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廃館寸前の文学館の職員・老松郁太が古書店で発見したのは、作家・徳丸敬生の遺稿集に記された徳丸自身のサインだった……。
事件らしい事件はなにも起こらず、本の謎をきっかけに架空の作家の生涯や、主人公の人生の物語を、あくまでも暖かく描き出す門井慶喜お得意のパターン。物語の軸となる「人はなぜ小説をよむのか」という問いかけに対する詭弁めいたやり取りや、その最終的な解答も見事。
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「おさがしの本は」姉妹編。
今回の舞台は文学館です。
疾走した小説家の謎を探るのですが、ハラハラドキドキでした。
小説好きにぴったりな小説です。
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本好きにはたまらないテーマが詰め込まれた作品なのですが、登場人物たちの個性が今ひとつ描き切れていないように思いました。
テーマが良いだけに残念。
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これまでも「おさがしの本は」や、「この世にひとつの本」など、一風変わった図書館や本をめぐるミステリを物してきた著者が、世の読書好きに贈る愛すべき書物をめぐるミステリ。
フィクションの中に実在の文芸評論家や出版社名、雑誌名を取り込んで、いかにもありそうな仮想現実を実に巧みに構築している。そのため、失踪した作家として取り上げられている徳丸敬生なる小説家とその作品が、この世に存在しているかのような錯覚に陥る。
さてストーリーは、N市文学館の嘱託館員である主人公・老松郁太が神田神保町の古書店で、敬愛する作家・徳丸敬生の遺稿集を手にしたところから始まる。
その失踪したまま行方の知れぬ作家の遺稿集の見返りに、著者の直筆らしき書き込みとサインがあることに気付いたところから、郁太の運命が大きく変わることに、、、
一冊の本に込められたメッセージを読み解いていく知的なミステリだ。
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ふつう、作家の死後に出版される『遺稿集』---主人公・郁太が古本屋で手に入れた、ある作家の『遺稿集』にはその作家自身のものとみられる直筆のサインがなされていた。
本物に間違いないとされるこのサインは一体…。
物語はこうして始まります。
郁太の勤める文学館は、閑散としてとうに閉館が決まっている市のお荷物施設。本作の姉妹編『おさがしの本は』同様に、閉館の決まった文学館を郁太がどうやって存続させるのか…に、この物語の主題があると思ったのですが。
文学館存続を賭けて、やり取りされる一つの疑問にこそ、本作の大きなテーマがあります。それは、『人はなぜ、小説を読むのか』。
コミック、エッセイ、ノンフィクション…ではなく、小説を読む理由を解き明かすべく、郁太は様々な議論を繰り広げます。
人はなぜ本を読むのか…ではなく、小説について論考しているところに、この物語の面白さがあります。そこには、小説の意義を小説によって真剣に考えてみる、といったある種のユーモアがはたらいているように思えるからです。
実際、本作で提示された1つの答えには、妙に納得したものです。
自分自身は普段の読書の中で、読書と孤独は切っても切れない関係であり、そこで経験する孤独は決して嫌なものではないと感じていたためでしょう。
『おさがしの本は』で活躍を見せた和久山隆彦と沙理の後日談が見られるのも、私には嬉しい計らいでした。
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言葉での殴りあいと言う、新発想。しかもテーマは「人はなぜ小説を読むのか」
知的好奇心が満たされる一冊でした。
姉妹編の和久井さんにもっと活躍していただきたかった。
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ひとは何故小説を読むのか?
兄弟のよる言葉の殴りあい。
インパクトは微妙だけれど、やっぱり台詞運びがうまいなあとおもう。
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色んな面でしっくり来なかった。短編の素材ではないでしょうか。無理に色んな要素をつぎはぎした印象でした。
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『人はなぜ小説を読むのか?』
答えの一つをこの本は示しています。
ある程度納得できますが、
人によって答えはそれぞれ違うでしょうね。
「おさがしの本は」の姉妹本
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これぞまさに小説好きの人のための一冊かも。メインである「サイン入り遺稿集の謎」も充分に面白いんだけど。「小説の存在意義とは何か?」というとんでもない謎が魅力的。正直なところ、そんなに深いことは考えていなかったりもするのですが(苦笑)。小説は決して無駄なものではないと思いますよ。
「おさがしの本は」のあの人も登場だなあ。今回も活躍してくれてます。
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今回は「人は何故小説を読むのか」がテーマです。
図書館の必要性より難しいテーマだと思います。
人によっても違うと思うし。
今回は登場人物が多かったせいか、
いまひとつ個性が出てない気がします。
和久井さんが出てきたのは嬉しかったですし、
あの人と結婚までしていたなんて新事実も出てきましたね。
姉妹編ということで和久井さんがたくさん出てきたら
ちょっと嫌だなぁ・・・と思っていたので
出張りすぎず、良い感じだったと思います。
別に和久井さんが嫌いと言うわけではなく、
むしろ和久井さん好きなんですが、
姉妹編なので、出張りすぎはよくないと思っていたので・・・。
サイン入りの遺稿集の謎は面白かったです。
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いやぁ、本を乱読していながら、「何で本を読むのか?」なんて深く考えていなかった。浅はかですね。
で、この本の中で兄弟がする、その議論を読み改めて考えました。
今までは「老眼が進むと本が読めなくなるので......」なんて言ってましたが。
そんな事を考える一冊です。
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前作とは主人公も舞台も違っている。私に兄弟がいないためか、主人公の想いにいまいち実感が湧かず。「人はなぜ、小説を読むのか」の解も目から鱗が落ちるとは言えず、なんともパッとしない結果に。和久井さんが超リア充になっているのにびっくりやら遠いとことへいってしまったような気持ちです。
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本編には、「人はなぜ小説を読むのか」という疑問がでてきます。
いろいろと悩んだ結果最終的な答えが出ますが、私的には、その答えに納得するような納得しないような・・・。
「人はなぜ小説を読むのか」、まぁ人は皆それぞれの理由で小説を読んでいるのだと思います。
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文学館の事、徳丸敬生の事、家族の事、等々…話が広がり過ぎてまとまりがないような…。イマイチすっきりしなかった。
兄弟の話は無しにして、美夏や音海との話を増やしてほしかったかも。
結局、郁太と勇次は似た者同士だったってことみたいだし。
和久山は登場が少なかったけど、相変わらず出来る人。まさかの結婚にビックリ。子供もって早くない?