紙の本
昭和20代後半を舞台にした、ふたりの探偵とひとりの弁護士が織りなす冒険譚。たぶん、ミステリではない。
2011/08/01 16:15
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の文庫化第二作。
先に読んだ『雲上都市の大冒険』に登場した
ふたりの探偵とひとりの弁護士のシリーズ第三作。
そう。
文庫化は二作目なのに、シリーズは第三作。
シリーズものには、
刊行順に読まないと支障が出るものとそうでないものがある。
本シリーズに関しては、それほど支障はない。
だけれどもっ!!!!
本書内に、シリーズ第二作で登場する「夜叉姫」なる人物が登場して
そのひととなりなどがよくわからないので若干、消化不良ぎみ。
夜叉姫の素性がわからなくても、
作品としては完結するのだけれど、
消化不良。。。
やはり刊行順に文庫化してもらわないと、
気持ちワルイあるよ。
さて。
肝心のストーリーは…。
ひとことでいうと、独特。
舞台設定は昭和28年の日本。
蒼志馬博士を名乗る人物が反米感情をあらわに、
不可思議な殺人事件を起こし始める。
そしてその一件に、弁護士の殿島が密かに想いを寄せる
隣人、綾子が巻き込まれたことから、
殿島、そしてふたりの探偵、
荒城と間野原が事件解決に向けて乗り出す。
よくよく考えれば、突っ込みどころは多い。
ピンチになるとどこからともなく協力者は現れるし、
いつも間一髪のところで助かるし…
でも、そんな細かいところはわたしにとってはどうでもよい。
だって…殿島と荒城と間野原が、
わたしは大好きなんだもの(笑)。
山口作品は色んな意味で非常に癖がある。
小説として楽しめない、
許せないというひともいるとは思う。
読む人を選ぶ作風だ。
でも、癖になっちゃうんだよなぁ。
好きです!
でもお薦めはしません!!
ちなみに本書は短編集。
シリーズ三作目だけれど、これから読み始めても大丈夫です。
『蒼志馬博士の不可思議な犯罪』収録作品
・殺人光線の謎
・灼熱最近の謎
・洗脳兵器の謎
・強化人間の謎
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2011/06/16:「雲上都市の大冒険」の続きかと思ったらその前に「豪華客船エリス号の大冒険」の話があるようなので、エリス号の話も早く文庫化して欲しいです。
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面白かったー。
殺人光線が電子レンジっていうのは常識なんかな。
怪奇大作戦でも観たような。
単行本トバして文庫になるのが最近の常なんですかね。紙不足?
作家さんやら大変やな、と思いつつ借りて読んじゃってます。スンマセン。
でも文庫やったら手を出しやすいですね!極力買おう。
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義手探偵真野原の活躍する大冒険シリーズ番外編。
殿島君の恋から物語は始まる。
隣人である綾子さんが引き取った孤児たちを残して行方をくらましてしまったのだ。
同時期に起こった不可思議な犯罪。
蒼志馬博士を名乗るものから米軍に対して脅迫状が送られてきた。
事件の起こった当日、現場では綾子の姿が目撃されていた。
彼女と事件の関係は、殺人兵器は存在するのか。
頭脳派義手探偵真野原と、行動派探偵荒城が謎を追う。
帯には『眉目秀麗な行動派探偵VS近未来的義手を持つ頭脳派探偵』と謳われているけども、荒城の活躍は殆どない。
物語の序盤と終盤に少し登場するだけだ。
もともとシリーズ一作目の『雲上都市の大冒険』で退場する予定だったというのだからある程度は仕方ないのだろうけど、残念だ。
私は真野原より荒城の方が好きなのだ。
いつも真野原に出し抜かれる彼が、たまらなく好きなのだ。
このシリーズの魅力は何といってもそのキャラクターにある。
恋ばかりしている印象の弁護士、殿島。
学生服に身を包んだ義手の男、真野原。
白いスーツにキザな言動の、荒城。
しかし本作にはあまり荒城は登場しない。
真野原の登場回数も少ないように思えた。
短編が四つという構成のせいもあるのだろうが、比較的簡単に謎が解かれていく。
殿島が事件に遭遇し、真野原に指示をされつつ調査をし、ひどい目に遭う。
そして最後に真野原が事件の解決(解説)をするといった構成になっている。
