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紙の本
西成君はどうしてこんな馬鹿な本を出したのだろう。これなら、底は同じく浅いながら斎藤孝の本の方が遥かに良心的だ。
2011/07/05 11:14
12人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯に曰く「42歳で東大教授になった渋滞学の権威が教える本当に頭がよくなるたったひとつの方法」とある。しかし、中身を読んで、ほとんど茫然とした。こんな中身の薄い、読者をバカにした本があるだろうかと唖然とする思いである。著者曰く「成功している人たちは皆、「思考体力」がある」そうで、その「思考体力」とやらは「運動の体力と同じように、トレーニングによって鍛えることが出来」しかも「年齢や学歴・環境、キャリアなどを問わず、誰でも伸ばすことが出来る」んだそうだ。ここまで読んで、「この人、舞い上がっているな」と普通の人は思うだろう。この人は誰でも努力すれば思考体力を身につけることが出来るというが、例えば努力すれば誰でも100メートルを9秒以下で走ることが出来なように、あるいは努力すれば棒高跳びで6メートルを超えることが出来ないように、いくら努力しても出来ない人というのはいるし、そういう人が実は世の中の大半なのだ。どうしてこういうシンプルなことがこの人には理解できないのだろう。東大に入って、ずっと東大生にばかり囲まれているとこういう感覚になってしまうのか。不思議な感覚にとらわれる。しかも内容もひどい思い込みのオンパレードで、例えば以下のような調子である。
「辞書に頼らずして英文を読解するHくん」
学生時代ずっとESS(英語研究会)というサークルで活動していたときのこと。東大法学部でトップクラスの成績だったHくんが、同じサークルに所属していました。当時の私は、「数学は非常に優れた学問」という気持ちが強く、多少文系の人間を馬鹿にしてしまうところがありましたが、その考えはこのHくんに一気に覆されました。ESSでは英文を読みますから、わからない単語があれば、当然辞書を引きます。でも、彼は「私は辞書を持たないと決めている」というんです。「英語を読み進めるときに辞書には頼らない」と。では、どうするかというと、わからない単語があった場合、英文をじっと見て、前後の文脈から判断して意味を推測するんです。「この単語はこの意味に違いない。この意味でないのなら論理的におかしい。もし、意味が違うとすれば、それは著者の言葉の使い方が間違っている」と。そして、どんどん訳してしまう。しかも正しい。
ここまで読んで、英語が出来る人なら、噴き出さざるを得ないだろう。もし、このHくんの方法が「正しく」、この方法で「正しい翻訳が可能」なら、おそらく日本中の書店から数年を経たずして辞書も電子辞書も消滅していることだろう。そうならないのは、こういう「判じ物」方式では英語力は永遠に上達しないことを大多数の人は骨身にしみて知っているからだ。なぜ著者もHくんも「辞書を引く手間」を惜しむのだろう。「辞書を持たないこと」を偉いと思うのだろう。理由は簡単だ。著者の西成君もHくんも英語の単語力が絶対的に不足しており、英文読書量が絶対的に不足しているからだ。だから頻繁に辞書を引かざるをえず、しれが「時間の無駄」に感じられ、「辞書を引かなくてもその意味を類推すること」が最善の「思考体力だ」などという馬鹿な結論に到達するのだ。いいか、よく聞け、西成。辞書を引かなければ英語力は永遠に上達しないのだよ。そんなタダの推測で勝手に単語の意味を創造しておいて「その意味でなければ著者の言葉の使い方がおかしい」とはバカも休み休み言えとはこのことだ。私はTOEFL610点(20年前)、TOEIC900点、ノー勉強で英検一級を取得した「英語の達人」である。その達人の立場からいわせてもらう。そんなやり方をしていては英語は永遠に上達しない。辞書を引く手間を惜しんでは、正しいボキャブラリイは永遠に身に付かない。辞書を引くことを苦に感じてはいけない。引いて引いて引きまくるのだ。そうすればやがて単語の意味は脳裏に焼きつく。赤ん坊は反芻することで言葉を身につけていく。そのうちニューヨークタイムズ紙だろうがフィナンシャルタイムズ紙だろうが、本当に辞書なしで読めるようになる。そうなるまでは辛抱だ。それこそ努力だ。
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