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「ぺイ・アズ・ユー・ウィッシュ(あなたが払いたい額を払ってください)」という言葉が印象的であった本書は、やもすれば価格において大幅な赤字を招いてしまうのではないかと思えることが、実際はそうではなく、むしろそれが収益につながっていくことを示している。その他にも、小額支払い、フリー、自動値下げなど、これまでの考え方からしたら、本当にそれでいいの?とうたがってしまうような方法がいろいろのっている。ただ、それが何にでも対応するわけではないため、どういった価格戦略をとっていくのかはしっかりと考え抜く必要がある。それでも、時代が変化していく中で従来のこり固まった方法が今でも変わることなくずっと不変であることは少ない。どんな方法で消費者と企業側が、その両者の歩み寄れるところに落ち着いていけるのかは今後もますます楽しみなところではある。
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うーん。もう1回読んでみないと内容が入ってこない。
言われるまでもなく、「価格」は、マーケティングの4Pの1つなので、
価格戦略については、知識は仕入れておかないという意識で読み始めてた1冊。従来型の価格設定を批判しつつも、何でも「フリー」戦略をとれるわけでもないと。では、適切な価格設定って何?を教えてくれるはずなのだが、再読しないとピンとこない。
で、今気になる価格戦略は、マックの「3人で1000円」というものです。
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具体的な例と戦略がわかりやすく書かれている良本です。
適切な価格設定は「科学であり技能である」とのこと。
・ペイアズユーウィッシュ(レディオヘッド)
・無料(Google、Facebook、CNN iRepor、Wikipedia)
・低価格戦争(中国企業電子レンジのシェア争い:損益分岐点による業界再編)
・小さく考える(マイクロファイナンス、1日わずか数セント、iTuneストア1曲99セント)
・自動値下げ方式(シムズ、ダッチオークション)
・購入価格指定方式(プライスライン)
・サブスクライブ&セーブ(Amazonプライム、マクドナルドのハッピーミール)
・スノッブ・プレミアム(アメリカンエクスプレスのブラックカード、芸能人や金持ちだけが住むマンション)
・成果ベース(薬、弁護士、広告代理店、IT。報酬が明確な場合にX%を受け取る)
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企業が製品、サービスに付ける価格についての戦略的視点を網羅的に解説。従来的な3つの方法(コストプラス法、同業他社から導く法、顧客の出方を見て決定する法)をとっているようでは単純すぎて賢明とは言えないですよというお話。
価格についての考察は『プライスレス』など、行動経済学的な点から「決して人って合理的には判断しない」という観点からのものが多い気がする。それはそれでおもしろいんだけど、じゃあどうしたらいいかという点からすると、うまく顧客をたぶらかせってことか、となってしまう。
本書はもっとビジネス的な意味での価格の持つ興味深さを、効果的な場面や対象を整理して解説してくれている。自分的には自動値下げ方式、サブスクライブ・アンド・セーブ、成果に基づく価格設定にとても可能性を感じた。
どんな産業についても昨今はすぐに価格競争状態に陥ってしまう。「付加価値」という曖昧な根拠に頼って価格を保とうとするのではなく、状況に適した価格戦略をとることで価格競争を避けることの方が正しい戦略のように思える。
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「ペイ・アズ・ユー・ウィッシュ」「フリー」「シェア」「自動値下げ」「購入価格指定」「サブスクリプション」「プレミアム」「成果報酬」の様々な価格戦略を紹介。価格の決め方でさえも知恵を搾れば様々な戦略を展開できることが分かった。
