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紙の本

自分をつくりあげているおおもとと向き合うために

2011/08/30 08:20

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 男であるとか女であるとか、そういう性に関することでどれだけの違いがあるのかと思わないでもないが、先日TVで「あなたは行列に並びますか」といった調査をしていてこれは圧倒的に女性の方が並ぶと答えていた。男性は並ぶことを嫌う。そういう俗的な視点でとらえるべきではないかもしれないが、どんなに頑張っても男性と女性とは違う性なのだ。
 孤独に対処する仕方にだって性差はあるような気がする。それは夫婦のうちで夫が先に死別する場合と妻が先に死別する場合でみても、なんとなく男性が残された場合の方が弱いように思われる。
 多くの文学者が妻の死を描いているが、その多くは未練たっぷりだ。一方女性はというと、夫の死をなんとか乗り越えようという強さを感じる。
 それは孤独に対する強さというのではないかもしれない。むしろ、依存度の問題である。どれほど自律している高名な作家であってもそうなのだ。翻れば、私などどこまで耐えきれるだろう。

 落合恵子さんは七年に及ぶ在宅介護の末に母親を亡くされた。落合さんと母親の関係はその文章の中からしか窺い知れないが、母親の死後「心にぽっかりあいてしまった深い洞を埋めることができず、夜ひとりになると、泣いてばかりいた」。母親を亡くして、何度季節が巡ってこようと「母を想い、喪失の悲しみにしゃがみ込みたくなる」という。
 そんな落合さんであるが、「それでいい」と思い始める。「喪失の悲しみは飛び越えるべき溝ではなく、痛みも含め丸ごと抱えて生きていくものではないだろうか」と。
 「孤独」に対する考え方も同じだ。
 落合さんは「孤独」はけっして「負の記号」ではないという。そして、「孤独とまっすぐに向かい合ってみよう」とすすめる。
 「孤独」はさみしいのではない。むしろ、自身とじかに向かい合う時間だとすれば、けっして忌み嫌うものではないはずだ。

 男性と女性とではどちらが「孤独」に対して強いのか。それはむしろ性差の問題ではなく、個人の生きる姿勢であろう。
 落合さんの考えに強くひかれる女性もいれば男性もいる。落合さんのように強くはなれないという女性もいれば、そっぽを向く男性にいるに違いない。
 落合さんは最後に「あなたをつくりあげているおおもと 核そのものに/あらためて 触れるために/孤独とつきあってみませんか」と書いている。
 まったく同感である。

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