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松本弘樹氏の最新刊。いつもながら大変面白く、経験に基づいた本音の話が綴られている。エピソードは著者の過去の作品で既に読んで知っている話もいくつかあったのだが、それでも飽きずに引き込ませる文章。
金融不況のからくりが知りたかったわけではなく、単に著者の本が好きだから読んだのだが、全体として見れば「金融不況のからくり」というタイトルは最適ではないような気もする。
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昨今の投資の問題点、運用の基本、正しい投資スタンスを述べている本で、良書と思います。
冒頭ではリスクの高い商品(FXなど)について述べられていますが、一般の人が描く「投資」の姿ってやっぱりこんなもんなんだなぁ、と感じました。
ノーロードの商品を知らない人、投資信託「だから」大きく儲かると信じている人、「儲かる」と言われて商品を理解せずに買う人を見ていると本当に基本知識が無い人が多いのだと感じます。
※株式はダメ、投資信託はダメと言う人もいますが、上記のような前提を置いているのでしたら、そのように考えても不思議ではありませんね。
昨今(?)時々ひょいと話題に上がる「通貨選択型」についても、分配金は取り崩しているだけの旨が説明されています。他に通貨選択型投信のリスクについてもひと通り触れられています。何よりも売る側が説明していないみたいですね。
そして、絶対収益を目指すファンド、ヘッジファンド、そしてオフショアファンドの話(P92)にも触れていたのがちょっと嬉しかったです。あまりこの手の話は書籍では出ませんからね。海外から投資する旨のリスクはあまり考えない人が多いと感じます(まぁ、強いインパクトを受けた人は都合の悪いリスクなんか見なくなりますからね。運用商品に限らずですが...) 商品自体はまぁ人それぞれあると思いますが、海外ファンドに集中しちゃうのは危険と感じています。(資産の一部をオフショアファンドで、だったらまだわかるのですが、それだけ資産を持っている人がいないという...)
後半では「投資家教育」の問題点にも触れており、これは全くその通りだと思います。「投資家教育=チャートの見方、トレーディングの手法」などと教えているようでは、結局「株式=奪い合うギャンブル」と言う考えしか根付きません(あながち間違っているわけでもないでしょうが...)
本書では株式は「発行市場」「流通市場」の2つがある面について述べられています。「株式=資金調達の手段」という根底の考えが無いと、株式の良さも必要性も正しく理解出来ないのだと思います。著者は、流通市場ばかり推し進めるのではなく、発行市場を盛り上げよ、と伝えており、その通りですね。
自分がモヤモヤと考えていた、「インデックス投資をしても企業にお金がいなかい」という点について、「これこれ!」という形でまとまっていたのが良かったなと思いました。「金融不況のからくり」というタイトルよりは、昨今の金融商品の問題点・懸念と正しい投資のあり方について述べられていて、良い本だと思いました。
※自分は発行市場にてお金を出したいとは考えてもいますが、個人レベルの資産しかないこと、株式投資が本業ではないことから、無難なインデックス投資に落ち着いています。
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資産運用に対する過信や思い込みを戒め、「投機」に堕している銀行・証券会社・取引所の問題点を如実に描き出すのがメインであり、その部分は参考になるし非常に興味深い良書。「金融不況のからくり」という点については不足感がある。タイトルが違うかも。