紙の本
著者の趣味は読者と一致するか ?!
2011/11/26 19:03
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は現役時代から広島県工業試験所で日本酒にかかわってきた. 著者は日本酒は純米酒であるべきだとかんがえていて,この本ではそういう著者のかんがえが展開されている. しかし,世の中にはそれとはちがうかんがえがあること,そのなかには尊重するべきかんがえもあることもみとめている.
酒の趣味はひとによってちがう. だから,読者は著者のかんがえが自分にあっているのかどうかを,みきわめるべきだろう. すくなくとも私のかんがえとはあっている. 著者が評価している純米酒専門の福光屋の酒 (たとえば福正宗) はやすくてうまいとおもう. もちろん著者はもっと値のはる酒も評価しているが,やすくてうまいものに関して意見が合ったことはうれしい.
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おいしい日本酒を飲みたかったのと、殆どの日本酒に醸造用アルコールが使われているのを別の本で知ってから、純米酒を選んで購入するようになったので、もう少し日本酒を勉強しようと思いました。
今飲んでいるお酒は、春鹿の「超辛口」(吟醸純米)で値段の割りに、正直あまりおいしいと思いません。日本酒度が+12、精米度が58%、五百万石使用と数値的には立派です。このお酒がいい酒なのか、私の舌が肥えていないだけなのか、わかりませんが、この本に書かれているお酒を少しづつ飲んでみようと思います。
思ったより手ごろな値段だったので、ホッとしてます。
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おいしく飲む。そのために。
○酒は純米、燗ならなお良し(11頁)
・アル添と純米酒の違い完全発酵か否か
・炭濾過はあくまで矯正手段
・生酒は熟成の省略
・火入れは若さを保つため
・新酒は渋味がある
・生酒(生々、本生)生貯蔵(さき生)生詰め(ひやおろし)
○温度を変えて楽しむことは、日本酒ならではの文化(73頁)
・ぬる燗42度割り水は水が先
・火入れした酒→
未開封冷蔵庫で酒質変わらず
開封後冷蔵庫熟成しっかりしたつくりの純米酒なら常温暗所でも
・純米古酒は未開封で1年から夏?
・しっかりしたつくり=割り水をかけて燗にしたときの味切れの良さ
・酸度<アルコール度数×0.1
・アミノ酸度+0.2~0.3<酸度
神亀、大七、福正宗、開運、磯自慢、旭菊、鯉川、秋鹿、三井の寿、鷹勇、杜の蔵、花垣
常きげん
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おいしい日本酒を、また飲みたくなった。
最近では、御代櫻がおいしかったなぁ。
何度となく、改めて開いてみたい本。
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酒は純米、燗ならなおよし。
日本酒について知らないことが
たくさんあったことがわかりました。
今まで純米酒は冷でしか飲んだことが
なかったのですが、ゆる燗、試してみます。
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「酒は純米、燗ならなお良し」
酒造技術者の第一人者が舌鋒鋭く現状を批判し、情熱を持って日本酒のあるべき方向性を説く。酒造りについても分かりやすく説明されていて非常に面白かった。日本酒に関する蘊蓄は誤解が多いことも目から鱗。「良い吟醸酒は冷やで飲む」も誤解のひとつ。「温度を変えて楽しむのは日本酒ならではの文化であり、魅力の一つ。(P73)」。楽しみ方が増えました。
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やっぱ日本人なら純米酒を飲もうと思った本。苦手意識のあった日本酒は、実はアルコール添加酒だと知った。水と米だけの純米酒なら体にも負担が少なく、長く美味しく飲めると思った。日本の伝統文化としての純米日本酒を応援したくなる一冊。オススメです。
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酒は純米、燗ならなお良しー。
元鑑定官の故人による著作の文庫化。
戦後の酒造りに関わった中で、未だにアルコール添加された日本酒があるコトに批判的。
