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震災前に日本の電力供給の現状をまとめたものと、震災後に今後の脱原発に向けての提言をまとめたもの。現状というと特に発電方式による電力供給能力と時間帯別・季節別発電ミックスなどいくつか役に立つデータが掲載されている。今後については安全保障の観点からも従来の原子力・石油依存から天然ガス・石炭・自然エネルギー等発電方式の多様化と共に、ピーク時と自然エネルギーの安定化対応の為にも蓄電システムの構築が期待されるという極めて現実的な提言が纏められている。果たして経産省・電力業界はこうした提言を正面から受け止める議論をする体制があるのであろうか。
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タイトルで職場の本屋の平積みから購入。
山家さんは日本政策投資銀行でエネルギー融資を担当していたそうで、そのためか、冷静でめくばりの聞いた分析が光る。
いきなり、脱原発とか過激なことは言っていない。
具体策として大事だと思った点。
①風力発電、太陽光発電と蓄電池をネットワークして、地域エネルギー会社ができる。(p205)
②コージェネの活用やごみ発電など等の未利用エネルギーを進めて、熱流通の効率化を電気と共に進める。(p177)
地域冷暖房のシステムに熱だけでなく電気のやりとりもさせれば、地域での分散型の発電システムができるはず。
③資源別の方向性として、原子力↓、天然ガス↑、石炭、石油→、再生エネルギー↑↑、節電・需要シフト↑↑。(p164)
その他、世界の太陽光発電がメガソーラーに向かっているのに、日本が住宅の屋根に特化していることに対して、太陽光発電メーカーがシャープ、三洋、京セラなど政治力があるからだといっている。(p74)
本当は、太陽熱の方が効率がいいのに、中国メーカーしか作っていないので支援をしないといった、何か政治的な配慮が背景にあって、再生エネルギーの問題はわかりにくい。
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エネルギー基本計画や東北の復興計画を私案として提示している。それほど目新しいことは書いていないが、もっと多くの専門家がこのような私案を出して、大いに議論するべきだ。
東北の復興計画で、土壌汚染が浄化されるまでバイオ燃料をつくるべきというのと、冷蔵倉庫が蓄電池を同じ役割を果たすというのがなるほどと思った。