紙の本
数学の真の楽しさを見つけ出すことができる書です!
2019/02/25 15:25
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、数学の真の楽しさを見つけ出すことができる興味深い一冊です。同書の中で父は娘に「あなたにとって、数学ってどんなものかな?」、それに対して娘は「数学って生活の役にたつの?」と答えます。実は、こうした小さい頃の何気ない会話によって、将来数学を楽しめるか、楽しめないかが決まると著者は言います。生活と関係のないところで、数学を楽しみ、それをアートや芸術にまで高めていく人がいるように、数学の真の楽しさを小さい頃に見つけ出すことが重要なのです。
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『娘と話す 原発ってなに?』を借りたときに、ちょうど「数学の本でおすすめがあれば」と聞かれていて、ふと巻末をみると、このシリーズに『娘と話す 数学ってなに?』があるのを見つけて、どんなんやろと借りてみる。
フランス語からの訳で、ビミョ~にわかりにくいところもあったものの、ああそう言われれば納得と思えるところがいっぱいあって、すごくおもしろかった。最初に「何の話をしているのか」から始まって、「数」「幾何」「代数」「点と線」「問題」「論証」と続く。
「なんでこんな操作を数学ではするのか?」とか「数学が何の役に立つのかわからない!」とかいう娘の問いに対する答えかたが、うまいな~と思った。
三角形の各辺の垂直二等分線が交わる点は、その三角形の外接円の中心になるという説明のところや、代数と幾何の関係について話してるところもいかしていた。なるほど~~と思い、手許でちょっと図を書いてみたりしながら読んだ。
▼──数学では,断言するにはかならず証拠を挙げなきゃならないの?
「この話もローラの気に入りそうだな.〈何を言いたいかわかるでしょ〉とか,〈わかりきってるよ〉とか,〈わたしを信じてくれ〉というのはだめなんだ.わかりきっているように見えることが間違いだということもある.間違いのように見えることが正しいとわかることもある.数学で真ならば,普通の生活でも真なんだ.」
──数学では,信頼を重く見ていないのね.
「実際、無条件に信頼することはない.どんな断言も,証明がついていなければ受け入れられない.でも,いったん受け入れられれば,それを絶対的に信頼する.その人を信頼するからじゃなく,その人たちが証明したことを完全に信頼するんだ.」
──その厳しいところが,軍隊みたいだって思っちゃうんだな.
「ははあー.でも,よく考えたらその反対だということがわかると思うよ.数学では,断言が正しいのは〈わたしが言うから〉,隊長とか王様とか司祭とか先生とかが言うからではなく,いちばん強い人が言うからでもない.それが正しいのは,証拠が提出され,その正しさを自分で確かめられるからなんだ.」(pp.131-132)
数学が、ちょっとまたキラっとしてみえた。
(7/20了)