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アルコール添加された酒が、日本酒の長い歴史の中で、非常に特殊なものであることを教えてくれた。
筆者は、米と米麹以外のアルコールが含まれる酒(本醸造酒や普通酒)を全否定はしていないが、コメ不足の戦中戦後に始まった安易なアルコール添加やそれを更に補正する糖の添加(いわゆる三倍醸造)については全否定している。これは日本酒の味のする別の飲み物といえるかもしれない。頭痛がする日本酒のイメージは此処からくるものだろう。ビールの真似をして、大量生産の安価なものを求めたことも、安易な製造技術は進展したものの、杜氏の勘にたよる醸造技術の軽視につながったという指摘も的を得ていると思う。
酒造りは腐造との戦いで、雑菌の中で生き残ったものだけが、日本酒として飲めるものになるが、昔はほとんどの蔵では頻繁に腐らせていた。それをあらゆる状況を判断しながら、雑菌よりも酒の酒母が増える条件を整えてゆくのが杜氏の役割で、逆に、そのような生存競争に勝ち残った酒母から作られた酒は、力強い味わいになるという。
そのような腐造との戦いの中で、筆者自身もアルコール添加により多くの蔵を救ってきたらしく、アルコール添加は単にアルコール度数を増やすためだけでもないようだ。そのような目的のアルコール添加は製法上の技術としての添加であり、量も微量であり、本醸造酒としてうまくできている酒も多くあると、筆者も認めている。
現在の醸造技術が、昔と徹底的に違うのは「衛生環境」と「温度管理」だろう。
昔は雑菌の多すぎる夏には酒造りをしようとしなかったし、冬も暖かい九州では日本酒は諦めて焼酎文化を発展させてきた。それが今では、一年中どこでも酒造りができるし、雑菌の管理ができるため、腐らせることなく日本酒ができるようになった。
一方で、衛生状態を保つための乳酸菌を添加(速醸造り)したり、バイオテクノロジーによる酵母が工夫されたりしているものの、ベースは昔から使われてきた酵母であり、同じ酵母でも作り手によっていくらでも工夫の余地があると筆者は主張している。また、昔ながらの自然にいる菌を利用した生酛づくりや山廃づくりで生存競争を勝ち残った酵母による酒の方が、完全発酵しているため、小手先で作られた味よりも力強くスッキリしており、長期間保管した熟酒となったときに味わい深くなるという。生でしか飲めない酒の味は脆いということかもしれない。
→酒は純米、燗ならなお良し、という筆者の名言はこのことを言っているのかもしれない。
あくまでも、好みの問題ではあるが…
基本的な酒造りの流れや、純米、吟醸などの分類方法(税金により分類されるらしい)、日本酒のラベルの見方から日本酒の飲み方、いい飲み屋や酒屋の探し方まで、臨場感をもって語ってくれている。吟醸酒の燗酒は一度試してみたいと思った。
この本は、日本酒を愛する日本酒製造技術指導者による正統派日本酒入門本にして、痛烈な日本酒業界批判本かもしれない。
特に、品評会で賞を取る華やかな香りの日本酒でなく、毎日の料理に合わせておいしく飲める日本酒でなければ、消費者は飽きてしまうし、日本酒の未来も危ういだろうという指摘は、正論だと思った。
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「純米酒だけが日本酒」という主張が明確で、文章もすごく上手。そして熱い。日本酒の勉強になった。かつては腐造との戦いだったんですか。
著者は新技術に否定的だが、そこは必ずしも同意できなかった。日本酒も工業製品なんだから、アル添だろうが液化仕込みだろうがコンピュータ制御だろうが製造方法は自由に取り入れ、評価は飲み手に委ねればいいと思う。
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日本酒への熱を感じる。長く置くほど熟成して旨くなるのが本来の良い日本酒という主張?はよく理解できる。生酒や無濾過、香り重視の風潮は鑑評会などの悪影響、と超辛口
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おでんで熱燗呑みたいね
ってな事で、上原浩の『純米酒を極める』
【酒は純米、燗ならなおよし】の名言を残した日本酒界の重鎮の純米酒の素晴らしさを伝える純米酒バイブル
漫画の夏子の酒で上原自身をモデルにした元広島国税局鑑定官の「上田久」という人物も登場しているw.
美味しいアル添も今は色々と有るけど、純米酒にかける熱い思いがヒシヒシと伝わるお話。
お米から日本酒が出来るまでの内容も分かり易く大変勉強になる本じゃ♪
2019年4冊目