紙の本
助けた少女の握る秘密
2015/09/15 16:17
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
東西冷戦という人類同士の政治対立に加え、人々は新たな脅威に直面することとなった。その存在は、異星起源種BETA。突如地球に襲来したそれは、人類を滅亡の際に追い込みつつあった。
戦線を後退させながらも各地で抵抗を続ける拠点のひとつ、東ドイツの国家人民軍第666戦術機中隊「黒の宣告<シュバルツェスマーケン>」に所属するテオドール・エーヴェルバッハ少尉は、過去への後悔と恐怖が、彼に他人と親しく関わらせない生き方を選ばせていた。そしてその経験が、中隊長であるアイリスティーナ・ベルンハルト大尉に対して嫌悪を抱かせる理由ともなっている。
いつもの様に地上の味方を見捨てながらも戦略的目的を達成し、帰還した彼らに下った命令は、BETAに襲われる国連軍の救援だ。アイリスティーナと共に向かったテオドールは、そこで唯一の生き残りだった、西ドイツに所属するカティア・ヴァルトハイム少尉を助け出す。
損耗した中隊戦力を回復させるため、アイリスティーナは彼女を中隊に組み込み、テオドールに指導を任せるのだが、カティアの言動は、東ドイツでは許容されないものだった。
結果、国家保安省武装警察軍のベアトリクス・ブレーメ少佐の介入を招く。それはあまりにも大仰な対応に思われたのだが、実際、カティアにはある秘密があった。
世界観を知っている前提でストーリー構成されているので、初見で読む場合には出来事を追っていくことくらいしか出来ないだろう。
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テックジャイアンに連載されたマブラヴオルタのスピンオフの第2弾って事で大丈夫だろうか?まあテックでは第2弾だろう…このオルタ関連は無駄に多いからなぁ…。
舞台は冷戦時代のドイツ…現実的に言うとベルリンの壁があった時って事だろうか?西と東でドイツが分れてた時ですな。そこで戦う戦術機パイロットである衛士たちの物語です。正直歴史に詳しくは無いんですがそれでも入り込みやすい時代背景で読みやすいと思いました!!
たしかもうすぐ2巻も発売だから楽しみだ。ちなみに現在進行形でテックジャイアンでも連載しているので一見の価値有りです。
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マブラヴアンリミ・オルタの世界観を同じにする作品.
著者の内田さんは過去にも戦争ものの小説を出しているようで,武器なども含め戦闘描写の細かさを感じた.
ただ,ちょっとその描写が細かすぎて煩わしかったり,ややこしいと感じることはあった.
ストーリーとしては,東ドイツを舞台にしているということで,社会主義やシュタージによる思想統制がキーとなっている.
マブラヴオルタ自体もかなり思想的なものが激しいが,こちらはさらに輪をかけて激しい.
その分話が重たくなっており,マブラヴシリーズの中でも一番重厚なストーリーになっていると感じた.
1巻ではまだまだ序章という感じで,思惑が行き来しているのはわかるが具体的な答えは見えない.
かなり良い長編作品になりそう.
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読んだよ.
マブラヴシリーズのスピンオフ作品ですね.
東ドイツ最強の部隊である<黒の宣告>の一員であるテオドール君が
戦場で孤立した西ドイツ軍の少女を助ける.
欧州の苛烈な戦争に身をおく若き衛士たちの,
生死をかけた戦いが今語られる.
というわけで,オルタの世界から18年前ですね.
カティアのキャラが面倒くせぇなぁ・・・.
上官殿はなんとも素敵キャラだ.
このシリーズのスピンオフは毎度毎度命賭けだなぁ….
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PCゲームマブラヴオルタネイティヴのスピンオフとして描かれる過去の欧州戦線での闘い。
闘いの最前線である東ドイツ、そこには異星起源種BETAとの激しい消耗戦と国家の構造のゆがみから、滅びに近づきゆく故国で己以外を信じることなくただひたすらに生き残るためだけに闘う青年衛士の姿があった。
戦場で出会った少女が彼にもたらす過酷な闘いの運命とは…
極限状況の中で見つけた守るべきものために成長してゆく主人公テオドール、彼の行く先に何が待ち受けるのか今後の展開も楽しみ。
戦術機Mig-21バラライカの戦闘もカッコヨク描かれている。
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マヴラブ オルタナティブという作品のスピンオフ作品です。
世界観が特殊で、初めて読む人にはすこし話を掴みにくい作品です。ですが、世界観説明が後ろのほうに載っているので大丈夫ですよb
第二次世界大戦後の東ドイツが舞台となっている。
東ドイツ最強の部隊『黒の宣告』に所属する青年テオドールの物語。
西ドイツから亡命してきた少女カティアとの出会いがテオドールを成長させていく。
社会主義やシュタージといった思想統制を行うものたちの監視のなか、人類の敵であるBETAと戦う。
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マブラヴオルタネイティブ本編(2000年)の17年前(1983年)の東ドイツを舞台にした物語。
本編でも十分に劣勢といえる人類側は、ようやく対BETA用の兵器として戦術機を実戦投入しはじめている時代、しかも舞台が17年後の世界においては「既に国家が存在していない」ことが史実として確定している「東ドイツ」であるため、最初から主人公たちの国々の行く末を、読者は知った状態で読み始めることとなります。
また、社会主義国家である東ドイツを舞台にしているだけあり、BETA以上に国家の行き過ぎた統制と、そのなかでの利権争いが複雑にからみ合っており、どこまでも明るい要素がありません。どす黒いです。
1巻では、物語のカギを握るある秘密を持った少女カティアが、東ドイツ最強の戦術機中隊、第666戦術機中隊「シュバルツェスマーケイン」の一員として認められるまでを描いてます。
マブラヴオルタの世界では、国家による人間の考え方の違いが鮮明に描かれる事が多いですが、今回の「柴犬」においても、社会主義国家である東ドイツと、資本主義国家の西ドイツ。その相反する性質の、けれど同じ名前を持つ国の行く末が気になる展開でとなっています。
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2012.10.3 推薦者:じみー(http://ayatsumugi.blog52.fc2.com/blog-entry-196.html)
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前々から読もう読もうと思っていた ”柴犬” こと「シュヴァルツェスマーケン」をアニメ化を機に読み始めました。
物語初っ端から定数の2/3と既に壊滅している中隊、次々とBETAに飲み込まれる防御陣地、そして仲間の死と絶望的な末期戦の展開で驚きましたし、そこがまた内田先生らしいと感じました。
途切れることのないBETAの侵攻という国家どころか人類存亡の危機の中であっても「西と東の対立」があり、東ドイツの中であっても「国防省と国家保安省の対立」があるという救いようのない国をそれでも守るべく戦う主人公達の戦いは目が離せません。
意外だったのは政治将校グレーテル中尉の心境の変化でしょうか。
当初はステレオタイプな「面倒くさい」政治将校であったものの、カティアが加わりシュタージに中隊自体が目をつけられるに至り中隊員としての仲間意識を否が応にも抱くに至った展開ですね。
最初はてっきり彼女が敵役なのかと思いましたがどうも外れたようですね。
早く2巻以降も読みたくなる大変良い作品でした。