キャラクターを楽しみにしていた自分としては少々物足りなく感じた。
事件そのものは、いつもの奇想は健在ではあるものの、やはり小ぶり。
大がかりな仕掛けではなく、「当時の最新」「現在科学からの視点」などを取り入れたものとなっている。
これはいい悪いではなく、取り扱った題材のためだろう。
番外編と紹介されているものの(おそらく題名に“大冒険”の字がないからだろう)、シリーズ中に重要な位置を占めるという本作。
蒼志馬博士や綾子の再登場はあるのだろうか。
今後の展開が楽しみ。
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連作短編集。戦後のゴタゴタとした雰囲気の中、戦時中に秘密裏に開発された殺人兵器を巡って荒城・真野原が大活躍!…って感じで、お馴染みキャラが大活躍する「冒険活劇モノ」としては楽しめた。話の展開にかなり「ご都合」なところがあるのはご愛敬。
ミステリのネタとしては、この時代設定ならこのネタですかねー程度のモノなので、期待しないほうが良いかもしれませんです。はい。
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二作目を読まずに読んだため、夜叉姫って誰だ…となりましたが登場場面が少ないので特には困らず。
荒城と真野原の殿島君を挟んだ関係は相変わらず。
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真野原&荒城シリーズ。ミステリですが、相変わらず冒険活劇っぽい雰囲気も。古きよき時代のロマンが漂う感じかなー。殺人光線だの強化人間だの、今の時代でやられたら「なんじゃそら」って思ってしまうんですけどねえ。この時代だからこそ、魅力的。
トリック自体も、今の世ならどうってことないんですけど。この時代では画期的ですねえ。特に「灼熱細菌」がまさかまさかアレだったとは……!
二人の探偵のタッグも見事。華麗な悪役であるところの彼もいいですよねえ。しかし前作でもあったけど、荒城って毎回はらはらさせてくれるよまったく! どうなるのかと思っちゃった。
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荒城さんどうなってるのー、でハラハラ。今回は真野原さんの圧倒的な価値だった気がする。そしてかなわぬ恋の殿島さん…。
書かれている年代的にかなぁ。ものすごく二十面相の娘が恋しくなった…。
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前2作を読んでから読もうと思ってたのに、耐え切れず読んじゃいました。で、思った通り面白かったです。
タイプの違う二人の探偵、善良でちょっと抜けてる(失礼)助手、天才的犯罪者のライバル。 それとレトロな雰囲気も加わって、なんともいえずいい味出してます。
実際無いだろうと思いつつ空恐ろしさを感じるのは、有り得なくもないかと思ってしまうからで。あとがきを読んで、更に思う所あり。
それにしても、本当に好みの話なんで、前2作を読むまで落ち着かない。
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大分前に最初のお話を読んだので続きを…と思い図書館で借りてみました。3巻目だった…。今度2巻借りよう。
個人的に荒城さんの方が好みなので学生服の義手探偵の方が大活躍なのでちょっとさみしかったです。そしてお目当てが心配なのは良くわかりますがとりあえず女子高生の心配ももっとしようよ…と随所で思いました。
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眉目秀麗な白スーツ探偵と義手学ラン探偵と助手?な弁護士登場の大冒険シリーズ第3作。連作短編集。わりとご都合な展開もあるが、戦後のあの曖昧な時代設定がいいよね〜。殿島さんの鈍感!と最後なじりたくもあり。続編を楽しみにしてます。
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『雲上都市』の興奮を再度味わいたくて、購入を続けているが、もう無理か。今度は『ガリレオ』のような話。2人探偵が白い服を着ている方、義手をしている方になっているので、各話1人登場でないと混乱してしまう。全体的にのんびりした作風だが、時々グロい描写がある。これは、昭和期のエログロを表現しているのだろうか。