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レーニンらによるロシア革命を経ての建国から1991年の崩壊まで、ソ連の歴史を記述。図説とあるがほとんどが関連する写真の掲載であまり解説らしい解説が見当たらなく、教科書のような個々の事実の羅列が淡々と続く内容で、歴史の大きな流れを感じることが難しかった。
核開発を競っていた当時、1947年までソ連国内ではウランが発見されなかったため、ソ連はウランの探索を占領していた東欧に広げた。1945年12月のモスクワ英米ソ外相会議で、「米国の日本本土支配とソ連の南東欧支配が取引された」ようだ。
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ロシア革命からソビエト連邦が崩壊するまでのまさにソ連の歴史。
写真が多くて読みやすいが、全体の流れをサラっと流している感じで、ある程度の知識がないと理解しづらいかもしれない。
おそらくは初心者向けに書かれた本なのだと思うけど、初心者にはわかりにくいという、なんとも中途半端な感じでありました。
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図説とあるように、絵や写真や図が非常に多いソ連史。書き方は事実を羅列するスタイルなので、ドラマ性はないので感動もないが、教科書的に事実はよく把握できた。
ロシアからソビエトに変わる時期に、共産党のみの状況を作りだした理論的な指導者レーニン。その後、ライバルを蹴落として独裁と呼ばれる権力を手にしたグルジアのスターリン。スターリンを中心とした大祖国戦争(第二次世界大戦)についてが前半の4章。
その後スターリン批判をしてキューバー危機の後に失脚したフルシチョフ。そのあとの保守派のブレジネフ、アンドロポフ、チェルネンコ。そして、解体のきっかけとなったゴルバチョフまでが後半の3章。
初心者向けとはいえ、全体を概観するには十分にまとめていると思う。ソ連を言葉だけではなく、イメージも含めて振り返るには良い本ではないだろうか。
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法政大学法学部国際政治学科教授(ソ連史)の下斗米伸夫(1948-)による、ソ連史の通史。
第1章 ロシア革命とソビエト国家 1917-21
第2章 共産党の支配 1922-28
第3章 スターリン体制の展開 1929-38
第4章 「大祖国戦争」から冷戦へ 1939-52
第5章 保守と改革の時代 1953-64
第6章 停滞する超大国 1964-84
第7章 ペレストロイカとソ連崩壊 1985-91
2011年はソ連崩壊20年ということもあり、ソ連の通史がぼちぼち出版されていた。
日本屈指のソ連史研究者による通史であり、図説豊富である。
全体はよく整理されており、特にスターリン体制が確立・展開される様子は重点的に語られている。
同年に出版された松戸『ソ連史』(ちくま新書)がところどころに内政(特に農業)の政策転換を拾っていたのに対して、本書は具体的な政策内容に踏み込んだ記述はほとんどなく、どちらかと言えば書記長を中心とした党中枢の権力基盤に紙数を割いている。(こちらの方が読みやすいと感じる読者の方が多いのではないだろうか)
本当の初心者向けとしては、やや人物関係に重きを置きすぎている気がするが、ソ連史の通史が少ない中で手軽に手に取れる一冊であろう。