紙の本
さまざまな提言,だがその具体化はこれからの課題
2011/06/07 00:08
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
堺屋 太一 と 5 人のひとのテレビ対談をまとめた本のようだ. 6 人それぞれ意見にちがいはあるが,全体としては堺屋のかんがえをつよく反映した内容になっている.
復興資金の調達には電力などのエネルギーに課税することを提言している. また,原発に関しては日本やロシアの 「基準主義」 つまり基準をまもっていさえすればよいというかんがえかたはダメで,「確率論」 つまりリスクをきちんと管理する必要があることがくりかえしのべられている.
最後には菅政権への批判や,国の進路や体制に関する議論がない復興構想会議が批判されている. 東北の復旧だけでなく,官僚主導から脱却して地域の特性をいかした日本全体の復興をめざすべきだということだ. さまざまな提言がふくまれているが,それらをどうやって実現すればよいのかはこれからの課題だろう.
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官僚主義からの脱却、そんな中、お任せ・無関心に慣れ親しんでしまった私たちにも問題がある。地域主権を進めるとともに私たち一人ひとりか社会の様々な課題に関与する仕掛けも必要。
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著者の一貫した主張である、官僚主導の一極集中型規格社会から多様性に満ちた知価社会への転換という考え方に基づく提言。一本筋が通っていて理解しやすい。傾聴に値する内容だと思う。そのために我々一人一人が何ができるか、何をしなければならないか。考え、行動していかねばならない。
日本が、東日本大震災から復興し目指すべき概念は以下の4つ
1.豊かな省エネ社会
2.地域主権型の多極的特色のある国のかたち
3.好老文化を目指す産業・雇用形態
4.好き好き開国
今までの戦後日本を再現しようとしてはならない。
地震・津波・原発事故に次ぐ第四の災害が、決められない政治。
政治の不決断と官僚の主導が続くなら、日本は世界から見放された片隅の国になる。意欲と能力のある企業や少数のエリートは外国に移転、貧しい人だけが果てしない議論を繰り返しながら苛立たしく生きる高齢社会が残される。
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Japan will become "thermal power plant" country from now on.
Reliable natural energy source is only solar power in Japan. It's capacity will be up to 10 % at best.
Energy use regulation will damage the competitiveness of Japanese industry, leading to unemployment increase and deterioration of economic slump.
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年末年始の読書第5弾。
「緊急提言日本を救う道」(堺屋太一)
新幹線の中で読破しました。
5名の有識者との対談集で、
①瀬戸際の財政 ー 追いつけ金融
②電力の真実 ー 節電の要諦
③日本の産業 ー こう戦う
④東北 ー かくありたい
⑤日本人よ、老けないでくれ
のテーマになっています。
全般的に「官僚が…」というトーンですが、個人的に共感できるのは宋文
洲さんとの⑤の対談です。
「震災を契機に真のグローバル化を」などは、その通りだと思います。
結びの「官僚主義からの脱却 ー好き好き開国に向けて」では、
最も重要なことは外国との交流を深めることだ、過去2回の復活(明治維新、敗戦)では日本は古い殻を捨てて外国と開放的に交わった。これがその後の発展の基に。国際的な視野と競争条
件を生むからである。
東日本大震災からの復興でも、いままでの「戦後日本」を再現するのではなく、
・豊かな省エネ社会
・地域主権型の多極的特色のある国のかたち
・好老文化を目指す産業雇用形態
・「好き好き開国」
の4つが新しい日本が目指す概念であるとしている。
少し難解な感もあるが、今後の日本のあり方を考えさせられるいい機会だったように思われます。