紙の本
このエピソードが終わったことにまずは「やれやれ」
2011/06/08 16:39
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
もしかした作者自身が一番そう思っているかもしれないが、まずは“分裂”していた話が収束されたことに「やれやれ」と安堵したい。『驚愕』したかと言えば、そうでもあり(クライマックスにカタルシスはあった)、実はそうでもなかった(読み手の期待が過剰だったか?)ようにも思える部分は正直あるのだが、それは、小説の構成としての複雑さの割に展開自体は思いの外シンプルだったことや、あれだけ悶々と一人語りを続けていたキョンが主体的に動いているように見え、実際に重要な役割を担っていながら最終的な“後始末”は他のメンバーにお株を奪われていたようにも見えたからかもしれない。終わってみれば「あぁ、なるほどね」とか「そういうことね」といった感慨も得られるものの、登場人物も多かったせいか消化不良も否めない展開だったと思う。
ただ、作中における一年間の行動の数々を回顧しつつ、ハルヒを中心とするSOS団メンバーの大切さ、誰一人として欠けてはならないとする心情を描きながら、キョンのSOS団や団員に対する考え方が結成当初とは大きく異なるものへと変化していることが示されていた。要するに、未来人や宇宙人や超能力者であろうとも共に過ごしてきた仲間に変わりはなく、この一年間で醸成された確たる関係を失うことへの憤慨であり、その危険に対する決然とした心意気がクローズUPされていた形である。そして、その心意気を知っているからこそキョンを前面に出しつつ各メンバーが陰で動いていたようにも見えるし、同様にみんなを大事に思っているからこそのハルヒの“なんでもあり”な超設定にもなっていたと考えることもできよう。敢えて(?)何も知らされておらず、何もしていないようにも見える朝比奈さん(小)にも過去から現在に至る未来人本来の役割の正当性を与えて補完しているようでもある。
結局のところ、これだけの人物が関わりながら、とある誰かの壮大な我が儘とその対抗策だったのかい?という今回の騒動によって、出てくるだけの意義はあるものの実は大して活躍の場を見出せない人物もいるのだが、これを含めて他にも小さな布石のような伏線めいた小ネタも幾つか見られるので、次には通常の体裁による小説として改めて面白可笑しな不思議世界を綴る準備はなされていると思う。何年先になるかは作者のみぞ知るところだが、これでシリーズ完結では作中に残したモノが多過ぎるので、願わくば今後も作品を重ねてほしいとは思う。珍しく未来を見せた面白さがあったし、そこで瞬間的に見られた、「もしかしてハルヒ、デレてない?」という場面は僥倖だった。
投稿元:
レビューを見る
ハルヒシリーズ、現時点での最新刊。
分裂・驚愕(上)・(下)の3巻構成も、一段落です。
ハルヒとキョンの描写に、「最終巻?」と匂わせる感じも
ありますが、逆に次への伏線ぽいエピもあって、
これからどうなるの?な感じ。
佐々木さん、好きだったのに今回表紙にも関わらず
出番少ない気がするので★-1です(T_T)
逆に、「わたぁし」ことヤスミちゃんは裏主人公とも言えるかも。
てかしゃれにならない…ゲフンゲフン
今まで結構苦手だった朝比奈さん(小)は改めて大物と実感。
てか、SOS団は「団単位」で大物です。
さて、今後はどうなるのかな?
投稿元:
レビューを見る
古泉おまえそんなカッコ良かったか?そのセリフキョンに言わせてやれよ。
大風呂敷広げて収拾に手間取ったんだろうなぁとは思いましたが、最後のクライマックスの加速感は読んでいてとても心地よく、おめぇそれは比喩って言うよりおもしろい事言ったもん勝ちの例え話だろ!って言いたくなる様ないつものくどいキョンの言い回しは、気にならない疾走感でした。よいよい☆
ただやはり、最後のエピローグは長い。
解説要らないよねぇ?
関係ないけど、ヤスミがトップをねらえ2!のノノに見えて仕方がない!
投稿元:
レビューを見る
最終章の展開はスピード感があってとても面白かった。
ヤスミ関係は「そうくるか!!」と言う感じ。
藤原関係は少し説明不足というか回りくどかった。
古泉△(さんかっけー)!
橘さんは置いてきぼりでしたね。九曜はどこへ?
大学生ハルヒへの伏線や佐々木さんの小学時代など興味津々。
あと、国木田と鶴屋さんも何かありそうです。
うん、前編に比べて後編の方がクライマックスがあったことを考慮しても面白かったです。
投稿元:
レビューを見る
読む前に予想していた通りの展開で、全く驚愕できなかった(汗)。物語の収束の仕方も真新しいものは何一つない。従って時間を潰すための読書という以上の効用は得られなかった。これは自分の物語読解の能力の向上による副作用であると思われるが、成長とはこういう痛みを伴うものなのだろうと自己完結することにしたw。 きっと雨月物語とか、源氏物語とか、伊勢物語とか、昔の物語に興味の対象がシフトしていることも関係しているのだろう。
投稿元:
レビューを見る
ハルヒシリーズ第11弾。
そして「涼宮ハルヒの分裂」から続くエピソードの完結編になります。
二つに分かれて展開されていた並行世界がどのように収束されるのか。
そこが最大の見所だったわけですが、綺麗に収まりました。なぜそうなったのかという部分まで含めて、いつも通りにしっかりとした理論に基づいた考察・説明がされますのでご安心を。
もっとも、新たな伏線と思われるものがちりばめられたりして大団円とはいかなかったかも知れませんが…。
非日常のシリアスな展開が決着して唐突に訪れる日常がまたいいですね。SOS団みたいな仲間が欲しくなります。
ところで、ハルヒシリーズの中では順調に時間が流れているんだけど、このまま朝比奈さんが卒業を迎えるころになってしまったらどうなるのだろうか。シリーズ打ち止め?
