紙の本
余韻が堪らない
2022/02/20 12:20
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投稿者:藍花 - この投稿者のレビュー一覧を見る
カーは初読みだったのですが、とっても面白かった。不安をかき立てる不可思議な符合と不可解な事柄に導入からぐっと引き込まれ、読む手が止まりませんでした。
謎が解き明かされて、ホッと胸を撫で下ろした後の何とも言えない余韻が堪らないです。
電子書籍
オカルトは実在するのかしないのか?
2015/09/13 22:23
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投稿者:かんけつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーにはまっていた中学生時代に「帽子収集狂事件」だけ読んでいまいち好みじゃないかと他の作品は読んでこなかったが、オカルトとミステリーの見事な融合の手際には感心させられ、他の作品も読んでみたいと思わされた。
小説内世界が、オカルトを信じている人が多数いるだけでオカルトのない(現実)世界なのか、オカルトはないと思われているが実は本当にオカルトが存在する(架空)世界なのか知りようもない中でのエピローグはちょっとアンフェアとも思われた。
紙の本
たしかに面白い
2024/02/22 18:19
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投稿者:栄本勇人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の代表的な一冊。きちんとしているようでふざけていて、でもやっぱりきちんとしている、そんな本のように感じる。好みは明確に分かれるだろうが、個人的には面白く読めた。
紙の本
オカルト風味
2015/11/16 16:08
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投稿者:のきなみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
満載のカーらしい歴史ミステリ小説。
主人公の不安がこっちにまで伝わってくるようでグイグイ引きこまれる。
終始漂う怪しげでどこかモノクロな雰囲気がゾクゾクしておもしろい。
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オカルトな雰囲気がたまらなく楽しい1冊。
あらゆる人物が怪しく、あらゆる出来事が不可解で、気味の悪い雰囲気が最高です。
それまで目の前を覆い隠していた霧を一気に晴らすような終盤の解決が気持ちいいですが、現実に戻った、と一安心のところからのラスト数ページが素晴らしい小説でした。
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おもしろかった!傑作呼ばわり伊達じゃない。途中からのワクワク感がすごい。エピローグの効き目にまいった。古典海外ミステリって食わず嫌いで読んでないのが多かったけど、村上版「長いお別れ」といい、これといい、ここ何年かで出てる新訳版ってのは、読んでみようっていう良いきっかけになるなぁ。
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古典ゆえトリックに斬新さはないものの、怪奇的な要素と推理的な要素がどこで出会い読み手を納得させるのか気になります。最終的に形容し難い余韻を残してページは終わります。新訳だったので読み易かった。
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新聞でレビューを読んでからずっと読みたかった本。
アガサ・クリスティのような、クラシックなミステリーのいいところが存分に出ている感じ。
最後に後味の悪さをそれとなく残すのも、今のミステリーとは残し方が違うのでまたよい。
すべて説明がつくのかつかないのか、そのへんもまた今では書けないミステリーだと思う。
全体の雰囲気といい、面白い読み物を読んだ。
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カーの作品にしては凄く読みやすかったように思った。
きっとこれは“新訳”だからだろう。
こうなると俄然新訳ではないものを読みたくなる。
(実際レビュー見ると、難しいらしい)
ミステリとしての、謎解きを楽しむというよりは、これは読後の余韻を楽しむ部分が大きいように思う。
実際に、事件の動機だとか、そのあたりの“殺人事件”の内容は、イマイチだったように思う。
登場人物の人間関係なんて、解答編になって“実はこの二人は”なんて言われても、しらけてしまう。
けど、話の流れなんかは、流石でした。
読み始めたら、ぐいぐい読めます。
最初も最初あたりで、“どうなるんだ?”と思わせてから、
ブレナン警部が出てくると、彼がサクサク話を進めてくれる。
で、解答編イマイチで
余韻を楽しんだ。
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ニューヨークの出版社の編集部員であるエドワードが週末を過ごす別荘へ向かう車中で出版予定の小説原稿に添えられた写真と名前は別荘で待つ妻マリーだった・・・小説は事実を基にした70年前の毒殺事件でマリーである筈がないがエドワードの心にはシコリが残る。。。
時期を同じくして別荘近くの大地主でデスパード家の当主が病死するが甥で友人でもあるマークから砒素を使った殺人の疑いがあり容疑者探しを行う。
妻似の70年前の砒素毒殺事件犯人は魔女で”不死者”といわれ時代を超越した幽霊が犯人なのか?
霊廟に安置された筈の当主の亡骸は何処へ?
唯一の目撃情報である”古いフランス様式のドレスを着た女性”は誰なのか?
デスパード家の一族・使用人とエドワード夫妻及び友人医師の怪しい人間関係と隠されたトリックは予測出来ない驚きです!
火刑法廷とは毒殺犯罪者(主たる犯罪者は女性が多い)が処刑として生前や死後に焼かれる事。
特に毒殺は魔術とされ火刑で罰せられた女性を”不死者”として魔術信仰された。
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推理とオカルトの見事な融合。さすがカーの代表作!
