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森の中で父さんと二人きりで暮らしていたムーン。父さんが死ぬ間際に「アラスカに行け」と言ったので一人きりで出発したが、すぐに警察につかまり施設に入れられてしまう。自然の中でしか生きられないムーンは、脱走を計画する。施設で出会った初めての友だちと一緒に。
森での自給自足の生活、友だちとの絆、頑迷な大人たち。スリルに満ちた逃亡劇は最後まで目が離せない。大きな悲しみを乗り越え、ムーンがたどり着いたのは…。
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父親とふたりきりで森の中で暮らしていた超野生児の少年ムーンが、父親を亡くして森を出て、いろんな人と出会う話。すっごい面白かった! 物語が繰り広げられるフィールドが広いのがいい。ムーンは森の中で生きる術をすべて父親から伝授されたサバイバルのプロなのですが、ピュアっぷりがすごくて、ある意味箱入り息子なのかなと。父親が死に際に「アラスカへ行け」と遺言を残すのですが、警察にとっつかまって養護施設に入れられたり、そこで友だちができたり、脱走したり、森の中で暮らしたり、と冒険がぎゅっと詰め込まれています。ムーンの森での生活の知識がすごくて、リアルで面白かった。頼りがいのある子供だ。ムーンの孤独、友達や父親との絆。そして戦い。最後まであっという間に読めて、最後はほっとできる素敵なお話でした。満足。ムーンがぶちのめすって言うのが可愛い!
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アラバマ州の森の奥で、父親と二人で暮らしていた10歳の少年ムーン。外界とは、よろずやの主人のアプリコットさんと話すぐらいで、ずっと森で生き抜いていた。ワナで獲物をとったり衣類もシカの皮などで自分でつくったり。
ある日、父親が怪我がもとで死んでしまい、自分たちのようなのがたくさんいるからと父に言われていたアラスカへ向かおうとする。
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はらはらさせられっぱなしだった。
不条理もあったけど、信頼できる大人に会えて、友達に出会えて、本当によかった。
ハルの物語が続編であるらしい。
いつか翻訳されるといいな。
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アメリカ・アラバマ州の森の奥、少年ムーンは父と二人きりで暮らしていた。
ベトナム帰還兵の父が抱えた傷の深さを思うと簡単に批判はできないけれど、子どもは親を、生活を選べないとつくづく思う。どんな状況でも子どもは親が全てだから、ムーンの父を思う気持ちが痛々しいほど伝わってくる。
国を信じてはいけない、人と関わらない生活を子どもに強いる生き方しかできなかった父。
けれどその生活の中で教えられることの全てを教えムーンを愛した。愛されていたムーンは幸せだったのだろう。
父が亡くなった後、アラスカを目指していたムーンは児童施設からハルやキット達と逃亡する。父から伝授された森で生きる知恵の素晴らしさを駆使したサバイバル生活は冒険物語として夢中になって読み進めてしまう。
けれど、その背景にベトナム帰還兵の心の傷という大人の事情が根底にあり、辛い。
「ひとりぼっちはいやだ」10歳の男の子の全うな気持ちだ。