…とりあえず、次回作を待とう。
今度は1年ぐらいのインターバルでお願いしますね、谷川さん!
投稿元:
レビューを見る
最後の展開が消失と似てるような…。
まぁでもヤスミの正体が最後まで気になっていたので、
それがなんだか明らかになって良かった。
やはり佐々木かわいい。
投稿元:
レビューを見る
C0193 終盤はいつもどおりでした。もちろんいい意味で。このエピソードで新キャラを一気に投入してきたわけですが、今後が気がかりです。ネタに困ったら、佐々木に能力が移行した設定で、1冊くらいはお願いしたいものです。びっくりしたのは、ハルヒの能力は移植可能なことでした。そして、かならずしも無意識下である必要はないようで。ヤスミって、小学生の設定ですかね。いや、ハルヒの中学生時代はリボンだった気がするので。
投稿元:
レビューを見る
8月9日読了。キョンがめいっぱいふりまわされ、いろいろ悩んだり、少しはがんばった、、、前後編だったかな?
投稿元:
レビューを見る
何年も待った待望の一冊。発売日に買ったのに、子どもから順番回ってくるのに何ヶ月もかかってようやく読了。待ち時間長過ぎて、ストーリーを忘れていたので何巻も前から読み直しました。対立構造をどうやって解決するのかと思っていたら、なるほどねえ・・・。この続編はあるのかどうか。これで完結??
投稿元:
レビューを見る
キョン大活躍ともいえる作品
こんなに精神的にハルヒ大事だったとは初期の作品からは読めない!
長門有希が不調なのがこんなに不安だったとは!
前作が消化不良だったのですが、なんとかつじつまあわせて
お疲れ様♪
投稿元:
レビューを見る
谷川流の涼宮ハルヒシリーズの第11巻。
佐々木かわいいよ佐々木。
分裂から3巻に渡り繰り広げられてきた事件の結末を語る。
いろいろと自己見解ができそうな作品であった。
表紙は佐々木。
佐々木かわいいよ佐々木。
ささきかわいいよささき。
投稿元:
レビューを見る
デウスエクスマーキナでございました。ほぼ、字の意味とおりで。
あまり、SFは読みませんが、かなりがんばって複数世界ストーリーを展開したという感触が小説からにじみ出てます。
このシリーズの究極の設定である、神的能力のハルヒが、自身の無意識の能力発揮にいかに翻弄されるか、という点で、かなり楽しみました。あ、つまり、このシリーズはデウスエクスマーキナをいかに取り繕うかがメイン設定なのか。
ただ、キョンの前巻でみせたコミットの深さからスタートする感情の行き先は、ちょっとチキンな着地点な気がしますが。そのへんは、好み次第かも。
投稿元:
レビューを見る
前作の分裂→驚愕(前)から続く、3冊め。
今までで1番の長編。
いつもあんまないんだろうなーとか思いつつ、
期待しまくっている、
ハルヒ&キョンの(恋愛的な)絡みが少なかったのがちょっと残念。
ただ、ミクル(大)は........?!
とか新たな伏線も出てきてこれからが楽しみ。
是非映画化してほしい!
投稿元:
レビューを見る
前編を読み終わった後に、分裂からの一続きの
話だったとようやく気がついて、分裂を購入読了後、
前編を再読、そして勢いで後編を読了。ここまでくるのに
半年掛かった。なかなか気が向かなかったので。
この作品の難しいところは、分裂した世界が交互に
描かれるので、読者が大変に混乱してしまうという
事だろう。
読んでいてαとβのどっちを今、読んでいるのか
分からなくなってしまう。これ、書いていても
混乱しなかったんだろうか。
分裂した世界が融合する瞬間のインパクトもちょっと
弱い気がする。予想できる展開ではあるし。
朝比奈さんに関する部分も、結局ボカしたままなので
藤原が何をあんなに頑張ってたのかが解決されず
「なぜ?」が分からんまま話が閉じてしまう。うーん。
αとβを上下二段に分けて買いて、融合するところで
一段組みに戻るとかなってくれると読みやすいんだけども、
最初に世界が分裂したって状況を読者がすぐには分からない
様にする為にはそれはダメか。ダメだね。
とりあえず正直な話、キョンの語りが、くどすぎて
読んでいるのが苦行だった。彼のモノローグはアニメで
見ている時は気にならないんだけど、文章で読んでいると
どうにも慣れない。地の文で会話するところとか。
評価の高い「消失」も読んでいるのだけど、これも
どうにも納得がいかなかった。うーん。
どうも谷川さんとは、相性が悪いのか。
とはいいつつも、続編が出る事があったら、話題性に
流されて買ってしまうのだろうと思うのだった。