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芦部先生がお亡くなりになって、15年以上の時を経ても新判が出ているということに驚き。
学生時代に初版が出て、大切な教科書として読んだけれども、今、こうした時代だからこそ改めて読み直したい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%A6%E9%83%A8%E4%BF%A1%E5%96%9C
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憲法と言えばこの本でしょう。ただし、行間を読まなければならない事、統治についていささか薄い点は注意する必要があるかと。
しかしそれを除けば文句無し。
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内容的には足りないところもありますが、網羅的にかかれており、わかりやすくてよいと思います。
芦部先生の考え方というのは今でも議論の前提となっていることが多いので、読んでおく必要があると思います。
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大学の教科書で使用
憲法といえば、芦部憲法と言われるように憲法界のカリスマである。
縦書きが非常に気になるが、役に立ったと思う。
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言わずとしれた芦部憲法の第五版、法学部ではないがやはりスタンダードテキストといわれるだけのことがあるのだなとおもった。
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「憲法の基本学んでね」 弁護士有志が首相に“教科書”贈る(2014/02/16 共同通信)という記事があった。以下がその記事。
全国の弁護士有志でつくる「明日の自由を守る若手弁護士の会」は14日のバレンタインデーに合わせ、安倍晋三首相に憲法学の権威、故 芦部信喜 (あしべ・のぶよし) 東大名誉教授の著書「憲法」とチョコレートを贈った。国会で立憲主義を否定するかのような答弁を繰り返しているとして「憲法の基本を理解して」との思いを込めた。
個人の権利や自由を保障するために、憲法で国家権力を制限するというのが立憲主義だ。
安倍首相は今月3日の衆院予算委員会で「憲法が国家権力を縛るというのは、王権が絶対権力を持っていた時代の考え方だ。今は国の形、理想を語るものだ」と答弁した。
12日には、憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認をめぐって「最高責任者は私だ。政府の答弁に対しても私が責任を持って、その上で、選挙で審判を受ける。審判を受けるのは内閣法制局長官ではない」と述べた。現行の政府の憲法解釈が、内閣法制局を中心に積み上げられてきたことを意識した発言だ。
「民主主義国家が共有する立憲主義を過去の遺物であるかのようにみる発言にショックを受けた」と同会の 黒沢 (くろさわ) いつき共同代表(33)。「選挙に勝てば自分の手で憲法の読み方をどう変えようと構わないというのも、手続きに対する理解が不十分。首相として当然持っているべき知識があるのか」と疑問を呈す。
黒沢さんらは、大学で多くの学生が憲法の教科書として使う芦部氏の著書を選んだ。安倍首相は昨年3月の国会質疑で「芦部信喜さんという憲法学者、ご存じですか」と問われ「存じ上げておりません」と答えた。
同封した手紙では「憲法の本質を十分に理解されていないのなら、法の支配の原理を基本的な価値とする他国と連携を深めることなどできない」と指摘。「基本知識が万全でなければ国政を信託できかねます」と進言した。バレンタインデーにちなんだ熱い思いは伝わるだろうか。
さて、3月14日に首相がお返しをしたというニュースはまだ流れて来ていない。
それで、私もこの「教科書」を眺めてみた(最新版を選びました)。教授は、もちろん自分の意見も述べているが意見が別れているところはちゃんと明記してある(特に9条部分)。ところが、立憲主義のところは、異論などは全く書いていないのである。そこはこのように明確に書いてある。
憲法の概念は多義的であるが、重要なものとして三つあげることができる。
(一)形式的意味 これは、憲法という名詞で呼ばれる成文の法典(憲法典)を意味する場合である。形式的意味での憲法と呼ばれる。たとえば、現代日本に
おいては、「日本国憲法」がそれにあたる。この意味の憲法は、その内容がどのようなものであるかには関わらない。
(ニ)実質的意味 これは、ある特定の内容をもった法を憲法と呼ぶ場合である。成文であると不文であるとを問わない。実質的意味での憲法と呼ばれる。この実質的意味の憲法には二つのものがある。
(1)固有の意味 国家の統治の基本を定めた法としての憲法���あり、通常「固有の意味の憲法」と呼ばれる。国家は、いかなる社会・経済構造をとる場合でも、必ず政治権力とそれを行使する機関が存在しなければならないが、この機関・権力の組織と作用および相互の関係を規律する規範が、固有の意味の憲法である。この意味の憲法はいかなる時代のいかなる国家にも存在する。
