紙の本
中2のユニコーン
2016/09/24 14:57
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投稿者:neko - この投稿者のレビュー一覧を見る
中2の女の子が、親の転勤のための引っ越しのさいに、2ヶ月間、下宿屋ですごすお話です。登場する女性陣も自立してる女性で、人生を楽しんでいる様子が伝わってきます。
いい下宿屋にあたったというのもあるでしょうが、中2にもなると、他人のなか(社会ともいえる)で、ヒトリで生きてくことに不自由はないし、むしろ、母親と距離をおいたほうがココロの平和をたもちやすい。というのは、母親は、コドモと社会の間に立って、自分の趣味を押しつける。しかも、母親が押しつけるのは、オトナの世界の価値観(セックスとか、責任転嫁とか、逃避ですね)。特に社会を自分の目でみる子には、理不尽な状況でしょう。ママの価値観の中で生きているマザーガールとマザーボーイは問題ないでしょうが。
つまり、中2くらいから、公的に母親を友達の立場にする選択肢があった方が、その親子だけでなく、社会のためかと。ちなみに、政府統計によると児童虐待の半分以上は、実の母親が加害者だそうです。
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ほわっとあったかくなるお話。劇的な面白さではないけれど、安心して読み進められる。十一月荘の様子は、私の祖母の家に似ている。お茶の時間、おしゃべりの時間。だから懐かしい感じがしたのかな。青い鳥文庫の中学生向け。
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秋らしいタイトルから購入しました。
中学生向けらしいですが、大人が読んでも十分楽しめる本だと思います。
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親の転勤がきっかけで、二ヶ月だけ【十一月荘】に下宿することになった爽子、中学二年生。
個性的な住人たちとの日々と、そして素敵な雑貨屋さんで気に入って買ったノートに綴る物語が、偶然にもリンクする。
中学二年生なのに一人暮らし、しかも可愛い外観のお家。
綺麗な装丁のノートに、紅茶を飲みながら書き始める動物たちの物語。
たまに冒険して、喫茶店で書いてみたりもする。
私が同じ年齢くらいのときに憧れていた世界が広がっていて、なんだか懐かしい。
物語を考えて、お気に入りのノートに記していくのが楽しかった。
そんな経験がある人なら、きっとこの物語も好きになると思う。
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ひょんなことで「十一月荘」で2ヶ月を過ごすことになった女子中学生の物語。出来事のメインは、主人公を取り巻く大人や子どもたちとの交流がひとつ、もう一つは主人公が書く「ドードー森の物語」と現実の出来事がシンクロして生まれるあれこれ。
年頃の女の子が新しい環境に放り込まれて、そこで成長してゆく物語というのはさほど目新しくないが、主人公が紡ぎ出す物語と日常の出来事をこれほどまでにしっかりとシンクロさせて成功した作品はあまり例がないのではないか。
主人公の心のゆれが「物書きあるある」すぎて、身につまされたのだが、後書きを読むと、中学生のころから物語づくりに勤しんだ作者の体験がかなり入り交じっているようで、とても納得。
日常の出来事を丁寧に拾い上げて描き出されてゆく物語で、しかも幸せ感が半端なく、同時にこの幸せな日々が限定されていることで(十一月荘での生活は2ヶ月のみ)切なさを誘う。
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中学生の女の子が一ヶ月だけ十一月荘に下宿する。家族と離れて他人と暮らしながら自分を見つめ直していくお話。爽子ちゃんが書いたお話も間に挟んであるので一緒にそっちの世界も楽しめる。魅力的な場所に魅力的な人ばかりでこんなとこ見つけたら私だって住みたい。木皿泉さんの「すいか」を思い出させる。自分が変わると周りも変わるんだな。おもしろかった。
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「二か月だけ「十一月荘」で下宿生活をすることになった中学二年生の爽子(そうこ)は、個性的な大人たちや妹のようなるみちゃんとの日々、そして、「十一月荘」で出会った耿介(こうすけ)への淡い恋心を物語にかえて、お気に入りのノートに書きはじめる。
「迷うことがあっても、十一月なら前に進むの。」閑(のどか)さんの言葉に勇気づけられ、爽子は少しずつ、考えるのをさけていた転校後の生活にも、もっと先の未来にも、希望を感じられるようになってゆく。
産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞作。
*小学上級・中学から」