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名画の謎 中野京子と読み解く ギリシャ神話篇 みんなのレビュー

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みんなのレビュー46件

みんなの評価4.2

評価内訳

46 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

『イカロスの失墜』に力強い意味を読みとる著者がねたましい

2011/05/06 06:54

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る


 『怖い絵』シリーズで多くの読者を魅了した著者が、ギリシャ神話の物語をモチーフにした作品群を相も変らぬ達意の文章で切り取って見せた一冊。
 ゼウス、ヴィーナス、アポロンをはじめとして様々な神を描いた美術作品が私たちに指し示すのは、大いに破廉恥で甚だしく放埓な神たちの行いの数々。人間以上に人間くさいとしか言いようのないその姿は、かくも突き抜けていると、微苦笑を誘わざるをえません。
 そうした絵画のひとつひとつを著者は愛情込めて解説していきます。

 著者の筆で最もうならされたのは、伝ブリューゲル作と言われる『イカロス失墜のある風景』に触れたくだりです。
 私は今から26年前の21歳の時、どうしてもこの絵を見たくて列車を乗り継ぎブリュッセルまで足を運んだことがあります。以来、この絵画は最も思い入れのある作品です。
 通常イカロス物語は父親ダイダロスの忠告を守らず太陽に接近しすぎて命を落とした息子の無謀と無能を戒める話として解釈されることが多いでしょう。
 しかし、そうした教訓めいた点をおさえつつも著者はこう筆を進めるのです。

 「そもそも限度を超えた探究心というものは、知的精神に内包されたものであり、進歩に必要なものだ。(中略)かつて誰も為し得なかったことへ挑戦する者は、死の危険を引き受けざるをえない。
 そうだ、死んだっていいのだ。
 死を恐れていては何もできない。父にせよ誰にせよ、これまでの世代の人間の、ただのひとりとして見たことのなかったもの、見ようとしなかったものを、イカロスは見た。手に入れるには至らなかったが、しかし見た!それはすばらしいことではないか。命と引き換えにして悔いないものではなかったか。彼の次に続く者は、今度は手に入れられるかもしれない。」(169頁)

 なんとも力強いイカロス賛歌。私が最も愛する絵画にこのように肯定的な意味を読みとった著者のことが、羨ましくも妬ましく感じた瞬間でした。

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紙の本

『名画の謎 ギリシャ神話篇 中野京子と読み解く』っていうタイトルって変でしょ。やはり『中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇』か、『名画で読み解くギリシア神話』じゃないでしょうか、実際・・・

2012/01/05 21:51

5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

高校生になるまで、読書といえばほとんどマンガだった私の、数少ない読んだ物語がギリシア・ローマ神話です。文京区立小日向小学校の図書館で借りたはずですが、今でも覚えているくらいに楽しみました。それが忘れられないものですから、高校生になった時、真っ先に飛びついたのが、新潮文庫の呉茂一『ギリシア神話 上下』でした。これが、本当に面白くなかった、というか読み通すことができませんでした。今考えれば、小学生の時に読んだのはあくまでお話を集めたもの。呉の本については再読をしていないので、正しいかどうかわかりませんが、ギリシア神話の登場人物たちを系図的に解き明かしたものだった記憶があります。つまり、ここには楽しいお話が載っていない。ギリシア神話を読み解くつもりの人には有難い本なのでしょうが、お話そのものを楽しみたい私のような読者向けのものではなかったのです。

そのあとも、子供のころ味わった楽しさに再会したくて、阿刀田高『ギリシア神話を知っていますか』なども読んだりしましたが、どこか違う。いや、私が望んでいるのに一番近いのは多分、阿刀田の本なのでしょうが、記憶の中の神話の面白さは既に現実のものではないレベルにまで大きくなっています。結局、私はシュリーマンの発掘もののようなスリリングなものに走ってしまい、神話世界に戻ることはありませんでした。そう、この中野の本に出会うまでは。もし、著者が『怖い絵』や『名画で読み解く』シリーズを著した中野でなかったら、いかにジャン・レオン・ジェロームの《ピグマリオンとガラテア》というカバー画が衝撃的なものであっても、この本を手にすることはなかったでしょう。現時点で、中野ほど上手に絵画からその時代や人物たちを浮かび上がらせてくれる人はいないのだから。

そして、このカバー。私は全く知りませんでしたが、メトロポリタン美術館蔵のこのジャン・レオン・ジェローム《ピグマリオンとガラテア》(1881)て、それなりに有名なんだそうです。でも、これをカバーに持ってきたのは装丁の関口聖司の見識でしょう。ただ、私としては少しタイトル文字が大きいかなと。でも、この絵を見ていると1世紀以上の時の隔たりを感じません。これは私だけなのかもしれませんが、この絵を見ていると、最近の映画、特に韓国映画で多用される人物の周りをカメラがグルッと回る、あれを思い出すのです。専門的には【360°ドリー】、スピン・アラウンドとも呼ばれるカメラワークです。ちなみにドリーとはカメラがシーンに対して水平に移動するカメラワークのこと。どうでしょう、そんな気、しません?

