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社員数わずか7名で電気自動車を開発した、岐阜県のゼロスポーツという自動車会社=グリンーンベンチャーのチャレンジストーリー。中島社長の、日本という国のベンチャー企業に対する意識の遅れに対する、熱いメッセージが伝わってくる1冊。
残念ながら、ゼロスポーツ自体は2011年3月1日付けで、自己破産申請を発表という結末になってしまったが、確実に時代はEVにシフトするであろうことは理解できる。文中ではこのパラダイムシフトを「破壊的イノベーション」という表現で、カメラに対するデジカメの登場と進化、市場の逆転を例に引いて説明してしてる。いずれにせよ、日本は技術的ポテンシャルはありながら、後手にまわっていることが、このジャンルでも確認できるのは残念な気がする。
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非常に楽しく読ませて頂いた。
破綻したのが非常に残念です。
出来ることなら、著者に一度会って話が聞きたい。
どなたか、コンタクトとれませんかね。
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昨日(2012.4.13)お客さんの訪問をするときにレンタカーを使ったのですが、今回はリーフを選びました。残存バッテリー量から計算された走行距離が表示されるのですが、運転開始時でエコ運転モードで 160km程度、往復15km走行したのですが、返却時には135km程度でした。
エアコンを使用したり4人乗っていた等の影響があると思いましたが、貴重な体験をしました。日産レンタカーの営業所にはリーフが3台以上あり、電気自動車への関心も高まってきているようです。
この本は既存の軽トラックを電気自動車へ改造して、その車を2011年度の郵政省の配達用車の更新車両の3分の1に相当する1000台を受注することに成功したゼロファースト自動車の社長さん(中島氏)が書かれたものです。
私より年齢の若い起業家が電気自動車の普及を目指して頑張っている姿に敬意を表しました。私は集合住宅に住んでいるので、どのような形で電気自動車に関われるかイメージがわかない部分もありますが、できる範囲で中島氏を応援したいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・郵便事業株式会社は年間の更新車両の3分の1にあたる1000台について電気自動車にする、09年からゼロスポーツの他、三菱・富士重工等のEVを試験的に納入してきたが、最終的に11年度分はほぼ全量をゼロスポーツに発注する(p9)
・2003年に国土交通省から形式認定を取得して日本で17番目の自動車メーカになった(p10)
・既存のガソリン車を電気自動車に改造することで大手メーカ車両よりも2-3割安く提供可能、商用車バンタイプのため車内に荷物を載せるスペースが十分に確保できる(p12)
・2009年にできた制度、新車登録してから13年以上経過した車を廃車にすると30万円の補助金がでる、これにより中古車販売市場が縮小している(p14)
・ゼロスポーツはアルターパーツを開発販売している、図面データを大手部品メーカの工場に渡して、小ロット生産を委託している(p17)
・アメリカテスラモーターズは2003年でシリコンバレーで設立、2010年にはトヨタが5000万ドル出資した(p19)
・世界でEVが開発されたのは1830年代で内燃機関よりも40年以上も早い(p26)
・1900年頃には、世界における電気自動車の保有台数は約4000台で、生産台数としては全自動車の40%を占めていた(p28)
・軽トラックの90%は平日走行距離が50キロ以下であった、地域や用途を限定すればコストの低い鉛電池でもニーズがあると2001年に考えた(p40)
・自動車に使われている部品で、ほとんどの便利なもの(コンポ、カーナビ、パワーウィンドウ、クーラー、ドアミラー、アルミホイール、盗難防止装置、ウィンドフィルム等)はアフターマーケット業界が生み出したもので、いつのまにかメーカ標準品となった(p67)
・デジカメが市場に登場した1980年代には、その場で画像が見られる、パソコンに保存できる、というフィルムカメラにない価値があった(p81)
・ガソリン車の部品総数は10万点、電気自動車は金額で1台あたり50万円程度が不要(市場規���で3兆円)となる(p85)
・2010年は490万台の販売台数のうち95%以上はガソリン車だが、2015年から市場が縮小していくなかで、2030年には販売台数の半分以上をしめる(p89)
・燃料電池車は白金触媒をつかうためコストが抑えられない、高圧水素スタンドの設置も課題、規制緩和がないとトンネルに入れない(p98)
・ハイブリッド車の世界的な流れは、部品点数の少ないシリーズ式(三菱、GM、ゼロスポーツ)である(p100)
・バッテリーは、トヨタ・パナソニックの「プライムアースEVエナジー」や、日産・NECの「オートモーティブエナジーサプライ」から調達している(p102)
・リチウムイオン電池のおかげで、パワーウェイトレイシオ(1馬力が何キロを負担するかを示す数値)が、鉛電池では50kg/psだったものが、20kg/psを切るようになった(p103)
・ガソリンエネルギー密度(単位エネルギーあたりどの程度移動できるか)は 12,722 WK/kgであり、リチウム電池(100-200 WK/kg)であるが、エネルギー効率(ガソリン:10%程度、モーター:80-95%)を考える必要ある(p106)
・インホイールモータでは、ホイール内部にモーターを搭載するので、バネ下重量の負担がホイールにかかるので、構造を見直す必要ある(p113)
・ものづくりは、「できる」と思う人と、「できる」と思わせる人が一緒に取り組むことがポイント(p132)
・魔の川:研究と開発の間にあるもので技術者が超えるべきもの、死の谷:事業化して商品になるまで、ダーウィンの海:事業化した製品を産業化(他社との競争)がある(p146)
2012年4月14日作成
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【この本を提供してくれた人】
管 武
【この本を読んでくれる人へ】
電気自動車(EV)が流行っている世の中ですが、これ程までに頑張っているベンチャー企業があります(ありました)。
今は色々あって無くなってしまいましたが、その思いはまたどこかで復活すると信じています。ぜひ、一読を。
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第一世代を終わったゼロスポーツという会社の在り方を考えるのに出発点を理解する上で重要な本。
車を全部生産するのではなく,基本車両を購入して改造して販売する方式を取っているのだろうか。
大口契約の営業上の問題で,世代交代(後退)したのは残念。
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エコカーが創る新しい未来に向けて、小さいベンチャー企業がどんな想いでどんな取り組みをしているかを紹介している一冊。著者の会社はこの後、大きな事件に巻き込まれてしまうのですが、それまでにどんな苦労をしながら諦めずに取り組んで、道を開いていったのかを知ることのできる一冊でした。個人的には、代表であっても従業員1人ひとりと、人と人という関係性を大事にしているというところにとても好感を持ちました。
人に優しい人ほど、次の世代のことも考えているのかもな、とも思いました。