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紙の本
最後まで悟りをひらいていくブッダの魅力は、手塚治虫の創造力から出てきているのかもしれない
2011/07/24 15:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
手塚版『ブッダ』全14巻の最終巻です。第6部の最後2章と第7部、それに「あとがきにかえて」と題した手塚による『ゴータマ・ブッダ実伝』というエッセイが収められています。
第6部最後で、この物語の当初から狂言回しのように活躍してきたタッタが死に、シャカ族が滅亡します。ブッダの一番弟子を自認していたタッタが、ブッダの教えに逆らうようにして死んでいくことになり、ブッダは自分の非力さを知ることになります。
しかしそれも実は第7部で新たな悟りをひらくことへの伏線だったのかもしれません。
新たな悟りは「人間の心の中にこそ神がいる、神が宿っているんだ」ということになってしまうのかもしれませんが、それをマンガという形で、様々なキャラクターを動かしていく中で私たちに知らしめてくれるというのが、この手塚版『ブッダ』の魅力かもしれません。
そこには、他の手塚マンガにもみられる虚実入り乱れてのストーリーがあるからこそ、一層魅力的なのでしょう。
しかし、ブッダの教え、すなわち仏教の実際の教えと異なっては誤解を増すだけですし、そこから得た理解が誤ったものでは何もならないのかもしれません(もっともその虚実入り乱れているからこそ、手塚マンガが面白いとも言えるのですが)。
そのあたりのところを「あとがきにかえて」で手塚自身が語っています。他のマンガと違ってある意味史実でもあるわけなので、手塚自身がこのままで終えてしまっては「まずい」と思ったのかもしれません。
それによるとブッダ/シッダルタの周辺の人物はほとんど架空の人物だそうです。この14巻ではすでに過去の人ですが、チャプラ、ブダイ将軍、タッタ、バンダカ、ミゲーラ、ナラダッタと、このマンガの中では重要な役割をしている魅力的なキャラクターばかりです。
さらに、修行時代のデーパとアッサジ(こちらはどう見ても写楽くんなので架空とわかりましたが)も手塚の創造によるキャラクターだそうです。その後のマガダ国のビンビサーラとアジャセ王子の話やコーサラ国のルリ王子の話なども仏典にはないなど、どうもこのマンガはかなり手塚のフィクションで成り立っているようです。
それでも、ブッダの教えを知るきっかけにはなるのでしょうし、何よりそれぞれのキャラクターが生き生きとしており、そんじょそこらの仏教の教本を読むよりはるかに教えられるものが多いようにも思いますが、どんなもんでしょう。
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