紙の本
今夜は眠れない
2011/11/06 07:42
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間の感情にはいくつの種類があるのでしょう。どうやらいくつかの説があるようですが、基本となるのは、幸福とか悲しみとか怒りとかでしょうか。もちろん、驚きとか恐怖もはいるでしょう。
それでは恐怖というのは一体どういった感情なのか。私の極めて個人的な意見でいえば、排他的になる感情ではないかしらん。ところが、そんな恐怖の感情を好み人たちがいます。
じわじわと頂点まで昇っていって突然急降下する遊園地のアトラクション。あれなど恐怖そのものです。つまり、普通だったら乗りたくなどありません。それなのに、それにキャーキャーワイワイと乗り込む人たちがいます。なんともかんとも。
本書はなんとも怖い絵本です。読み返すのも怖いくらい。それでいて、そおっとページを開いて、のぞいてみたくなる絵本。
岩崎書店が「怪談えほん」としてシリーズ化した、これはその最初の配巻です。作者が宮部みゆきさんですから、岩崎書店のこのシリーズにかける意気込みを感じます。
この絵本がどれほど怖いかは読んでもらうしかありませんが、言葉にしてわずか千文字足らず。それでいて、どうしてこんなにも怖いのか。
もしかしたら、絵の力? 絵は、イラストレーターで数多くの絵本も書いている、吉田尚令さん。なんといっても、小さなテディベアの目が怖い。
最後のページの・・・ああ、書くのも怖い。
でも、そうやって怖がっているのは私だけかもしれません。
あの垂直直下の遊園地のアトラクションに乗って、キャーキャー笑っている女子や子どもたちなら、この絵本を愉しみそうです。私からすれば、あんな怖い遊戯具に乗ってみようとする人も怖くて仕方がありません。
はたしてどちらか怖いのか。私にはわかりません。
紙の本
心の奥で蠢くものがあふれたら
2011/10/25 08:51
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こぶた - この投稿者のレビュー一覧を見る
わたしの心の中にも
黒いもの、闇の中に蠢くものがあるはず。
そしてそれがどうしようもなく大きくなって
あふれ始めたら
悪い本がやってくる
悪い本を手にしたら
壊れ始める
何もかも
遠い昔捨ててしまった者たちのように
わたし自身も
うつろな目をして
跳んで行ってしまうのだろう
暗い所に。。。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:スイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
全ての人が心に持つ悪性をゾッとするくらい上手に描いている。読者に語りかけるような文章も人形たちの絵も素晴らしい。人は誰しも悪意を抱えているということを意識させられる。
投稿元:
レビューを見る
はじめまして
わたしは 悪い本です
そんな出だしから始まる、怪談えほんシリーズ宮部版。
セピアカラーの表紙のくまちゃんが、かわいいのだけれど意味ありげ。
中身も本当に小さい子が読んだら軽くトラウマになりそうな。
でもなんだかこわごわページをめくりたくなってしまう、
そんな絵本。
あなたがわたしをわすれても
わたしはあなたをわすれない
投稿元:
レビューを見る
やっぱいいわー。このシリーズ。
絵のクオリティがなんといっても高い。
子供にも読んで欲しい。
いやーな気分をバーチャルで味わっておいた方がよいと思う。
もっともっといやーなことは現実にたくさんあるのだ。
投稿元:
レビューを見る
こ、わ、か、っ、た……
ぞくぞく、じわじわ、こわいです。
絵も。
待っていてもらわなくても、すでに開いてしまったかもしれない、わたしは。
生身の人間が、実はイチバンこわいんだよなぁ。
なんてことも思ったりしました。
投稿元:
レビューを見る
娘をダシに購入、絵本。
これは、怖いー!!!!!