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紹介文より。コストに利益を上乗せする従来型の価格設定はもう通用しない。だからといって、なんでもかんでもフリーにできるわけはない。適切な価格設定、独創的な価格戦略とはいかなるものか。「ペイ・アズ・ユー・ウィッシュ」「フリー」「シェア」「自動値下げ」「購入指定価格」「サブスクリプション(定期購入)」「プレミアム」「成果報酬」など。
確かに利益というと、コスト上乗せ型に頭が行きがち。しかし、こういう時に必ず紹介されるレディオヘッドの払いたい価格を払ってもらうやり方のように、価格戦略の見直しで利益は大きく変わる。
「シェアを取りに行くため」の大幅値下げ戦略、小さく分けることでの購入数の増加、顧客によって価格を変える(amazonのように)。
つまり、顧客起点で考えていくことで、より適切な価格が見えてくる。見えざる手に表現された、市場が価格を
決めるというには、市場があまりに大きく多様化してきてしまっている。
僕が当然に思っているあらゆる価格、CD、チケット代、書籍、日常品などそれぞれに、もっとこうすれば利益の拡大に繋がるのではということがありそう。まずは値付けから疑い、考え直すという思考実験を続けて行こう。
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コストに利益を上乗せするだけの単純な価格付けではなく、商品や顧客、ニーズに合わせた様々な価格の付け方を実例を交えて説明している。新聞は今後どうすべきか、という提言が興味深かった。無料との戦いに勝つには高価格をつけるのが最も良い方法。そしてその高価格にふさわしいサービスを提供すること。 価格競争といえば中国ですが、中国は特別な手法ではないものの増分増益分岐点分析に基づいて価格競争にうってつけの環境を選んで価格競争を仕掛けているんだとか。
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コストに利益を上乗せする従来型の価格設定ではなく適正かつ独創的な価格設定とは、についての価格戦略をまとめた一冊。"pay as you wish(あなたが払いたいだけ払って下さい)", "フリー"、"シェア"、"自動値下げ""購入価格指定""サブスクリプション(定期購入)""プレミアム""定期購入"の価格戦略についてまとめた一冊。コストプラス、競争、需要ではない価格戦略についてまとめられており興味深い。メモ(1)適正な価格設定を行うことは科学であると同時に技能でもある(2)価格戦争を遂行するために、損益分岐点となる売上数量増分率をUPする、代替が利かないほど製品を差別化する、消費者需要を拡大する(3)マーケティング収益性を高める価格設定。スターバックスの代替店としてのマックカフェ。
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企業の経済学、経営戦略、ゲーム理論の観点を持ちながら読むととても面白い。特に第3章の価格戦略と中国企業のことは新鮮。
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価格について悩んでたので、タイムリーに読んでみた。個人的課題は解決してないけど、価格の設定について様々な事例が紹介されており、幅広く学ぶには良い本かなと。ペイ・アズ・ユー・ウィッシュは今後チャレンジしてみたいな
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ペンシルバニア大学ウォートンスクールのジャグモハン氏による著書。最新理論はこの一冊で全て網羅できる。事例も豊富。
価格は利益を直接を左右し、顧客との最終接点にも関わらず、注意を払う企業は驚くほど少ない。グローバル化とIT化の進展により、これまで以上にプライシングの重要性は増すだろう。本書は最も一般的なコストマークアップ方式以外の、「Pay as you wish」「フリーミアム」マイクロファイナンス」といったユニークな手法を紹介している。
特に「チャイナプライス」に隠された深遠なるマーケットシェア奪取の戦略性と、シムズのアナログな手法ながら異なる価格感度の顧客にアプローチ出来る自動値下げは興味深い。そして改めてアマゾンの強さを痛感させられる。
