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戯曲ではなく劇的なるもの。
罪と欲望が描き出すシナリオを牢獄や処刑場を劇場として演じる。
甘美なる物とおぞましいものとが混在し読者は一観客となる。
解説は作者についてのみ、新書サイズで薄く読みやすい。
中表紙の絵?が象徴的だが、どう解釈すべき?
(左に太陽のようなアイコンでクライスト、線で繋がって
下にリラダン、また線で星のようなフーフへ)
他の文庫も読めば分かるだろうか。
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ストーリー展開のはやい短編小説が好きなので借りてみたがそんなにおもしろくなかった 原作に忠実なのかそうでないのかわからないが訳にクセがあって読みづらい
クライスト『拾い子』
リラダン『断頭台の秘密』
フーフ『歌手』
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「拾い子」
他人は他人ということか。
まあ、親子であっても、確執は多いだろうけれど。
浅はかな復讐が失敗に終わってからの展開は、まさに激流の勢いで描かれている。
詳しい描写がないのに、登場人物たちの激情を思わせるから、おもしろい表現の仕方だと思った。
確かに、「劇」にしたら面白そうな話だ。
「断頭台の秘密」
文体は硬いけれど、けっこうしょうもないやりとりだ、と思った。
科学の進歩の陰には、こういった好奇心や実験が数限りなくあったのだ。
全部関西弁にして書き直したら、滑稽な感じに仕上がるだろうな。
「歌手」
粗野で野蛮だが、素晴らしい歌声の男。
天使の声を持った堕天使。
天使ケルビムを救うこと能わず、悪魔の誘惑に魅せられた結果は、まあ、当然のことでしょうね。
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刑死という極限状態を扱った三篇。『断頭台の秘密』は事実に取材したものと思われるが、なかなかに壮絶な状況ではある。74/100