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紙の本
先端恐怖症のフェンサー
2012/01/23 21:31
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
杜坂高校に入学した有星結恵は、引っ込み思案の先端恐怖症だ。ひとり部活見学のために校舎をさまよっている時、女王蜂とあだ名される教師・蜂谷巴と、その弟で二年生の蜂谷芳人の、フェンシングでの争いに巻き込まれてしまう。尖った剣が怖い結恵は、思わず折り畳み傘で両者の剣を弾いてしまうのだが、それが物語の始まりだった。
どちらも全国レベルのフェンサーの剣を素人が防ぐ。そのありえない光景に才能を見出した蜂谷巴は、結恵をフェンシング部に誘う。しかし彼女には、父親をフェンシングの事故で亡くしたというトラウマがあり、ゆえに先端恐怖症だったのだ。
それを聞いてあきらめる巴だが、初めて人から必要とされた喜びは、結恵をトラウマの克服に向けて一歩踏み出させるのだった。
同じフェンシング部の空井琳太郎や、蜂谷芳人の幼なじみで、全国トップの荻野高校二年・三条椎奈、そしてクラスメイトたちの助けを得ながら、友情を育み、前へ進む勇気をもらっていく。
個人的には都合よくトラブルが起こって、主人公に勝敗を決する場面がまわってくるという構成はあまり好きじゃない。そういう構成と主人公のダメっぷりは、こざき亜衣「あさひなぐ」に近い。団体競技で一芸が光るという時はあっても、個人競技で一芸だけで勝てるとはあまり思えない。
しかし、蜂谷巴の熱血ぶりや、蜂谷芳人のストイックさは結構好きなので、次巻はもっと面白くなれば良いなと思う。
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