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デビュー作で少年犯罪、二作目で子どもへの性犯罪、三作目である今作は心神喪失者の犯罪がテーマ。
過去二作と同じく被害者側の心理描写が非常に丁寧。重いテーマながら読みやすい文体も健在です。
読むごとにいろいろと考えさせられる薬丸さんの作品ですが、今作もクライマックスの場面では考えさせられます。
もし最後の目論見が違う展開に転んでいたら、どうなったのだろう、と思ってしまいました。
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2011/5/21 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2015/1/8〜1/13
3年ぶりの薬丸作品。
いつも社会問題と絡めたテーマだが、今作品は心神喪失者による犯罪。子供を殺され、妻を傷つけられて家庭崩壊した三上。離婚した妻からあった久しぶりの連絡は、憎い犯人の姿を見た、との目撃談。三上は、仕事を放り出して、その男を追跡するが、、、。
メインのストーリーも見事だが、さりげないところにも伏線が張られていて、それが次々回収されていく伏線が見事。傑作です。
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『天使のナイフ』では少年犯罪、『闇の底』では幼児への性犯罪を描いていたが、今回は刑法39条心神喪失者の犯罪を扱っている。
精神鑑定によって不起訴になった犯人に殺された被害者家族の苦しみだけじゃなく、加害者側の心の闇、差別。精神鑑定の難しさ。
すごく考えさせられた。実際そんな人に大切な人を殺されたら私ならどうするだろう?どこにその憎しみや怒りをぶつけたらいいのだろう。
すごく難しい問題。
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毎回重いテーマに真正面から取り組む作者。
今回も刑法三十九条に気持ちの行き場をもっていかれた
家族の話。
文句なしに面白いのだが、最後が少々呆気ないかも。
読み応えという部分でだけ考えれば、もうひと波乱あっても全然いい感じ。
でも不満はそこだけ。
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子供を統合失調症の患者に殺された男性が主人公。
前々から39条の存在に疑問があるわけですがその手の話です。
子供を殺された夫婦の物語と行ったところ
最後はスカっとする終わり方で、さくさくと読めました。
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刑法
第七章 犯罪の不成立及び刑の減免
(心神喪失及び心神耗弱)
第三十九条 心神喪失者の行為は、罰しない。
2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。
に正面から取り組んだ作品です。
被害者の立場からの視点だけでなく、
加害者本人、加害者家族の人間模様も織り交ぜながら物語が進みます。
主人公の元妻がひた隠しにしてきた事実に胸が詰まりました。
未来を予感させるラストも良かった。
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『心神喪失者の行為は、罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。』という法律 によって、娘を殺された母が、自分も加害者と同じ病気になった ふりをして、復習する。 という内容だろうと。読み始めてすぐに察しはついたが、そこに絡んでくる人達と、最後にどう決着するのか。偽の病気になってまで復習を決意した母は、自分の意を遂げられるのか。いろんな思いが渦巻く、読み応えのある物語でした。
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いっそ壊れてしまえば楽なのに、悲しいくらいに人は強い。ありがちなストーリー展開と思いきや、ラストは救われた。
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天使のナイフを以前読んだ事がありましので、この「虚夢」が本屋さんで見つけて、即買いでした。一気に読んでしまいました。この話は、殺人者が逮捕されても、精神的な病気を持っている犯人は、思い罪に成らずに、何年かして、社会復帰をしてしまってる事への課題をテーマとしています。
ちょっと考えさせられる一冊でした。
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憲法第39条を舞台に。
このご時世、誰にでも精神を蝕まれてしまう可能性はある訳で。
ラストに驚かされ。
執念深く。
つくづく人間のやる事は怖いなぁと思った。
人・社会はどの様に向き合っていくべきか…考えさせらる一冊でもあった。
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一日で読み終えてしまった。
それぐらい勢いがよくて、引き込まれる作品でした。
決して珍しくない精神病。
みんな何かしらで病んでいるのかもと思う。
素晴らしい作品だった。
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いやーこの作品はすごいです。北海道を舞台に刑法39条の問題に投げかける作品。と書くと難しそうだけど、読みやすくて、一気に読んでしまった。他の作品も読みたい。そう思える作家に出会えて幸せだー
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やるせないなあ…。登場人物が皆救われない感じで、読んでるとすごく悲しくなります。重いけれど深い。考えさせられる作品ですね。
ゆきも精神病んでそうだなとは思っていたけど、まさかそんな過去があったとは。そして佐和子は精神病を装ってまで…。今度こそ三上と支え合って生きてほしいと思わせる〆でした。
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刑法39条の存在意義を改めて考えさせる問題作。果たして人の心を診断する事は可能なのか。「了解不能」という現実が全てを物語る気がする。
一方、理不尽な形で愛する子を失った親の気持ちと行動は、万人が認める「了解可能」なのでは。当該条文の整備を希望する。
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心神喪失者の犯罪をテーマとした作品。 「天使のナイフ」ほどの切れ味はないが最後には予想してなかった展開があり楽しめた。確かに読みやすくて一気読み。