閑話休題。目次紹介をしますが、章の中の私が気に入った作品について、簡単なコメントをつけました。ちなみに、中野の説明文は甲乙つけがたい素晴らしいものです。

      神々の系譜
      はじめに

Chapter 1 ゼウスをめぐる物語
官能のダナエ★レンブラント『ダナエ』(1636年、油彩、185×203cm、エルミタージュ美術館蔵 ロシア):いや、上手さでいったらこの本のベスト?
            ★クリムト『ダナエ』(1907年頃、油彩、77×83cm、ヴュルトル画廊蔵 オーストリア):画廊が持っているというのが凄い
      「英雄」誕生★ティントレット『天の川の起源』(1575年頃、油彩、149×168cm、ロンドン・ナショナルギャラリー蔵 イギリス):ティツィアーノ『バッカスとアリアドネ』の空の色と似ている・・・
 
Chapter 2 ヴィーナスをめぐる物語
      男のピグマリオン幻想★ジェローム『ピグマリオンとガラテア』(1890年、油彩、88.9×68.6cm、メトロポリタン美術館蔵 アメリカ):いや、参った・・・
      合体欲求★スプランゲル『ヘルマプロディトスとサルマキス』(1582年頃、油彩、110×81cm、ウィーン美術史美術館蔵 オーストリア):確かに女性のポーズは不自然だけど・・・
      春がいっぱい★ボッティチェリ『春(プリマヴェーラ)』(1482年頃、テンペラ、203×314cm、ウフィツィ美術館蔵 イタリア):文句言えない・・・

Chapter 3 アポロンをめぐる物語
      恋人を死なせて★ブロック『ヒュアキントスの死』(1801年、油彩、175×120cm、サントクロワ美術館蔵 フランス):今のBL本の表紙にいかが・・・
             ★ティエポロ『ヒュアキントスの死』(1753年頃、油彩、287×232cm、ティッセン・ボルネミッサ美術館蔵 スペイン):私はこの男らしさに軍配・・・
      親の心、子知らず★ルーベンス『パエトンの墜落』(1605年頃、油彩、98×131cm、ワシントン・ナショナルギャラリー蔵 アメリカ):この迫力!
              ★伝ブリューゲル『イカロス墜落のある風景』(1567年、油彩、73.5×112cm、ベルギー王立美術館蔵 ベルギー):このユーモア!
      冥界からの帰り道★コロー『冥界からエウリディケを連れ出すオルフェウス』(1861年頃、油彩、112×137cm、ヒューストン美術館蔵 アメリカ):冥界の静けさが・・・
                 
Chapter 4 神々をめぐる物語
      母の執念★レイトン『ペルセポネの帰還』(1891年、油彩、203×152cm、リーズ美術館蔵 イギリス):解説を読めば思わず画面を見直したくなって・・・
      勝ち目のない闘い★ベラスケス『織り女たち』(1657年頃、油彩、220×289cm、プラド美術館蔵 スペイン):思わず舞台の絵を原画と比較して・・・
      乙女の怒り★ブーシェ『水浴のディアナ』(1742年、油彩、57×73cm、ルーヴル美術館蔵 フランス):最初はデブ、って思ったんですけど・・・
      我に溺れて花となる★カラヴァッジョ『ナルシス』(1597~99年頃、油彩、116×98cm、バルベリーニ宮国立古典絵画館蔵 イタリア):確かに上手い・・・
      電撃的!★ティツィアーノ『バッカスとアリアドネ』(1520年頃、油彩、175×190cm、ロンドン・ナショナルギャラリー蔵 イギリス):この青色はなんだろ・・・

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紙の本

ジコチューな神々 トホホな人間

2011/03/28 14:00

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る

『怖い絵』シリーズで名を広めた著者が、ギリシア神話に材をとった絵画を紹介しながら、それぞれの神々について物語る。

1 ゼウスをめぐる物語
2 ヴィーナスをめぐる物
3 アポロンをめぐる物語
4 神々をめぐる物語
と大きく4章に分かれている。奔放な神々に対して、人間はひたすらひどい目にあわされる立場なのが悲しい。


キリスト教の厳しい戒律の中で、神々を描くのならエロティックOKだということで、官能美に溢れた女性が美しく描かれている。実際に見てきたが、レンブラントの『ダナエ』は、彼にしては本当に珍しく、表情豊かな女性像が描かれている。

雑誌掲載時には絵画はモノクロだったが、書籍では全てカラーになっており、説明文を読むだけでは分からなかった微妙な色遣いが鮮明になっている。更に主要絵画24点には、引き出し線が追加されているので、神々のアトリビュートについてなどの説明が分かりやすい。同じ神を題材にした絵を比較したり、同じ素材を複数の画家によって比較する楽しみもある。

ギリシア神話は昔の岩波少年文庫で読んだきり、という人も、絵を通じて再び知り合ってみては?

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神々も人。

2020/10/23 14:42

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ギリシア神話は多神教ゆえに個性的で、我が儘、そして神様だから残酷。
神々に挑戦したり、親しく親しくしたりした人間はことごとく災難に見舞われる。アドニス、アラクネ、ヒアンキストン、数々の名画に描かれた死せる、或いは死を間近にした姿。
詳しく、茶々を入れつつ、解説。

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2011/03/25 16:46

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2011/04/01 23:10

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2011/05/05 21:29

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2011/05/18 18:53

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2011/06/05 20:21

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2011/07/02 16:30

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2011/10/01 14:45

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