことに気付かされる。少年期の難しさ、輝きをともに描くことに成功した傑作。