冒頭に「農業者は刈り取りに最も力を注ぐ」とあるとおり、「価格」は単なる金額を表記したものではなく、企業にとって意思を表明したものといえよう。旧来のプライシング書の前にまず本書を読むのをおすすめする。
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EMSによる受託製造の薄利多売型ビジネスモデルのケーススタディや日々直面している価格競争について体系的に考えてみたかったことから本書を読んでみた。
結果、ハッとさせられたのは、低価格戦略と、他社の価格に合わせることは違うということ。
「低価格戦略」は価格弾力性を利用して適切に実行されれば効果的なマーケティング戦略になることが分かる。反面、他社の価格に合わせるだけの受け身的な対応は、チキンゲームから価格の下降スパイラルに陥る戦略なき対応に過ぎない。これは、過去にBoeingやAirbusが行った値下げ競争から巨額の赤字に繋がった負の連鎖からも見てとれる。
高品質を売りにしている会社が安易な値下げをすることはなおさらで、ブランドや商品全体を破壊しかねない。BMWやAppleのような一環したポリシーで価格をコントロールすることは、ブランド価値を守るということ。
価格競争に直面すると、近視眼的になってしまいがちだが、一歩ひいて長期的な視点でブランドに及ぼすインパクトを考えなければならなければならないと痛感。まさに「4P」のプライスと他のPとの一貫性、戦略との整合性をきちんと考えプライシングしなければならないと感じた。
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・ 「ペイ・アズ・ユー・ウィッシュ」方式は、顧客の関心を自分の払う価格ではなく、その楽曲や本や映画からどれくらいの楽しみを得られるかに集中させるという意味で、とりわけ音楽などの経験財に価格をつける優れた方法なのかもしれない
・ 人間は利他的行動を促す経済的インセンティブがない場合でも、利他的に行動することが多い
・ グーグルが大きな価値を提供すればするほど、そのお返しに同社が得るものも大きくなる
・ ゼロにはほんとうになにか特別なものがある
① 社会的規範:人々はただのものを一種のギフトと見なし、普通の商品より寛大な目で見る
② 人々が自分で価格を決めるのは容易ではない(25セントのチョコはいいかどうかわからないが、無料のチョコレートは何もないより確実にいいと結論づける)
③ 人間はマイナス要素が全くない選択肢を当然好むので、消費者にとってはゼロは拒絶しがたいオファー
・ 無料のビジネスは、期間(中に経験がたまった3年後に課金するなど)や付属品で課金していることがおおい
・ 広い情報より深い情報で取材力を活かし課金をする
・ タダで出されたおつまみのコストは、遅かれ早かれ、誰かのビール代金でカバーされなくてはいけない
・ 価格戦争はよく負け犬の戦略と見なされるが、むしろこの戦略は利益率の高い産業において、最も効率的な企業が実行するとき、最も効果を発揮する
・ 価格戦略で敵の計画を未然に防ぐためには、競争相手がそもそも価格の引き下げなど考えないように、相手が立ち向かわねばならないハードルを上げること。またはほかの製品では代替がきかないほど製品を差別化すること
・ 1日あたりわずか数セント。競争相手が同じ表現を用いたときには、実際の総額を示すことで、頭の中の小遣いのカテゴリーから追い出せる
・ 特大サイズのアイデア→いくらたくさん食べたくても、人は2つは買いたくないという心理
・ おつりが20セント未満の場合には、オファーは最も近いドル単位の額ではなく、それより1ドル上の額に引き上げられるのだ
・ フラクショナル・オーナーシップ
・ 自動値下げ方式:いくつもの価格が書かれていることでのお得感。価格が下がることがわかっているために、購買決定に時間的なプレッシャーを加える。値下げ時期の明治は希少性の感覚を高め、むしろ通常より大きな心理的プレッシャーを顧客に与える
・ 初期の価格は顧客に買うプレッシャーを与え、価格の予言は価格感度の高い顧客に再来店の理由を与える
・ 価格感度の異なるセグメント間での支払い意思額にあまりさがない市場では、消費者は自分にとって望ましい価格レベルを既に店で選んでいる
