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投稿者:あおたいがー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり。
とにかく精神が健やかである時以外には読めない作品です。
話にひきこまれて、自らの精神にまで毒を盛られるようだから…
善とか悪とか良心とか、よくわからなくなる。
倫理に基づけば、勿論いくら医学的な研究に多大な貢献をすることになろうとも、実験として人を殺めるのはいけないことで、それに立ち会ったならば苦しみを背負っていきることになるだろう。
でも世の中にはその苦しみを覚えない人間がいるのも事実で、だからといってそれが絶対悪だとは言いきれないのが恐ろしい。
紙の本
何度読んでも・・・
2020/01/04 16:35
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投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本はすでに4回くらい読んでいるのですが、どうしても理解ができなくて・・・。
次に読むときには理解できるのかしらと毎回期待しながら読むのです。
紙の本
海と毒薬
2023/05/07 18:11
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投稿者:たまご - この投稿者のレビュー一覧を見る
『海と毒薬』は、遠藤周作が描き出す人間の内面や孤独、生きる意味について深く考えさせられる作品である。物語の主人公たちは、南国の島で出会った人々との交流を通じて自分自身と向き合い、成長していく。特に、志賀直哉という主人公の物語は、深い感動を呼び起こす。南国の美しい自然が作品の雰囲気を盛り上げ、読む者の心を癒やしてくれる。現代文明と自然との対比も興味深く、物語を通して人間のあり方について考えさせられる。遠藤周作の描写力は素晴らしく、読む者は物語に引き込まれ、主人公たちの心情を共感することができる。『海と毒薬』は、誰とも被らない素晴らしい作品であり、読む人々に新たな気づきや感動を与えてくれることだろう。
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善悪の問題において極限的な状況下であって、最も道徳的な態度を求められる医師が自分の中の善悪に曖昧な態度を取り続ける姿を描いた作品。神のいない日本人の恐ろしさが書かれている。一読してそのメッセージを明確に受け取れていない自分もまた日本人なんだと気づかされて言いようのない嫌悪感に包まれた。
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太平洋戦争末期、九州帝大医学部で起きた実話
を元にしたあまりにも有名な作品なのですが、
この機会に、今読んで良かったと思いました。
医学的な実験というお題目の元に、軍人でなく、
医者が捕虜を殺す、生体解剖と呼ばれる行為。
解説によれば、時代を経ることで、この行為を
絶対悪とする意識が薄れてきているといいます。
これまで幾度も頭に浮かんではうやむやのまま
消えていくということを繰り返していた疑念を
はっきりと突きつけられたように感じました。
今、どうしようもなく、気分が悪くなるわけを。
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自分的夏の課題図書2011二冊目。
ちょっと、重すぎて気分悪い。
解説読んでやっと、あーなるほどな、と納得。
ただし今もなお、廃れずに読み続けられている理由はとてもよくわかるような気がします。
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生きたままの人間を解剖する、しかも実際にあった話ということで、映画SAWのようなグロテスクなものをイメージして読みはじめた。しかし、実際は物語は眈々と進み、それが逆に作りものではないリアルな死を感じさせた。また、夏川草介さんの解説が実に秀逸。『キリスト教のような絶対的神を持たない日本人は、良心の価値基準が曖昧』という内容で、大いに納得すると共に衝撃だった。
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心をえぐられたような読後感。日本人の良心は何に基づくのか、社会や他人からの非難が無ければ罪悪感は無くなってしまうのか、、、
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思っていたよりも読みやすい文体、重い内容。
名作と言われる所以がある。医療的な表現は素人にはわからないけれども書き込まれていると思う。
気づきたくなかった自分のエゴイズムをつきつけられた。戸田の「だが醜悪だと思うことと苦しむこととは別の問題だ。」など。
普段、蛇足と思っている解説だが本作の夏川草介さんの良心の喪失についての解説は考えらされた。図星だったからだ。
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良心ってなんなのさ、というテーマで手にとった1冊
学生時代に授業で映画を見た記憶があって、あらすじは覚えていたんだけど、
映画のほうがもっと衝撃的だった気が。
こちらは淡々と進みます。
個人的には戸田の自問自戒にとても共感。
結論には同意できませんが。
問うことを忘れないようにしたい。
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史実をもとにしているし内容は重かったが、問いかけは心にぐさりとくるものがある。我々日本人は時として周囲に流されがちだがそれは明確な善悪の区順がないからだと思った。そのことをわかりやすく「神を持つ外国人」と「神を持たない日本人」の対比によってあらわしているあたりはさすがだと思う。夏草草介の解説もよかった。
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「神を持たない日本人の良心」
これがこの本の一つのテーマにあることは間違いない。
神を持つ外国人とは違い、神を持たない日本人は「自分の内なる良心」の下で行動する。
それゆえ、自己の内面において良心との葛藤が繰り広げられる。
醜悪だと思うことしても、それに苦しまない自分には良心がないと自分を攻める人間は果たして良心が無いといえるのか。
神を持たない日本人、いわば、善悪の判断基準を個々の内部に抱える日本人の心模様が見事に描かれている作品だと思う。
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気持ちよく読める作品ではないかもしれないけど
人間臭い汚い部分にも共感しながら読める作品。
文学的に掘り下げて考察するのも面白そう。
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太平洋戦争末期、九州の病院で米軍捕虜に対し行われた生体実験。
後に関わった人物が裁かれるが、当時・過去を振り返ることで「罪の受け止め方」を問う。
人間としての良心の呵責、社会的な罰への嫌悪、私はどちらが強いだろうかと考えさせられた。
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主人公である医者の勝呂はある生体実験に誘われた。その実験は人間の解剖実験だった。勝呂はその誘いを断れずとうとうその実験に参加してしまった。真面目で親切な勝呂に良心 はなかったのだろうか…