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電気だけがエネルギーではないという、単純なことがわかる本。電気という2次エネルギーだけの視点でなく、人類が地球上のエネルギーをどのように使うべきなのかを解説して切れている本。
ブログはこちら。
http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/3902595.html
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原子力だけ、石油だけ、石炭だけ、再生可能エネルギーだけというエネルギーの仕組みでは、いざという時に大パニックに陥る。チャーチルの「一に多様化、二に多様化、三に多様化」のエネルギー政策が求められる。
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以下引用。
第一次大戦前、時の海軍大臣であった若きチャーチルは、当時の世界最強の海軍である英国艦隊を、それまでの石炭による蒸気動力から、機動性が格段によくなる石油による内燃機関に大刷新することを計画した。
しかし、当時の大英帝国内では、未だに中東の大油田ほ殆ど発見されていなかったので、石油は殆ど調達できなかった。そこで、重鎮の軍人や政治家からは、英国内で自給できる石炭から、自給できない石油に変更するのは非常に危険であると大反対があった。
そのとき、チャーチルは、「供給安全保証の要諦は、一に多様化、二に多様化、三に多様化」であり、自給できるか否かは全く関係がなく、石油は様々な産油国から分散して輸入すれば全く問題ないとして、自説を押し通した。
結果として、英国艦隊の石油•内燃機関化は、その後の二つの大戦においても大成功した。
著者は、こういった哲学から、エネルギーの多様性を前提にした現状としてベストミックスなエネルギー政策の提案をしています。
歴史、経済、将来、様々な側面から人々の生活とエネルギーの関わりを知るためには、よくまとまった新書でした。
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2011年3月11日の震災以降に書かれたエネルギーに関する本。
震災以降、原子力発電の是非のみが各所で語られ、再生可能エネルギー、太陽光エネルギーが取りざたされているが、その論争にちょっと待て、と言う。
その上で、エネルギーの原点に戻り、人類とエネルギーの付き合い方から振り返る。
人類は様々な面からのコストが安く、大量に使えるエネルギーを手に入れるごとに大きく生活を変えてきた。
そのような面からもエネルギー問題を考え、発電だけではなくエネルギー全体の中の電力を考えていく。
著者の結論は天然ガスだ。
そして分散化。
この本を読んだら、巷の原発論争には加われないかもしれない。
本書は今まで知らなかったこと、伝えられなかったことが多すぎて、前提となる知識が変わってしまうから。
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暑さと省エネの夏休みに読む本第2弾。人類進化と文明史からエネルギー問題を俯瞰する。電力はエネルギー消費の2~3割,全体最適化が必要。
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最近の原発か再生可能エネルギーかという2者択一の不毛な議論はやめて、天然ガス利用を進めることが重要なことがよくわかる本です。
省エネ、コンバインドサイクル方式による天然ガス発電の推進、発電の分散化によるスマート・エネルギー・ネットワークの導入が最重要課題であり、太陽光、風力のプライオリティは高くないことを多くの国民は理解するべきだ。
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天然ガスの汎用性について分かりやすく書かれている。サハリンからパイプライン引いておけば良かったのにな。
シェールガスによる価格低下を招く前にガス開発会社は早目にプロジェクトに着手すべきかと。
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エネルギー問題を論じた新書。原発に賛成か反対かの二項対立を超えて、主張する。主に、(1)エネルギーの地域分散化、(2)エネルギー源の分散化、(3)天然ガスの利用、を訴えている。原発については、折り合いをつけるとしている。
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莫大な薪を消費する「たたら製鉄」が中国山地を禿げ山にし、ヤマタノオロチ伝説を作った事まで書いてあって面白かった。
あとは、原発の代わりに自然エネルギーじゃ!と言っている人も読んだら面白いかも。
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太陽光、風力などの再生可能エネルギーに過剰な期待をするのは間違いだし危険だという事が分かった。それよりも天然ガスのほうが有望みたいですね。無理に再生可能エネルギーだけですべてを賄おうとすると、現在の人口をを支えきれないという議論は説得力がある。省エネもメディアは需要側の方ばかりに努力を要求するような報道に現在は終始しているが、その効果は物凄く小さい事がわかった。発電の方法の効率化、送電時のロスを防ぐ為の電力の地産地消、発電時の廃熱利用などのコジェネレーションなど、供給側に省エネも余地が十分ある事がわかった。非常に勉強になった。脱原発、原発推進派問わず必読の本だと思う。
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現実主義のエネルギー論。原発賛成と自然(再生可能?)エネルギー万歳における二項対立の無意味さ、無駄を指摘する。投資と一緒で、エネルギーもポートフォリオが大切と説いている。特に天然ガスはこれまで軽視されてきたと力説し、利用をうながしている。繰り返しが多く、古臭い感じがする文章であるが、オルタナティブな考えとして、一読の価値あり。
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エネルギーについて、基礎から学ぶことができ、内容もわかりやすかった。東京都や六本木ヒルズがなぜ天然ガスを選んだのかがわかった。今後は、天然ガスやその他のエネルギーを併用しつつ、供給側・需要側ともに省エネルギー化を進めるべきだと思う。
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【目次】
第1章 エネルギー問題がなぜ重要なのか 人類の命と文明を支えるカギ
第2章 技術革新の陰に化石燃料あり エネルギーは「量」より「質」で考える
第3章 虚飾にまみれたエネルギー論争 原発VS再生可能エネルギー対立の不毛
第4章 知られざる天然ガスの実力 世界的「ガス革命」に乗り遅れるな
第5章 21世紀型の省エネとエネルギー安全保障 資源、地域の分散化がカギ
内容については目次のとおりだが、特にエネルギー問題とは何ぞやを論じた1・2章が面白かった。電力だけを取り上げて騒ぐことの不毛さがよく分かる。個人的にはこの2章だけを取り出してもっと掘り下げた本が読みたい。
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エネルギーと言えば電気と決めつけ、原子力の擁護派と廃絶派に分かれて、非現実的な太陽電池での代替議論などに明け暮れる能天気な世の中を切り捨て、現実的なエネルギーの有効活用を考える。天然ガスの活用とコジェネ。方向性は正しいと思う。
有効エネルギー利用率は90%近くになるという。数字をよく理解できていないがすごい数字に見える。
何故マスコミはこの有効性を伝えないのか。
筆者は電力業界はコストアップを嫌い、マスメディアは不勉強で、環境派は原理主義潔癖症で天然ガスのCO2排出量削減の実力を無視してきたというが、それだけだろうか。
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この本の読みどころは「結局、原子力発電は廃止すべきなの?推進すべきなの?」「原子力と自然エネルギー、どっちがいいの?」という疑問には「答えてくれない」ことである。
いやいや、「答えてくれない」って書いてくるくせに★5つ付けてるって、どういうこと?
それは「そもそもエネルギーって何?」「なぜ現代社会でエネルギー問題が重要なの?」「なぜエネルギーは量だけあってもダメなの?」といった疑問に対する本質的な探求を、全5章の内。最初の2章を使ってしっかりと書き上げているところに、★5の価値があるといっても良い。
ここまでの文章で、頭がモヤモヤした人にこそお薦めしたい。