(2)立憲的意味 実質的意味の憲法の第二は、自由主義に基づいて定められた国家の基礎法である。一般に「立憲的意味の憲法」あるいは「近代的意味の憲法」と言われる。十八世紀末の近代市民革命期に主張された、専断的な権力を制限して広く国民の権利を保障するという立憲主義の思想に基づく憲法である。その趣旨は、「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていない社会は、すべて憲法を持つものではない」と規定する有名な1789年フランス人権宣言16条に示されている。この意味の憲法は、固有の意味の憲法と異なり、歴史的な概念であり、その最も重要なねらいは、政治権力の組織化というよりも権力を制限して人権を保障することにある。
以上三つの憲法の概念のうち、憲法の最も優れた特徴は、その立憲的意味にあると考えるべきである。したがって、憲法学の対象とする憲法は、近代に至って一定の政治的理念に基づいて制定された憲法であり、国家権力を制定して国民の権利・自由を守ることを目的とする憲法である。(5p)
それ以降は立憲の根拠を縷々と述べているが、長くなるので此処で切る。安倍さんは、日本国憲法を古いと言ったらしいが、いったい何処に新しい憲法があるのか。
自民党憲法草案の如くは、此処で言うせいぜい「固有の意味の憲法」になるだろう。今までの歴史を無視して、超然と未来を夢想したのだろう。しかし、頭に制限があるので、結局昔のナチズムを真似るせざるをえなかったのだろう。
自民党憲法草案は、70年前に時計を巻き戻そうとする計画草案である。もちろん、昔に帰るのがいつも必ず悪いとは限らない。儒教は常に古の聖の政治に帰れと教える。問題は復古主義ではなく、復古主義のみでしかないということを作った本人が気がついていないことにある。昔が見えていないので、50年先の未来が見えない。見えているのは、ほんのつい目の前、自分が生きている間の利益だけだろう。
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“総司令部からの強要的要素はあったとしても、憲法自律性の原則は、法的には、損なわれていなかったと解するのが妥当”(p27)
“比較衡量論は、……とくに国家権力と国民との利益の衡量が行われる憲法の分野においては、概して、国家権力の利益が優先する可能性が強い、という点に根本的な問題がある”(p102)
“間接適用説は、人権を民法90条などに読み込んで解釈すると考えるが、そこに読み込まれるのは「憲法上の人権」ではなくて、超実定法的な人権なのである”(p112)
“ただちに実定法上の権利としての抵抗権を導き出すことは、きわめて困難であるが、憲法は自然権を実定化したと解されるので、……圧政に対する抵抗の権利の理念を読み取ることは、十分に可能である”(p365)
“実定法上の規定がなくても、国家緊急権は国家の自然権として是認される、とする説は……これをとることはできない”(p365)
自然法思想に立脚した、リベラルな学説。
政教分離の目的・効果基準(p157)、相対的わいせつ概念(p184)、精神的自由規制立法における明確性の基準(p197)、LRAの基準(p202)、消極/積極目的規制(p226)、条約法に関するウィーン条約(p304)、ブランダイス・ルール(p370)など、重要な憲法理論の概念を学ぶことができた。
改憲論議の喧しい今、特に「第二章 三 日本国憲法成立の法理」「第一八章 憲法の保障」は必読!
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日本憲法学の大家、芦部均先生による基本書。
大学で憲法を学ぶ者は必読。もう亡くなられているが、弟子の高橋和之先生
ただし、非常に少ないページ数にまとめているため、どうしても重要な事項に限り、簡略に書かれている。より詳細な学説を知るためには高橋和之、高見勝利、中村睦夫、野中俊彦の四人による有斐閣から出ている『憲法』を併用するといい。
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若干古い議論もあるけれども、現代憲法学の礎となる本なのでいまだその価値は失われていない。新版が出ているが、新版と旧版の違いは高橋和之氏の補訂の箇所であるので芦部氏の書いた部分自体は変わらない。なので、芦部学説に触れたいというだけならばこの版でもかまわない。
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いわずと知れた憲法のテキスト。社会人になって改めて読んでみました。憲法って、人権を守るために国家機関の権力を制限するためのものという位置づけなのですね(現行憲法でもこうした位置づけとは少し違った条文もあるように思いますが=国民の義務など)。
また公務員として働く上で、いつか、国民の権力義務に関わることになる仕事をするかもしれないと思うと、やはり憲法はちゃんと勉強しておかなければと思う次第なのです。その点、本書は、憲法の論点が効率よくまとめられているから良いのです。