・ 収益性の測定の角度を変えて、より顧客中心の見方をしてみると、これまで射落としていた重要なパターンが見えてくるかもしれない
・ サブスクリプション方式では、買い手は将来の主な購買を基本的に自動操縦に任せる。買い手が購買決定を下す頻度が減るため、競争力のある価格を求める短期的プレッシャーは小さくなる。サブスクリプションモデルは季節や買い手の気まぐれによる変動が比較的少ない
・ ディズニーでは、テーマパーク内の収支だけでなく、テーマパークにくる人の財布に目を向けて、小売り産業やバケーション産業のバリューチェーンの構成要素に投資して、ディズニーの事業設計を根底から作り替えた
・ マクドナルドは、顧客の胃袋にしめる自社の商品の割合、すなわち胃袋シェアに目を向けた(スターバックスの隆盛から、ターゲット顧客の消費習慣に目を向けて、コーヒーでの胃袋シェアの獲得をはじめた)
・ 企業は顧客のニーズではなく、自社のスキルを起点に考えるようになる。揺るぎない戦略は「顧客がなにを必要としているか」という問いからスタートすることだ。それから、自社に足りないスキルは何かを調べればいい(ジェフベソス)
・ 利益を本当に最大化しようと思うなら、消費者の購買行動に適合するように、そして彼らの購買行動に影響を与えるように、自社のオファーに価格をつけることだ
・ 売れ筋の商品は決して値下げをせず、売れ行きの悪い商品は値下げではなく製造中止にして希少性を高める
・ 列を作らない価格にさげるのではなく、あえて列ができる程度の価格に維持し、顧客基盤を築く。
・ 成果に応じて支払う方式は、支払い者の「ノー」を「試してみてもいいかもしれない」に変える。さらに、価格が政党か否かという本質的に守りの論争から、その医薬品がどれだけの価値を生み出したかというより前向きな、そして勝ち目のある論争に議論の焦点を移すことができる
・ 「成果に応じて支払う」方式は、買い手の最大の拒絶理由を取り除く。この方式は買い手の側の先行投資のリスクを小さくし、買い手を契約締結に前向きにさせる。消費材の返金保証と同じく、成果ベースの価格設定は顧客がその商品を試すのを促す働きをするのである
・ 成果に基づく価格設定は、失敗のリスクが高い場合は値引きですみ、リスクが低いグループは満額を引き出すことを可能にするし、満足も得られる
・ 顧客を起点にするとは、顧客の購買行動にきめ細かく関心を払うこと
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価格戦略やいくつかの価格設定方式が体系的に書かれている。フリーの強さなどは先日読んだ行動経済の本とつながる部分が多い。主にB2Cの事例が多い。B2CよりB2Bの方が合理的なイメージだけれども、最終的には人が意思決定するという意味で同じ結論になるのだろうか。単発的な価格設定ではなくて、例えばインターネットプロバイダの価格みたいに、時間軸やラインナップを考慮した事例が掲載されている本てないんかな…。
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ペンシルベニア大学教授(学部長)による価格決定の重要性について述べられた本。価格は、コストに利益を上乗せするだけの単純な作業によって決めるべきではなく、もっと戦略的に深い検討が必要であることを説き、極端に高い価格やタダにすること、あるいは客に値段を決めてもらうことによって大成功を収めた企業の事例を紹介している。論理が体系的に述べられているのではなく、トピック的事項が中心となっている。印象的な記述を記す。
「私たちは頭が目に指示したとおりに物事を見るのです」p146
「(マクドナルドの戦略)遊び場は子供を引き寄せる。子供は親を連れてくる。そして、親はお金を持ってくる」p218
「マクドナルドは今では世界最大のおもちゃ販売業者になっている」p220
「企業は顧客のニーズではなく自社のスキルを起点に考える。だから、「なぜそれをやらなくてはいけないのか。わが社にはその分野のスキルがないのに」となってしまう。「顧客は何を必要としているか」という問いからスタートすることだ」p224
「(トランプ・タワーの購入者について)市場の最も高い層にいる人々は、価格にはこだわらないが、付き合う人々や自分のステータスにはきわめて敏感だ」p237