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自分のブログから一部転載。
この著書、様々な注目すべきポイントがあるんですが、僕的にポイントを絞りましょう。最も重要と思った3つはこちら。
1.日本のITインフラは実は堅牢
2.ソーシャルとマスの連携で世界でも前例のない先進的な試みが実現
3.海外への情報開示が致命的に弱い。これは政府もマスもソーシャルメディアも含めて
1. 日本のITインフラは実は堅牢
イギリス在住の谷本真由美さん@May_Romaさんの証言として、イギリスBBC放送は、「東日本大震災でのソーシャルメディアは、単なるソーシャルではなくクルーシャル・ネットワーク(生命を左右するほどの重要なネットワーク)になった」と報道したことを証言しています(P176)。さらに最もイギリス人を驚愕させた事実は、あの未曾有の惨事の中、日本でソーシャルメディアが活用できたことだと、谷本さんは言います(P177)。携帯ネットワークに関して云えば、みなさんも経験したとおり、通話は全く繋がらなかったものの、データ通信は、ほぼ通常通りに使用可能だったことが他の国から見たら、驚くべきことだというのです。
この通信インフラの安定性については、もっとどのような仕組みで安定したパケット通信を保ったのかは、もっと検証されて良い部分であると思うし、世界もこれを知りたがっているでしょう。(つうか僕が勉強不足なだけか?コメントでツッコミください)
2. ソーシャルとマスの連携で世界でも前例のない先進的な試みが実現
ソーシャルとマスとの連携では、今回一時的とはいえ、随分と先進的な試みがなされました。それはNHK,や民法TV局が災害特番をぶっ通しでUSTやニコニコ動画でサイマル放送するというもの。これは世界的に見ても前例が無いでしょう。
既存メディアの新興メディアに対する風当たりの強いこの国は、ITと既存メディアの連携については完全に後進国だったのに、それが突然世界でも最先端の試みがなされたのは、驚くべきことです。今回、「震災対応」という名目とは言え、マスとソーシャルの連携で理想的な形が提示されたことは、もっと評価されていいことだと思います。在外日本人が情報を得るために、このサイマル放送がどれだけ役立ったかをこの著書は伝えています。
しかも、後述しますが、そのきっかけを作ったのは、一人の中学生なんだから驚きです。
3. 海外への情報開示が致命的に弱い
3つ目は、ソーシャルメディア云々に限らず、この国全体の問題ですが、海外への情報開示が圧倒的に不足していたこと。著者は北米在住ということもあり、日本社会の閉鎖性にも厳しい問題意識を持っています。(僕も持ってます)政府もマスメディアも充分に世界に向けて情報を発信できなかったことが、海外での余計な不安を煽り、風評被害を広める結果になってしまったのですが、僕はもし日本人の英語力がもっと高ければ、ソーシャルメディアでそれをある程度補完できたと考えています。
中略
今回の震災でソーシャルメディアに触れていた人は、大なり小なり感じたと思うのですが、140字��いう小さなつぶやきの波が集積していくと、すごく大きな力になるってことです。前述したIPサイマル放送の実現のきっかけを作ったのは、広島の中学生のUSTだったわけです。その本来なら小さな力が、多くの人の力の集積によって、最終的には腰の重い日本のTV局を動かしたわけです。
この国の人は、とかく「俺らが声を上げても無断だ」という想いに陥る事が多いです。民意の反映によって政権交代を成し遂げた実績の乏しいこと起因するんだと思いますが、1人のちいさなアクションが世の中を動かし得ることを信じることができない人が多い。皆、微力は無力だと思っている。
微力は微力です。無力ではないんです。民主主義とは微力の集積で社会を変えるシステムのことです。もしかしたら、今回の震災は日本人が初めて民主主義の本当の力にを実感するきっかけになったのかもしれません。一昨年に民主党が政権を取った時よりもそのことを強く実感した人もいるんじゃないかな。
大事なのは、これを一時の流行に終わらせないこと。あの時の力を思い出すためにも、この本は買っとくことをオススメします。希望と課題を同時に俯瞰できる良書です。
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「海外に拠点を置く日本人の視点から」東日本大震災に際し、ソーシャルメディアは何をどう伝えたのかを検証するというのが本書のテーマ。
ただ、ソーシャルメディアが何をどう伝えたかは、日本にいてtwitterで情報を伝え続けた人たちの方が、より実態に詳しいと思う。
「海外からの視点」という事を、強調しない方がよかった気がする。
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震災時日本でネットを使っていたらだいたい知っているようなことが順に羅列してあった。新しい視点があったとは特に思えない。
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今や身近になったソーシャルメディア。震災を通して見えてきたメリットとデメリットを見直すことができる。ソーシャルメディアの新たな可能性が見えてくる一冊。
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ツイッターをはじめとしたソーシャルメディア(ネットを利用できる人なら誰でも自由に情報をやりとりできるメディア)は、ぽつぽつ利用してはいるけど、有意義に利用できているかと言われれば自信ないな。意識的に距離を置かないと、すぐに振り回されちゃいそうだ。
情報の鮮度やスピードでソーシャルメディアに適うモノはない。けれどソーシャルメディアは情報の確かさや価値という面では活字にかなわないと思う。
