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紙の本
ほんわか和む空気感が飛びぬけている
2011/10/18 21:20
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
通学電車の中で痴漢されているクラスメイト、校倉ありすを勇気を出して助けた鈴木正義。でもなぜか助けたありすには、嫌い!と言われてしまう。それもそのはず、正義は陰気な風貌と、親がヤクザだと誤解されているせいで、学校内で畏怖され避けられているのだ。
でも本当は、ありすは正義を嫌ったわけではなかった。学校内で不思議ちゃん扱いされるありすは、テンパると思ったことと逆のことを言ってしまう。正義に何とかお礼を言おうと彼を目で追うと、目が合った瞬間に泣き出してしまう。おかげで正義は、クラス内で悪者扱いされそうになる。
それを正したのが、生徒会長の柚木篤子。彼はありすとその友人たちをたしなめ、正義の潔白を主張するのだ。
そんな微妙で曖昧な好意が飛び交う関係。その中で、正義を見つめるうちに、ヤクザの子と噂される外見とは裏腹に、彼が非常にまめで気が利く、まじめな男の子だと知ったありすは、正義とお友達になろうとする。
しかし正義の方は、さんざん、外見で差別され、痛い目を見てきたので、そんな好意を素直に受け入れられない。でも、無碍にするにはありすの行動が、かわいすぎる。嫌われる前にいっそ突き放してしまうか?そんな懊悩する少年がここにいる。
飛びぬけても突き抜けてもいない高校生たちが、ふわふわゆるゆる繰り広げる恋物語。ほんわか和む空気感が飛びぬけています。
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