私的には文章というか、絵と間合いがものすっごい怖かった。
…のだが、やっぱりお嬢さんには難しかったみたいで、「マイマイとナイナイ」同様、読んでる間も読み終わってからも「きょっと〜ん…」てな具合でした。
これまた繰り返し読み聞かせて、じわじわ怖さを感じてもらいたい作品だ。
投稿元:
レビューを見る
言葉と絵が妙に怖くてぞくっとした。だけどなんでぞくっとするのか知りたくてもう一度最初からめくってみた。そして、2回目はぞくぞくした。こわいです。
投稿元:
レビューを見る
岩崎書店の怪談えほんシリーズ第1弾。同時発売は皆川博子の「マイマイとナイナイ」今後のラインナップも京極夏彦に恒川光太郎、加門七海と豪華。
物語としての出来はよさそうだけど、絵本としての出来はどうかな…? 来るのが楽しみです。
自館発注。
※追記(10/26)〈別アカから転載〉
中央の選書委員会から「怖すぎるから中身確認して発注するか決めて」ときた^p^
読んできました。確かに怖いね。話は、ふーん? て感じなんだけど(しっかり読んだら印象変わるかも)、絵がいい。ぞわっとする。「怪談えほん」として素晴らしい絵だとおもうよ。
こどもは怪談好きだし、うけるとおもうけどなー。次出勤したらやっぱり買う、に票いれとこ。
そして『マイマイとナイナイ』も中央から発注取り消しくらった^p^
『悪い本』よりは怖くないかな。谷山浩子の不気味系の歌を彷彿とさせる雰囲気。嫌いじゃない。
投稿元:
レビューを見る
書店
中央の選書委員会から「怖すぎるから中身確認して発注するか決めて」ときた^p^
読んできました。確かに怖いね。話は、ふーん? て感じなんだけど(しっかり読んだら印象変わるかも?)、絵がいい。ぞわっとする。「怪談えほん」として素晴らしい絵だとおもうよ。
こどもは怪談好きだし、うけるとおもうけどなー。次出勤したらやっぱり買う、に票いれとこ。
投稿元:
レビューを見る
表紙はそこはかとなくホラーテイスト。
中身は……ものすごく怖いです。
絵本なんで2分もあれば読めてしまいますが、
読み終わった後、きっと怖くなるはず。
『ブラックスワン』という映画を見た人だとこの怖さが分かるかも。
世の中を歩いていると、いろんな人間関係に出会う。
喜怒哀楽という言葉にあるように、人間関係はいいものばかりとは限らない。
なまじ、社交辞令などという慣習が流行っているだけにぱっと見は目立たないが、確かにそこにはある。
「アイツムカつくなぁ」
「アイツなんていなくなればいいのに」
負の感情だ。
この感情が、ない人なんていない。絶対にいない。
うまく行っている人は、その感情との、自分の体の中の"毒"と、常に、静かに戦い、勝てているだけ。
「たとえあなたが忘れても。
私はあなたを忘れない。」
最後のこの一節は、ものすごく粘着質な恐怖に彩られながらも、怪しい包容力に満ちている。
"悪い本"は、ずっとあなたを見続ける。
あなたが怒りや憎しみの感情に屈して、"悪い本"を手に取り、「憎しみを形にする方法」を実行する、その時まで。
人間の根源的な、醜悪な、生々しい本性をさらけ出すような、そんな絵本。
噛めば噛むほど怖くなる。挿絵が段々恐ろしい光景に見えてくる。
「偽善ぶんなよ。手を汚さずに、ムカつくアイツを消す、いい方法をおしえてやるぜ」
悪魔のささやきに、あなたはどう応える?
「独裁スイッチ」や「デスノート」を欲している方々に読んでほしい、そんな本。
私は、負の感情に負けたくない。
投稿元:
レビューを見る
一見かわいらしい絵。「悪い本」というふしぎなタイトル。ですがその中身は……とんでもない!
怖いです。決して恐ろしい描写やおどろおどろしいシーンがあるわけではなく、むしろ淡々と語られるのですが。それがもう心の奥底にゆっくりと突き刺さってくるような感覚で。
とても惹きこまれた一冊なのですが。これはトラウマ必至です。
投稿元:
レビューを見る
鳥肌たった。とにかく悪い本。怖いというより、ほんとうに悪い。意地悪いというか悪意に満ちているというか。身近すぎて。ぞわーっとくる怖さ。これは子供に見せちゃだめ!笑
投稿元:
レビューを見る
図書館で借りました。
表紙の絵は可愛いですが、中身はじわじわくる怖さ。何もないとはわかっていても、不意に部屋に小さな頃から置いてあるぬいぐるみを振り返って見てしまいました。
あの少ない文字数で怖さを味わえるとは思いもよりませんでした。
投稿元:
レビューを見る
こわい話というより、こわい感覚を表現したような…
楽しい気分のとき読んだので「???」でしたが、読むときによって感じ方が変わりそうなそんな絵本。
こどもが読むとどんな感じなんだろう…