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岐路に立つ中国 超大国を待つ7つの壁

岐路に立つ中国 超大国を待つ7つの壁 みんなのレビュー

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評価内訳

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紙の本

著者の中国に対する情熱と愛情は了とする。しかし、あまり僻むものではない。お里が知れる。

2011/03/30 11:04

8人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

経済産業省の元北西アジア課長で、その後、中国を主たる対象としたビジネスマンに転じた津上俊哉氏による中国分析である。巻末に種明かしがされているが、この本の原稿のベースは著者が不定期に書き連ねているブログなんだそうだ。そのブログが毎回五千字を越える「牛の涎」式の長文で、これがあったからこそ、本書は2010年11月に「書こう」と決めてから、わずか2カ月たらずで脱稿に漕ぎ着けられたんだそうだ。

津上氏は、今後中国が直面する課題を「七つの壁」と整理。経済においては恒常的に割安なままに放置されている人民元問題の出口は見つかるか(第一の壁)、都市と農村の極端な格差問題を指す「二元社会」を解消できるか(第二の壁)、「国退民進」から「国進民退」への逆行(中国の民間企業のプレゼンスがどんどん落ち、特権を持つ国営企業が市場を飲み込みつつある現状を指す)は止められるか(第三の壁)、一人っ子政策の効果で急速に進む中国社会の高齢化問題(「未富先老」と中国は呼ぶ。「日本人は豊かになってから高齢化したが、中国は豊かになる前に高齢化する」)を解決できるか(第六の壁)。政治方面については、政治体制の変革(中国共産党一党独裁体制)は進められるか(第四の壁)、歴史トラウマ(「中国は日本や欧米に侵略された被害者だ」意識)と漢奸タブー(第五の壁)、世界に受け入れられる理念を中国は発信することが出来るか(第七の壁)である。津上氏は、これらの課題にどれほど上手く対応できるかに中国の今後は掛かっており、その意味で、正に中国は岐路に立たされていると、まあ、こういうわけである。ちなみに第一の壁から第七の壁までの七つの壁は「難易度順」に並んでいるそうだ。

さすがに「中国一筋」の専門家だけあって、面白い見方や発見が多い。特に中国の財政、とりわけ地方財政に占める「地上げ利益」の比重の高さに関する指摘は「なるほど!」という感じだ。中国という国は、要するに「地上げや国家」「土建屋国家」なのである。国土は国家の専有物となっているので、その上に住宅を建てたときに生じる地上げ利益は民間ではなく、丸々政府に帰属する。そういう構造になっているのである。これがどういう結果を将来にもたらすかは、不動産バブルの大先輩である日本人なら誰でも知っていることである。不動産バブルは必ず崩壊する。それはアメリカでも崩壊したし、イギリスでも崩壊した。スペインでも崩壊したし、ポルトガル、アイルランド、アイスランドでも崩壊した。人民元のじり高基調、人件費の高騰で輸出依存型の中国経済は、その足元が浸食されている。地上げや国家が行き詰れば(必ず行き詰る)、いまだ顕在化していない膨大な不良債権が発生し、中国の金融システムは動揺することだろう。

残念でならないのは本書の後半に「アジア専任担当者」「中国専任担当者」にありがちな「北米担当者に対するひがみ・そねみ」がてんこ盛り状態で表明されていることだ。長く米国駐在大使を務めた加藤良三さんは「日本の反米感情のかなりの部分が『反・親米』にすぎない」と喝破した。日本では、昔も今も、外務省でも三菱商事でもトヨタ自動車でも三菱東京UFJ銀行でも野村証券でも、主要産業のほぼ全てで、主流派は「北米担当者」で占められている。「これからはアジアの時代だ」「これからは中国だ」などとマスコミは煽るが、日本のメインストリームは昔も今もアメリカで占められている。理由は簡単で、日本経済・日本企業は米国とのビジネスで最も多額の利益をあげているからだ。「米国を抜いて中国が日本最大の貿易相手国になった」などというが、それは見せかけの売上の話で付加価値・利益の話ではない。中国とのビジネスは基本的に「儲からない」のであり、構造上儲からないように出来ているのである。それは日本の海外直接投資残高に端的に現れていて、日本の海外直接投資残高は2009年末の時点で61兆円に上るが、そのうちの21兆円がアメリカ合衆国によって占められている。アジアは中国も韓国も東南アジアも全部ひっくるめて16兆円で、中国はわずか5兆円に過ぎない。要するに日本企業はアメリカ合衆国以外、あまり信用していないということだ。これがアジア専任担当者、中国専任担当者にとっては「いまいましい」「悔しい」思いにつながり、やがて肩で風を切る米国担当者、親米派、米国大学院留学組への妬み嫉みへとつながって行く。加藤大使は言う。「反米、離米を唱える向きの多くは、実は日本国内の『親米・知米』への恨み、つらみを述べているにすぎない。反米・離米を説く際、極端な意見の持ち主ではない本筋の米国人との対話と言う(米国を分析する際において)必須のプロセスを踏んでいない人が如何に多いことか。一言でいえば、これは反米と言うより、むしろ「反親米」が複雑に絡まったコンプレックスの症状である」と。

津上氏は、まるで念仏のように「リーマンショックで米国の繁栄がピークアウトし、米国凋落が明らかになった今」と繰り返し繰り返し述べているが、そんなこと、誰が決めたのであろう。リーマンショックのひとつやふたつ。地球の父にして母でもあるアメリカ合衆国さまにとっては屁でもないと私は見ている。米国の強さの源泉は世界中から最優秀な人材(吹きこぼれ)と最下等の人材(落ちこぼれ)を掃除機のように吸い取っては「アメリカンドリーム」の坩堝で煮立ててアメリカ人として同化するパワーにあると私は考えているが、それはブラックマンデーやリーマンショックでも全く微動だにしていない。

あと頂けないのは、著者の津上氏は、どうやら反欧米・反白人の妄想の持ち主であるということだ。「日本は過去1世紀以上にわたって、非白人世界のトップランナーであり続けた。日露戦争に始まり、第一次世界大戦後は五大国の一角に連なり、非白人も「やればできる」ことを世界に示して人種差別に苦しむ多くの国に希望を与えた。戦争でいったん亡国の淵に立ったが、見事復活して、いっとき「ジャパンアズナンバーワン」と称えられた時代もあった。その日本が東洋古来の思想体系を世界に提示することができないまま、中国に非白人世界のトップランナーの座を明け渡そうとしていることは残念何限りであるが、同時に、かくなるうえは新アジア代表としての中国に期待してみたい気もする」と著者は繰り返し述べる。「八紘一宇」なる日本「古来」の概念を世界に宣揚した結果がどうなるか、知らないわけではあるまい。日本が為した偉業は「非白人でもやれば出来る」「白人のみが文明の担い手では無い」ということを事実として世界に提示し納得させたことで、それで十分だと私は考える。これが増長して「東洋古来の思想体系を世界に提示」などという妄想に踏み出すとろくなことにはならない。つい最近まで非林非孔などと喚いていたシナが、今世界に「孔子学院」なるものを建設している光景を見るにつけ、私は背筋に冷たいものを感じるのである。

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2013/02/24 15:45

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