紙の本
図版も多く説明も具体的で、想像が広がる。英国メイドのリアルな日常。
2011/12/09 10:15
11人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アヴォカド - この投稿者のレビュー一覧を見る
イギリスの小説やお話やコミックの中でしか知らない「メイド」。
その姿はなんとなくイメージするけれど、実際はどうだったのだろう。
メイドにならざるを得ない境遇、その準備に始まって、1日のタイムスケジュールや、仕事の分担、服装、お給料、生活、恋愛や結婚などが具体的に記されている。
資料を集めるのも読み込むのも大変だったろうと思うけれど、そこに現れる彼女たちのなんとリアルなこと。
図版が多く、そのキャプションも細部に渡っているので、読んでいると想像が広がる。
「モスリン」って「タフタ」って、そういうものだったのか。
雇用主階級と使用人との身分違いの恋も、時にはあったのだと知って、少しときめく。
また、故郷の貧しい暮らしでは触れることの出来なかった裕福な暮しや文化に触れたり、つらい労働の合間に隙を見つけ出してたまには語らったり夜遊びをしたり、楽しみもあったのだ、と知ると少しほっとする。
とはいえ、後に役所で働くようになった女性が、かつて自分が働いていたのと同じような建物で働き、もうメイドではないので正面玄関や応接間を出入りして地下の書類庫に行く時、「かつて、この暗い地下牢で、(略)私や私に似た誰かが、文字どおり汗水流して働いたのだ。『おのれの身の程』を受け入れながらー」「そう、幽霊はここにいたー私はそのひとりだったのだ」と感じるのを読むと、きらびやかな生活に紛れてはいてもやはり「幽霊」には違いなかったことは、しっかり受け止めておかなくては、と思う。
現代ニッポンのメイドカフェのメイドと、ここに登場するメイドとの間には、どうやら大きな溝があるようだ。
紙の本
メイドとはなんぞや
2017/03/05 14:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
メイドさんたちも役割によって名称がそれぞれ違うとか 今まで知らなかった事がわかり易く書いてあります。ここ迄職種を細分化して使用人を雇っていたら人件費が凄い事になっていたでしょうに。それをなんとかできる富があったという事か。
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アニメ版『エマ』で時代考証をつとめた村上リコさんによる、英国メイド図説。
扱う時代背景は現在より百年前から近代までと幅広く、ボリュームたっぷり。
当時の写真やポストカードの他に、メイド自身が残した日記や自伝など、限りなく生の声に近い資料が多く、この時代が好きな人にはたまらない一冊であることだろう。
メイドである前に「普通の女の子」であるメイドたちの、ファッションや恋愛へのこだわりも垣間見えるのが楽しい。
雇い主である奥様に手厳しく言い返す従順とはいえないメイドもいたようで、各屋敷ごとに労働環境や関係性も違うところも興味深い。
個人的には、メイドだけでなく家庭教師(ガヴァネス)のことにも言及されていたのが嬉しかった。
英国メイドの奥深さが堪能できる一冊。
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メイドと言っても実態は様々。当事者たちの自伝や当時の風刺漫画などから、その生活や人生を紐解いていく。メイド服、と言っても様々であることに驚き。
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ふらっと入った本屋で目についたので、ジャケ買い。
まだまだ男女格差が大きかった19c英国において「普通の女の子がつける仕事」であった「ハウスメイド」について、豊富な写真と資料をもとにして解説をつけた本。一言でいうと「あたり」の一冊だった。「エマ」や、この時代の風俗・習慣に興味があるのだったら、買っておいてソンはない。
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19世紀〜20世紀初頭のリアルな女性使用人の仕事内容、置かれた境遇を解説している本。メイドも普通の女の子たちだったんだなと身近に感じます。
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まんが「エマ」のガイドブックを書かれた方の本。
相変わらず、メイドへの愛があふれているというか。
こういう研究をしてみたいなー。
メイドの就職、恋愛など、よくも調べたと思う労作。
また書いてほしい。
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メイドと貴族の恋愛を描いたマンガ『エマ』(森薫 著)の副読本で、作者と共にメイド文化について熱く語ってみえた村上リコさんが書いた、英国メイド大好き本。
内容は浮ついた物ばかりじゃなくて、当時の女性の置かれていた立場、生活、日常や社会問題なども知ることができて、英国文化の一端を知ることができます。
庶民にはメイドのいる生活なんて想像もできませんが、疲れて居眠りしているメイドの絵とかは面白かった♪
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イギリスの小説やお話やコミックの中でしか知らない「メイド」。その姿はなんとなくイメージするけれど、実際はどうだったのだろう。
メイドにならざるを得ない境遇、その準備に始まって、1日のタイムスケジュールや、仕事の分担、服装、お給料、生活、恋愛や結婚などが具体的に記されている。
資料を集めるのも読み込むのも大変だったろうと思うけれど、そこに現れる彼女たちのなんとリアルなこと。
図版が多く、そのキャプションも細部に渡っているので、読んでいると想像が広がる。
ずっと謎だった「モスリン」も「タフタ」も、解き明かされていた。
雇用主階級と使用人との身分違いの恋も、時にはあったのだと知って、少しときめく。
また、故郷の貧しい暮らしでは触れることの出来なかった裕福な暮しや文化に触れたり、つらい労働の合間に隙を見つけ出してたまには語らったり夜遊びをしたり、楽しみもあったのだ、と知ると少しほっとする。
とはいえ、後に役所で働くようになった女性が、かつて自分が働いていたのと同じような建物で働き、もうメイドではないので正面玄関や応接間を出入りして、地下の書類庫に行く時、「かつて、この暗い地下牢で、(略)私や私に似た誰かが、文字どおり汗水流して働いたのだ。『おのれの身の程』を受け入れながらー」「そう、幽霊はここにいたー私はそのひとりだったのだ」と感じるのを読むと、きらびやかな生活に紛れてはいてもやはり「幽霊」には違いなかったことは、しっかり受け止めておかなくては、と思う。
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丁度英国メイドさんについて知りたかった時に
なんと図書館の新書コーナーに!
運命的な出会い…
すごく詳しくメイドさんについて載ってて
やっぱりふくろうの本流石ほれるってなった
メイドさん苛められるだけじゃなかったのね…;;
洋服かわいい!メイドさん大好き!
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資料的な本かと思いきや、おもしろくて通読してしまった。衣食住に日々の仕事、遊びに恋愛事情まで、各項目を単なる説明にとどめずに、具体的なエピソードを固有名詞付きで盛り込んでいるので、当時のメイドさんたちの姿が実に生き生きと立ち上がってくる。
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「図説」と銘打ってあるだけあって図版がいっぱい。ちゃんと説明がつけられていて、それを見てるだけでもおもしろい。
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今まで映画や本などで何気なく思っていたメイドさんの存在。この本を読んで、日常・しきたり・服・背景などを知ることができた。写真や図、表など興味深い資料もたくさんあり、とても読みやすいわかりやすい本☆今後本などを読むときに、この知識があるとより内容を楽しめそう。
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「台所でうさぎの下ごしらえするメイドが、きれいに穴を開けずに剥いだ皮は自分のものにできた」等々、臨場感のあるメイドライフのトリビアが面白かった。うさぎの皮を売ると結構な収入になったそう。
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情報量がすごい。一口にメイドと言っても時代や雇用主によって色々な生き方をしてたんだなと思いました。
中を読むと、ものすごく泥臭くて肉体労働で拘束時間もひどくて理不尽で大変な仕事だったことばかり伝わってくるのに、表紙だけは優雅なのがなんだか面白い。