物語が二転三転し最後の最後まで結末が見えない。
これ程推理小説で感動したのは久しぶり。
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カーの代表作のひとつということで、きれいにまとまっています。最終章が謎というか、卓袱台をひっくり返すというか、あの章をどう解釈するかで楽しみ我変わるのだろうな、と思います。読書慣れしていない自分には、やっぱり翻訳ものは苦手です。
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驚くべき展開のミステリー、もしくは怪奇小説。
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以下、覚書。
Ⅰ起訴
出版社の編集者として働くエドワード・スティーブンスが別荘に向かう汽車の中で、ゴーダン・クロスの原稿に、妻マリー・スティーブンスの究明と同じ名前を持つ顔までそっくりの、かつて砒素での殺人事件を起こし斬首刑に処された女性の写真を見つけるところから始まり、のっけから不穏な空気。
それに加えて、別荘の近くに住む友人マーク・デスパードの叔父マイルズが仮面舞踏会の夜死亡したことがまるで添え物のように語られます。
別荘に到着したのちにもスティーブンスはメリーへの疑念怒られ不安を増大させるが、マリーは幾つか思わせぶりな言い方をするのみ。
またマークが医師パーティントンを伴って現れ、マイルズの死が砒素による殺人だったのではないかという疑念を示し、霊廟を開け、遺体を確認することになります。
Ⅱ証拠
ヘンダーソン老人が加わり、苦労して霊廟を空けたが棺はもぬけのから。
彼らはこの謎について、またマイルズの死の謎やマイルズの死の直前にヘンダーソン婦人がカーテンの隙間からのぞき見た古めかしい服の女性について議論しますが答えは出ず、スティーブンスは砒素が存在した事実などから、マリーへの疑念を募らせたまま帰宅して、釈然としない言い訳のような書置きをのこしマリーが消えたのを発見します。
Ⅲ弁論
翌朝、何者かの電報によってブレナン警部を加え関係者が集められます。警部の集めた証拠や事実によって、マイルズの死の夜のアリバイが積み上げられて行き、関係者の完璧なアリバが判明していき、マイルズが魔術についての本を読んでいたこと、その中にある「不死者」ランヴィリエ公爵夫人についての章が語られます。ランヴィリエ公爵夫人が漏斗による水責めの刑に会ったことも語られ、ランヴィリエ公爵夫人の旧姓がマリーと同姓同名であることやマリーも漏斗を恐がるという事実から、マリーが「不死者」ではないかと言う疑念が高まります。
ここで、ヘンダーソン老人が霊廟を暴いた夜小屋でマイルズを見た、と言うエピソードが加わります。
Ⅳ説示
ここで、作家かつ犯罪研究家であるゴーダン・クロスが現れ、
まるで超常現象のように見えていた様々な事実を現実的な手法で証明し、すべてはマイルズ付きの看護婦コーベット嬢(ジャネット・ホワイト(マークの愛人))とマークの共同の犯行であったこと。霊廟を暴いた夜、いかにマークがマイルズの死を超常現象であったかのように演出し誘導したのかを証明します。
しかし証明を終えたクロスは衆人環視の前でシアン化合物により毒殺され、またこの犯行がコーベット以外に不可能であることから結果、マークはすでに失踪していましたがコーベット嬢が捕らえられ、物語は現実的な解決編を示していったんは終了します。
超常現象などは存在せず、全ては策略と偶然であったとそう示して。
それどころかこの後に章があるのに気付かず読み終わりそうになりました。
Ⅴ評決
短いマリーの独白と記事。
しかし物語はここで反転します。いっそ潔いまでに。
マリーの独白を信用するならコーベットは誰も殺していないことになり、そうなるとマークの共犯もなかったことになり、となるとマイルズのしたい消失トリックも行われなかったことになり、やっと解決した物事がまた謎へと還ります。
記事ではクロスには共犯者がいてコーベット嬢の罪を確立するために具合が悪くなるだけの少量の砒素を呑むつもりだったのが、共犯者によって殺されたのではないかと言う弁護側の主張が抜粋されました。
また、ゴーダン・クロスやマリーは不死者であるようなことが語られ、ということはつまりマイルズも不死者になったということなのでしょうか?
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Ⅳまでを読めば、ただの良くできたミステリーですがⅤを読むと怪奇小説と姿を変え、こちらを混乱させてくれます。
新訳であるからか、翻訳者特有の読み辛さがあまりなく、またスティーブンスの中で膨らむ疑念や不安感に取り込まれたように没頭できる小説でした。
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過去の毒殺婦と瓜二つの妻マリー。彼女と毒殺婦の関係を疑う夫スティーブンズ。
そんな中彼の友人マーク・デスパード宅で父親マイルズが毒殺された。使用人のヘンダーソン婦人が目撃した密室から壁に消えた女の姿。その姿がマークの妻ルシーに似ていると訴えるヘンダーソン婦人。そして、検死のためにマイルズの遺体を調べようとしたが墓地から消えた死体。使用人の部屋に現れた死んだはずの男。マイルズの看護婦コルベット嬢が盗まれた薬。マリーが助けを求め事件解決に現れたゴータン・クロス。クロスが語る事件の真相。毒殺されたクロスとエピローグ。
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もっとぶっ飛ぶくらいの超絶トンデモトリックかと思いきや、論理的だった。最後に世界がひっくり返る感はある。
オカルト風味やひっくり返し方が、島荘や綾辻の原点をみる様だ。