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海外在住の著者が、東日本大震災以降ソーシャルメディアを通じて起こった事についてをまとめた一冊。震災とソーシャルメディアについては色々と語られているが、この書がユニークなのは、やはり海外在住の著者の視点からまとめられているという点。海外にはどのように情報が伝わったのか、海外にいる邦人はどんな気持ちだったのか、海外ではどのようなムーブメントが起きたのか。海外在住だけに国内事情でじゃっかんの勘違いもあるように感じたが、それを補う以上に、海外在住だからこその視点、情報などが含まれており、価値のある一冊だと思う。
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3月11日。あの日私は、茫然と、溢れだすようなツイッターのTLを眺めていた。
「今、○○というビルの屋上です。助けて」という声。
それ以降に続いたデマの情報。
自粛、不謹慎と諌める声。
政府より早い原発事故に関する情報。
決してソーシャルメディアが万能などという気はない。
でも従来の情報ソースだったマスコミを疑い、
自分なりの新たな武器を手にしたのは事実だ。
本書はあの時を境目にソーシャルメディアがどう進化したかに
ついて書かれている。
一方で、日本から海外への情報発信能力への低さも
指摘されており、それが海外諸国からの不満に
つながっていると説く。非常に興味深い本だ。
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震災直後、ソーシャルメディア上でどういう動きがあったのかまとめてあって読みやすかった。twitter上で拡散していったデマやインフルエンサーが果たした役割、youtubeに投稿された動画の数々、NHKがUst中継をするにいたった経緯等々、忘れかけていた当時の状況を思い出した。
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在外日本人ソーシャルジャーナリストによる著。日本の中だけでは分からなかった海外から見た東日本大震災。日本の発進力の弱さ、英語力なさも痛感。自分の英語発信メディアを持たなければと思った。様々な支援キャンペーン事例紹介も興味深い。
・ソーシャルメディア・ツールの中でも、140文字という決められた字数で「つぶやく」ツイッターでは、ユーザーが互いに伝えるコンテンツの最たるものは、「情報」と「センチメント」(感情)である。
・NHK_PRの「私の独断なので、あとで責任はとります」
・震災時の通信インフラの安定性:これは是非、検証したい
・1 あいするものにつながる 2 生死を決めるような情報を収集する 3状況とソリューションをマッピング(対応付け)する
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ある程度若い世代はソーシャルメディアを問題なく使えるが,年配者は難しいだろう.TVだけが情報源という家庭が私の周辺でもかなり多い.Internet自体は知っているが使ったことがない人にその素晴らしさを教えて,使えるようにする努力も重要だと考えている.
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いま流行りのソーシャルメディア。
ソーシャルメディアってすごいんだぜ、万能なんだぜ、という観点でなく光と影どちらからの側面からも考えている。(ちょっと光の方が強いけど)
確かにあの時、Twitterから情報を得て、Twitterに偽情報をつかまされたりした。あの時、ソーシャルメディアの力というものは体感した。
ソーシャルメディアがツールとして世間に影響を与えてるのは事実。
そして、「出る杭が打たれる文化」、「恥の文化」でこれからソーシャルメディアが進化していくかは楽しみ。
ただ、自分がインフルエンサーになんかなりたくないし、ソーシャルメディアによって騙されただの他人のせいにはしないと思う。
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IT関連の作品だからカタカナ語が多いのは当たり前なんだ
よね。ええ、分かってますよ。でもね、もうちょっとどうにか
ならないかしら。…私が努力すりゃいいってことなんだけど。
さて、本書。東日本大震災関連の作品として購入したのだが、
少々期待外れだったかな。
テレビや新聞のいわゆる既存メディアの報道より、発災直後
はTwitterなどのソーシャルメディアで得る情報の方が有益
であったことがある。それは確か。
ホリエモンが行方不明の身内の探す人のつぶやきを延々と
RTしていたり、炎が迫る建物の屋上に避難し救助を待つ
人たちの現状が回りまわって東京都の猪瀬副知事(当時)
に届き、東京消防庁のヘリが出動したりという出来事を
ほぼリアルタイムで見ていた。
日本国内ばかりか、海外でも被災地支援の輪が広がり、
義援金は勿論、多くの励ましの言葉が寄せられた。
しかし、その一方で心ない情報やデマも多く流れたし、
ほんの少しのことに目くじらを立てて「不謹慎だ」との
批判も数多く目にした。
ソーシャルメディアの良い面・悪い面、両方をバランスよく
検証しているのかと思ったんだよね。でも、違った。
確かに悪い面も記されている。でも、結局は「ソーシャル
メディアは素晴らしい」との結論になっている。
所々に出て来る「前著でも…」との記述。前著を読んでいる
ことが前提なのか?唐突に英語力の話が出て来るのも
どうなのかと思う。
発災から数か月で出版しているので仕方のない面がある
のだろう。しかし、実際に被災者の方たちがどのように
ソーシャルメディアを活用したのかを取材してもよかった
のではないかな。
確かにソーシャルメディアは情報交換の場として活用の
幅が広がるだろう。だが、それは端末が常に手元にあり、
インターネットに接続できる環境にあってこそなんだよね。
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SNSディバイドされている私は、少しでも有益な周辺情報を期待しました。
しかし、序盤(事例)と終盤(提言、かなり駆け足)とやや分量が少なめ。
大半は、米国を中心とした海外での支援活動情況に、強引にSNS活用を付加した事例集にみえました。
しかし、SNSを注視する一冊にはなりました。