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紙の本
マンガからみんな教わった
2011/12/01 08:09
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あさのあつこさんは1954年生まれ。私は1955年の早生まれですから同級生です。 世代論でくくるのはどうかと思いますが、あさのさんがいうように「高度成長期のあたりに生まれ、育ち、青春を送りました。そしてバブル経済の頃、結婚、子育てを経験」、「マンガの隆盛期と成熟期」を体験したという点ではまったく同じです。
あさのさんが岡山の地方都市で発売日に届かない漫画雑誌に苛々したように、私も大阪とはいえこちらも地方都市で「ガロ」なんていう雑誌はあまり見かけませんでした。
そんなあさのさんが書いた本書は、マンガとともに生きた自分史であり、だから多分に私の自分史でもあるのですが、マンガへの愛が貫かれたエッセイ集です。
本書のなかであさのさんは「少年マンガ・少女マンガの区別なく」読んできたと書いています。
私は残念ながら少女マンガをあまり読んでいません。あのキラキラする絵柄が苦手でした。子供の頃に読んだ少女マンガといえば楳図かずおさんの「恐怖マンガ」でした。「へび少女」なんていう怖いマンガが少女マンガ雑誌に連載されていて、こんな怖いマンガを読む女子という存在が怖くもありました。
もうひとつ、あさのさんが触れていないのが「COM」という雑誌のことで、私は「ガロ」よりも早く「COM」に出合っています。このあたりも微妙な個人差でしょう。
少年期にはなかなか接する機会がなかった少女マンガですが、萩尾望都さんとか竹宮恵子さんといった「花の24年組」の作品は大学生の頃に読みました。少女マンガがとても勢いのあった時代です。
この本にはあさのあつこさんオススメの36作品のマンガが一言コメント付で紹介されています。そのほとんどが読んだことがあるというのも、やはり同世代ならではなのですが、私ならあのマンガ家のあの作品をいれるのにといささかじれったい思いもしないではありません。
それと面白いのがかなり私的な「あさのあつことマンガの歴史」という年表で、これに我が歴史を重ねれば、「私とマンガの歴史」という年表もできあがることになり、あさのさんではありませんが、私の人生もまた深くマンガに誘われてきたものだと、感慨ひとしおです。
紙の本
最強マンガ論
2011/09/04 20:30
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BH惺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
Vol.1 家族とマンガとわたし
Vol.2 少年マンガと少女マンガ、それぞれに思うこと
Vol.3 小説家から見たマンガ
Vol.4 わたしを虜にした二人のマンガ家
Vol.5 勝手にキャラクター論
Vol.6 最終回に望むこと
Vol.7 戦後のマンガブームの背景と海外における「MANGA」
あつコメ!付き マンガ紹介(36作品)
年表 ─あさのあつことマンガの歴史─
目次を見ても俄然興味そそられる内容です。なんと出版社が「東京書籍」。確か教科書とか出版している会社だよね? さすがです、あさのセンセ。
で、意外や意外、初の自伝的エッセイということで。もっと以前に出されているのかと思ってました。しかしフタを開けてみると自伝的要素は2割くらい? あとの8割はほとんどマンガのハナシです。ものすごいです。
マンガオタクを自称されているだけあって、その読了数はハンパない!マンガの創世記(ちとオーバーか)に関わる作品から現在に至る話題作まで殆ど網羅されていて頭下がります。その作品数の多さもものスゴイですが、さらにその解説も詳細で丁寧で、はっきり言って語り尽くしちゃってます!そのアツすぎる語りに、こっちものめり込むのめり込む!
特に興味惹いたのが、 Vol.4 わたしを虜にした二人のマンガ家 ですね。あさのセンセ、手塚治虫と吉田秋生を挙げてます。どちらも納得の偉大なマンガ家サン。特に吉田秋生を大絶賛されていて、「河よりも長くゆるやかに」が大のお気に入りとのこと。主要3キャラのあの、アホさ加減がなんともツボらしく、その感想もまた愉快すぎる!!
「BANANA FISH」もお気に入りのようで…コレはやっぱりなー感がアリアリでした~! 自分的にNO.6のネズミは多少なりとも絶対アッシュの影響受けてるな!! と思っていたので。自分も読了済みの作品なのでものすごく楽しく読めたし。
Vol.6 最終回に望むこと も爆笑モノ!
なぜあのキャラクターがあんな死に方をしたのか!!! と憤慨気味且つマジメで語る様もなんだか愉快。
「タイガーマスク」を例に挙げて、主人公があっけなく交通事故で死んでしまうことに不満タラタラで、「ダンプカーくらい、投げ飛ばしてほしかった」 との弁には超絶笑った!
もちろんここでも「BANANA FISH」のアッシュの死ネタについて言及されてます。お気に入りキャラだったんですね。
Vol.7 戦後のマンガブームの背景と海外における「MANGA はちょっと本格的なマンガ論というか、あさのセンセによる日本のマンガの歴史と鋭い考察が読めて貴重。
あつコメ!付き マンガ紹介 はお気に入りの36作品にひと言コメントをつけて愉快に紹介! 「あつコメ」がおちゃめで正直笑えます!!
ラストの年表も遊び心いっぱいでとてもよろし。
カバーイラストもデザインもとってもホンワカして素敵です。そしてなにより冒頭の言葉がとても印象的。
日本にはマンガがある。何も恐れることはない。そんな心境です。
まさしく名言。恐れ入りました。
紙の本
マンガ愛
2023/09/20 23:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
取り上げられた中では吉田秋生作品への掘り下げが印象に残った。
バナナフィッシュのアッシュへのまなざし
どこかご自身の作品に登場する少年たちへのまなざしと重なる。
手塚治虫氏の短編
猫に生まれ変わってボロボロになりながら夫の元に帰ってきた女性に
「そこまでする男なの?」
率直だなあ(笑)
傑作「日出処の天子」については
「そうそう、そういう作品だ!」と膝を打つ思いだった。